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荷姿とは? 種類一覧から適切な選び方までまとめて解説

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物流の現場において、荷姿は重要な役割を担っています。荷物を梱包・輸送する際の形態を指す言葉ですが、荷姿の選び方によって輸送の安全性やコスト、作業効率が大きく変わるため、単なる梱包手段ではなく、物流戦略において欠かせない要素です。

そこで本記事では、荷姿に利用される素材やパレット梱包等の代表的な梱包方法を紹介しつつ、荷姿を選ぶ際のポイントをお伝えします。

 

そもそも荷姿とは何か

物流業界でよく使われる単語である「荷姿(にすがた)」は、荷物の輸送時に梱包された状態の外観を指します。

どの素材を利用し、どのように梱包されているかは、荷物の取り扱いや保管、輸送をどう行うかに影響を与える大事な観点です。

もし、荷姿を適切に選ぶことができなければ、輸送効率や品質に影響を与える可能性もあります。また、日本国内だけでなく、海外への輸送となれば、より慎重に荷姿を選ぶ必要があるでしょう。

荷物の形状や状態を正しく把握し、適切な輸送方法を選ぶことで、輸送効率や品質を高められるため、”荷物の姿”である荷姿をどのように選択するかが大切です。

 

荷姿に使われる素材一覧

ここでは荷姿を決める要素の1つである、荷物を梱包する素材について、主な素材をまとめてお伝えします。

紙・段ボール

まず、一般的によく見かける荷姿の素材に「紙・段ボール」が挙げられます。軽量で誰でも扱いやすく、リサイクルが可能で環境に優しいという特長があります。

一方で、強度は高くなく、湿度の高い場所や大量に積み上げることを前提とした荷物への利用は適していません。

木材

木材を利用した梱包は木箱や木製パレットが挙げられます。環境に優しく、衝撃に強いことに加えて、加工がしやすいといった特長があります。また、大量発注でない場合でも対応できることが多く、様々な物流現場で活用されています。

しかしながら、木材の輸出入には国際基準が設けられており、輸出時に利用する際には、適切な消毒や表示等が求められます。また、国によって基準が異なるケースもあるため注意が必要です。

金属

スチールやアルミといった金属は、強度と耐久性に優れつつ耐水性や防湿性があり、スチールパレットやドラム缶が代表的です。組み立てや開封も行いやすく、素材の薄さから荷物を大量に運ぶ際に体積を減らしやすいことも特長です。

強度が高いため、大量に荷物を積み上げることが可能ですが、高重量になってしまう場合は輸送手段が限定的になりやすく、コストも高くなってしまう傾向があります。

他にも、プラスチック素材も荷姿に多く使われています。これらの素材ごとの特徴を踏まえて、適切な荷姿の素材を選ぶことが大切です。

 

荷姿における梱包の種類一覧

ここでは、荷姿における梱包の種類をまとめてご紹介します。

パレット梱包

パレット梱包は、複数の荷物を一括でパレットに載せ、しっかりと固定する梱包手法です。

木製やプラスチック製、スチール製等、様々な素材のパレットがあり、フォークリフトを使って容易に運搬や積み重ねができます。

また、荷崩れしにくく、形や大きさが異なる荷物を1つにまとめられることも特長です。パレット梱包は、安定性と作業効率を兼ね備えた物流手段として、多くの現場で採用されています。
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参考:物流パレットとは?サイズ・積み方・材質の種類を解説

カートン梱包(段ボール箱)

カートン梱包は、段ボールを用いたもっとも一般的な梱包方法の1つです。

軽量でコストが抑えられることに加え、衝撃吸収性が高く輸送時のダメージを軽減しやすいという特長があります。形状やサイズのバリエーションが豊富なことから、製品の大きさや数量に応じた最適な梱包を行いやすく、幅広い業界で利用されています。

一方で、耐水性は乏しいため、湿度の高い環境や長期保管には向いていません。そのため、必要に応じて、防水加工を施したり、追加の保護材を利用したりすることで、内容物を適切に守る工夫が求められます。

ケース梱包(密閉箱)

ケース梱包は、木箱や金属ケースといった密閉型容器を利用する梱包方法です。

この手法は、外部からの衝撃や圧力に強いため、精密機械等の、衝撃に弱く傷つきやすい荷物の輸送に使われることもあります。また、密閉されていることから、耐水性が高く、盗難防止にも効果がある梱包方法であり、幅広く利用される荷姿となっています。

クレート梱包(すかし箱)

クレート梱包は、木材や金属を格子状に組み合わせた「すかし箱」と呼ばれる構造の梱包方法です。

この梱包方法は、通気性が求められる荷物や冷却が必要な製品の輸送に適しており、中身の確認が容易な点もメリットの1つです。また、コストを抑えつつも、頑丈な作りのため、重量物や特殊な形状の製品にも対応可能です。

ただし、密閉性がないため、防水や防塵機能が期待できません。そのため、耐水性や耐塵性の高い荷物の輸送への活用が適していることに加えて、フォークリフトを利用する場合は荷役中に中身を傷つけてしまう可能性があることにも注意する必要があります。

バリア梱包

バリア梱包は、アルミ箔や特殊フィルム等のバリア材を利用し、外部からの湿気や酸素の侵入を防ぐ梱包方法を指します。特に、湿度や酸化に敏感な電子部品、医薬品、食品等の輸送に適しています。内部の空気を抜き、脱酸素剤や乾燥剤を封入することで、荷物の品質を長期間維持することも可能です。

