物流の2024年問題対応策「パレット輸送」の課題とその解決策とは? | 物流機器・輸送機器のレンタル | upr

物流の2024年問題対応策「パレット輸送」の課題とその解決策とは?

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待機トラック

2024年4月開始!トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用

2024年4月から開始されるトラックドライバーの時間外労働上限規制に伴う「物流の2024年問題」への対応が迫っています。この規制は、物流業界における輸送能力の低下をもたらす可能性があり、従来の物流システムの維持が一層困難になることが予想されています。この重大な問題への対応が急務とされており、その解決策として「パレット輸送」の導入が注目されています。しかし、パレット輸送にはいくつかの課題が伴います。本記事では、これらの課題とその解決策について深掘りしていきます。

詳細は、物流の2024年問題に関する当社の詳細記事もご覧ください。

 

パレット輸送とは?

パレット輸送とは、荷物を輸送する際「パレット」と呼ばれる荷役台を利用することです。これにより複数の荷物を一度に効率的に輸送することができます。パレットは木製、プラスチック製、金属製等、様々な素材で作られており、パレットに荷物を固定して、フォークリフトやハンドリフト等のマテハン機器を利用して簡単に移動させることができます。物流の2024年問題対策として政府が推奨していることもあり、近年注目されています。ここからはパレット輸送により得られる効果について紹介します。

パレット輸送により得られる効果

まず、保管の面では、パレットを利用することで荷物をまとめて管理することができるため、棚卸等の管理工数削減につながります。次に、荷役の面では、フォークリフトを用いることで、荷物の積み降ろしにかかる時間を大幅に短縮できます。これにより、人が直接荷物を持ち運ぶ際に比べ、身体への負担も軽減されます。さらに、運搬の面では、ストレッチフィルムを用いることでパレットに荷物がしっかりと固定されるため、輸送中の安定性が向上し、荷物が破損するリスクが大幅に減少します。

このように、パレット輸送により荷物を効率的に扱えるようになり、作業員の労力をより有効に活用することが可能となります。パレット輸送は、各物流プロセスの業務効率を改善し、物流全体の品質向上に大きく寄与できる重要な策です。

 

パレット輸送の課題

物流の2024問題対策として注目されているパレット輸送にも、いくつかの課題があります。その課題とは何かを見ていきましょう。

フォークリフトの利用が必須

パレットは、重いものでは重量が数十㎏もあり、人力による運搬は非常に困難です。そのため、パレットの取り扱いにはフォークリフトの利用が必須です。作業現場では、フォークリフトが問題なく走行できるよう、広めにスペースを確保する必要があります。また、運搬作業の効率化と安全確保の観点から、フォークリフトの操作には特定の技能や知識が必要であり、操作は有資格者に限られています。
※ハンドフォークリフトは、有資格者でない方でも取り扱い可能です。

設備導入等の費用負担

バラ積みからパレット輸送への転換に伴い、パレットの購入・レンタル費用の他に、パレタイザーやフォークリフト等の設備導入が必要となります。これら周辺設備の投資には、1台あたり数百万円~の費用がかかり、企業にとって一時的ながら大きな費用負担となります。

参考記事:パレット輸送化に必要なコストは?初期費用から維持費用まで、徹底解説!

広いスペースが必要

パレットを利用する際には、その保管と管理に相応のスペースが必要です。特に狭い工場や倉庫では、パレットを置くスペースが作業エリアを圧迫し、作業効率の低下につながる可能性があります。限られたスペースを最大限に活用するためには、適切なパレットサイズの選択と効率的なプランニングが不可欠です。

積載率の低下

パレット輸送では、パレット自体の体積がトラック内の利用可能なスペースを占め、積載率が低下することがあります。特に、パレットサイズに最適化されていない荷物を運搬する場合、積載率のさらなる悪化が見込まれます。この問題は、輸送コストの増加や輸送効率の低下を引き起こす可能性があります。そのため、パレットサイズや荷物の梱包方法を最適化することが解決策として重要です。

参考記事:積載率とは?計算方法および積載率を向上させる方法を紹介!

パレット回収の負担と紛失リスク

荷物輸送後は、パレットを回収し発送元まで輸送する必要があるため、追加の輸送コストが発生します。この回収作業を企業が単独で行う場合、より多くの人的資源とコストが必要となる上、時間的な制約が生じ、物流全体の効率が低下する可能性があります。各社がトラックを走行させるため、CO2の排出量も課題です。そのため、効率的なパレット回収システムの導入や、費用対効果を考慮した回収方法の検討が必要です。
さらに、パレット管理のスキームが確立されていない場合、パレットを紛失するリスクがあります。紛失したパレットを補充するため、さらなるコスト負担が発生してしまいます。

ワンウェイパレットの廃棄問題

ワンウェイパレットは、主に一度きりの利用を目的としており、利用後の大量廃棄は大きな問題です。廃棄されるパレットの増加は、廃棄物処理施設への負担を増加させるだけでなく、廃棄プロセス中の二酸化炭素や温室効果ガスの排出によって、地球温暖化問題にも深刻な影響を与えます。

 