しかしながら、バリア材自体のコストが高く、破損すると効果が失われるため、取り扱いには注意が必要な梱包方法でもあります。

スキッド梱包

スキッド梱包は、木製や金属製の台(スキッド)に製品を固定する梱包方法です。スキッドは、すのこのような形をしており、底板がないのが特徴です。また、その形状から「下駄」とも呼ばれることもあり、一般的にフォークリフトのツメを差し込める二方差しタイプが主流で、片側からのみ持ち上げられる設計になっています。また、荷物のサイズに合わせてオーダーメイドされるため、規格化されていないのも特徴です。

スキッドはフォークリフトを用いた荷役作業がしやすいため、作業効率の向上につながります。加えて、スキッド梱包は外装箱を必要としないため、梱包材のコストを抑えられるのもメリットです。特に、ダンボールに収まりきらない製品や大型の機械装置、精密機器等の輸送に適しています。大きな荷物の運搬にも対応でき、パレットに比べて低コストなため、ワンウェイパレットとしても活用されることがあります。

ただし、外装による保護がないため、荷物を積み重ねることは難しく、積載率もそこまで高くないため、大型の荷物を少量輸送することに適した荷姿だと言えます。

バンドル梱包

バンドル梱包は、複数の製品や部材をバンドやワイヤーで束ねる梱包方法です。頑丈かつ傷つきにくい荷物で活用されることが多く、鉄筋やパイプ、木材等の工業製品に多く用いられます。荷物の固定も比較的簡単にできることから、作業時間を短縮でき、資材コストも抑えられます。

しかし、基本的に荷物はむき出しの状態で輸送され、壁や荷物同士の接触による傷や変形が起こる可能性があるため、注意が必要です。

緩衝梱包

緩衝梱包は、エアキャップや発泡スチロール、紙製パッド等の緩衝材を用いて、荷物を衝撃から保護する梱包方法を指します。特に、精密機器や陶器、ガラス製品等、衝撃に弱いアイテムの輸送には欠かせません。

荷物の形状に合わせて自由に調整可能なパルプモールドといった緩衝材を使った梱包や、高重量の荷物をバネを使って全体を浮かせる吊り梱包といった手法も存在します。緩衝材ごとに衝撃をどれだけ吸収するかは異なるため、用途に合わせて適切に選ぶことが求められます。

 

荷姿を選ぶ際の3つのポイント

適切な荷姿の選定は、輸送の安全性やコストの最適化に直結します。最適な荷姿を選ぶことで、輸送中のトラブルを防ぎ、スムーズで効率的な物流を実現できます。

ここでは、「荷物の種類」「輸送手段」「輸送コスト」の3つの観点から、どのように荷姿を選ぶべきかをお伝えします。

荷物の種類

輸送する荷物の種類に合わせた荷姿を選ぶことで、品質を担保しつつスムーズな輸送を実現できます。

例えば、精密機器やガラス製品等の破損しやすい荷物は、緩衝材を活用することで衝撃から守ることを意識すべきです。また、食品や医薬品のように湿気や温度変化に敏感な製品は、防湿対策や防水対策を施した梱包を選ぶことで、品質を維持しやすくなります。

さらに、製品の形状や重量に適した荷姿を選ぶことで、輸送中の安定性が増し、破損リスクを抑えられます。このように荷物の種類、その特性から荷姿を考えることが大切です。

輸送手段

輸送方法によって最適な荷姿は異なりますが、それぞれの特徴を理解し、適切に選定することで、安全でスムーズな輸送を目指せます。

具体的には、陸上輸送では、振動や衝撃に強い梱包を選ぶことが、輸送中のトラブルの予防につながります。また、海上輸送では、長時間の輸送に耐えるために、防水・防湿性に優れた梱包が必要となり、航空輸送では、重量制限を考慮して軽量で保護性能の高い梱包を選ぶことが重要です。

積み替えの回数や保管環境を考慮することで、よりスムーズで効率的な輸送が可能になります。このように輸送手段ごとに適した荷姿を選ぶことが、企業には求められます。

輸送コスト

どの荷姿を選ぶかで、輸送コストは大きく変わります。そのため、荷姿を選ぶ際には輸送コストを考慮することが欠かせません。輸送コストの最適化を目指すのであれば、梱包資材の種類や重量、サイズを工夫することが求められます。

また、積載効率を高めるために、荷姿の形状やサイズを最適化することで、輸送スペースを有効活用でき、コスト削減につながります。また、再利用可能な資材を活用することで、環境負荷を軽減しつつコストを抑えることも可能となります。

参考:積載率とは?計算方法および積載率を向上させる方法を紹介!

 

適切な荷姿でコストを抑えて、物流業務を効率化しよう

物流現場において、どの荷姿を選ぶかは、輸送の安全性やコストに大きく影響を与えます。適切な荷姿を選ぶことで、製品をしっかり保護しながら輸送効率を向上させ、物流業務の最適化につなげることができます。

また、輸送の安全性を担保したうえで、コストを抑えることも欠かせない視点です。パレットを活用することで積載率を向上させ、無駄なコストを削減でき、使いたいときに使いたい分だけ利用可能なレンタルパレットを使うのも1つの方法です。

適切な荷姿の選定は、単なる梱包の問題ではなく、企業の物流戦略の重要な要素です。コストを抑えつつ、安全でスムーズな輸送を実現するために、自社の物流環境に最適な荷姿を選びましょう。

参考:パレット等物流機器のレンタルの詳細はこちら

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