解決策

このようなパレット輸送の課題にも解決策は多数あります。ここでは一例を紹介します。

フォークリフト利用の最適化

フォークリフト パレット輸送において不可欠なフォークリフトには、様々な種類があります。例えば、リーチフォークリフトのような作業者が立ったまま操作するコンパクトなフォークリフトであれば、小回りが利き、狭いスペースでの作業も活用できます。また、従業員の安全性と効率を保つために、自動運転のフォークリフトやリモート操作システムを導入することで、作業効率と安全性を高めることができます。さらに、コスト効率の高いレンタルサービスを活用することで、設備への初期投資を抑えることが可能です。

コストと将来リスクを正しく評価

コストと将来リスクを正しく評価 パレット輸送ではなくバラ積みを継続した場合、パレットの購入・レンタル費用の他に、パレタイザーやフォークリフト等の設備導入のための費用は発生しません。しかし、今後はバラ積み輸送時に積込料や取卸料、待機時間料等、運賃とは別建てで請求される可能性があります。また、ドライバー人口の減少が予想され、労働環境の改善を試みている運送会社が増えていることから、バラ積みでの輸送を敬遠され、いざという時に運べなくなるリスクもあります。
パレット輸送に切り替えることでコストアップは発生しますが、将来予想されるバラ積みに対する追加コストやリスクから解放されます。発生するコストとリスクを天秤に掛け、経営視点で正しく判断する必要があります。

スペース管理の最適化

効率的な空間利用 効率的なレイアウト設計やマテハン機器を利用した垂直収納システムの導入により、限られたスペースを最大限活用することが可能です。
パレットのサイズを積載する荷物や利用可能なスペースに合わせてカスタマイズし、物流センターや3PL企業との連携により、ジャストインタイム配送システムを実現することも有効です。

積載率の最適化

パレット輸送における積載率低下の課題に対処するためには、製品自体のサイズや梱包資材の外装サイズの見直しを行ったり、荷物に合わせパレットのサイズを最適化することが有効です。

製品規格と外装サイズの見直し

製品自体のサイズや梱包資材の外装サイズの見直し

製品の内容量を変えずに、製品自体のサイズを縮小し最適化することで、より多くの商品を積載することができるようになります。
また、過剰梱包により製品サイズに対して不必要なスペースが発生することがあるため、緩衝材の利用を最低限に抑えて外装サイズを小さくしたり、業界で外装サイズの標準化を行うことで、積載率の低下を防ぐことができます。

薄型パレット

適正パレットサイズ

パレットサイズの最適化

荷物に合わせたサイズのパレットを選択することや薄型パレットを導入することで、積載率低下を最小限に抑えることができます。
パレットには、11型(1,100mm×1,100mm)や14型(1,400mm×1,400mm)等、様々なサイズがあります。積載物のサイズや形状に合わせて、パレットの耐荷重量も考慮しながら適切なサイズのパレットを選択することで、パレット自体の体積がトラック内の利用可能なスペースを余分に占めてしまうことを防ぎます。
また、業界によっては独自の統一規格を採用することで、積載率の向上だけでなく、物流の合理化を実現しメーカー・取引先双方の業務負担軽減のための取り組みを行っているところもあります。

パレット回収の効率化と紛失対策

効率化 パレット回収のコスト削減と効率化のためには、レンタルパレットの活用が有効です。
レンタルパレットを利用することで、発送元の近くでパレットをレンタルし、納品先の近くで返却することが可能です。これにより、パレット返却のための運送手配や輸送コストが削減できます。さらに、業界全体でパレットの共同利用・共同回収を行うことで利用済みパレットが集まりやすくなり、回収頻度が向上します。回収のためのトラック走行距離の短縮や効率化につながるため、CO2の排出量を削減できます。
また、輸送中の紛失に関しては、パレット紛失時に発生する紛失料金の全額免除制度や、パレットの入出庫・在庫管理を自動化し紛失を対策するソリューションを活用する企業が増えています。

パレットを繰り返し利用することによる環境負荷の軽減

環境負荷の軽減 繰り返し利用可能なプラスチックや木製のパレットを利用することで、ワンウェイパレットの利用を避け、廃棄回数を減らし環境に優しい物流を実現できます。
また、レンタルパレットの活用により、素材の調達、製造プロセス、および回収時の二酸化炭素排出量を削減することが可能です。

 

まとめ

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用されます。この変更は、物流業界における輸送能力の低下を招く可能性があり、「物流の2024年問題」として認識されています。この問題への対応策として、効率的な「パレット輸送」が注目されています。

パレット輸送は、荷物の積み降ろし時間の短縮や作業員の負担軽減等、多くのメリットを提供しますが、フォークリフトの必要性、設備投資の初期費用、保管に必要な広いスペース、積載率の低下、パレット回収の負担と紛失リスク、ワンウェイパレットの廃棄問題等、いくつかの課題が存在します。これらの課題には、物流現場に適した設備の導入や運用方法等、様々な解決策があります。パレット輸送の導入にあたり、大型投資が必要になればなるほど、発生するコストとリスクを天秤に掛け、経営視点で自社に最適なものを選ぶ必要があります。

課題解決の中で挙げたパレットのレンタルサービスは当社の強みです。豊富なサイズとパレット数をご用意しています。

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