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FTA(自由貿易協定)とは【物流用語】

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FTAとは

FTAはFree Trade Agreement、自由貿易協定を指します。2カ国以上の国・地域が関税、輸入割当など、貿易制限的な措置を一定期間内に撤廃・削減するための協定です。締結国・地域間の自由貿易および投資拡大を図るため、関税・非関税の障壁を取り払うものです。

1930年代の世界恐慌に端を発し、1929年から1932年の間に世界の国内総生産(GDP)は15%減少し、多くの国では第二次世界大戦が終結する1945年まで続きました。世界恐慌により個人所得、税収、物価が下落、アメリカの失業率は23%まで悪化しました。これにより、各国が自由貿易に反対を唱え、関税や輸入制限などの保護貿易政策を採用したことが第二次世界大戦の一因となりました。

第二次世界大戦後、1948年にGATT(General Agreement on Tariffs and Trade;関税及び貿易に関する一般協定)体制が発足されます。貿易に関する様々な国際ルールを定め、貿易の制限を排除、貿易の無差別待遇、ラウンド交渉 (多国間交渉) を基本原則としました。

GATTは国際機関ではなく、暫定的な組織として運営されてきましたが、1986年に開始されたウルグアイ・ラウンド交渉において貿易ルールの大幅な拡充が行われるとともに、より強固な基盤をもつ国際機関を設立する必要性が強く認識されるようになったことから、1994年のウルグアイ・ラウンド交渉の妥結の際にWTO(世界貿易機関)の設立が合意されました。

WTOとは

WTOはGATTの精神を引き継ぎつつ、紛争処理機能などを強化した正式な国際機関として1995年に発足。本部はスイス・ジュネーブにあり、2017年現在で164カ国・地域が加盟しています。WTOの狙いは、各国が自由に貿易できるためのルールを決め、貿易障壁を削減・撤廃すること。意思決定は多角的交渉のため、参加国の全員一致が原則です。交渉する際は当事国がお互いに譲歩し、すべての国が何らかの利益を得られることが狙いです。

しかし、加盟国が増えるにつれ、先進国と新興国の利害対立が激しくなり、何かしらのルール策定が必要となりました。そこで、例外的に認められたのがFTA(Free Trade Agreement;自由貿易制定)、EPA(Economic Partnership Agreement;経済連携協定)です。特定の国や地域の間で貿易を推進することになりました。

FTAとEPAの違い

FTAは特定の国・地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃を目的とした協定です。関税や非関税障壁を取り払うことにより、締結国・地域の間で自由な貿易、貿易や投資の拡大を目指すものです。FTA相手国と取引のある企業は無税で輸出入ができ、消費者は相手国産の製品や食品などが安価に購入できるなどのメリットを得ることができます。

2020年現在、EU(European Union;欧州連合)やNAFTA(North American Free Trade Agreement;北米自由協定)など、複数国からなる代表的な協定をはじめ、二国間の協定も含めると200以上のFTAが締結されています。

FTAとよく引き合いに出されるEPA(Economic Partnership Agreement;経済連携協定)は、どこに違いがあるのでしょうか。

EPAは特定の国や地域間の貿易や投資を促進するための条約です。FTAをもとに、関税の撤廃、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含め、さまざまな分野で経済上の連携を強化する目的があります。

関税率は各国で独自に決めることができますが、WTO(世界貿易機関)に加盟している場合、WTO協定税率にあわせて、国単位で税率を変更することは原則できません。しかし、FTAを相手国と締結することで、協定の内容や交渉によって、段階的な関税の軽減・免除ができるようになり、お互いのメリットを追求した貿易ができる可能性が高まります。

世界経済を発展させるという目的は同じとなりますが、FTAはモノの貿易に特化していることに対し、EPAはモノのほか、投資や人の移動、知的所有権なども包括、幅広い分野での共通ルールを定めた協定となります。つまり、EPAの中にFTAが含まれているのです。

日本ではEPA推進に対し、積極的に取組みを進めています。2002年にシンガポールとの締結を皮切りに、メキシコ・マレーシア・チリ・タイ・インドネシア・ブルネイ・フィリピン・スイス・ベトナム・インド・ペルー・オーストラリア・モンゴル・TPP12・TPP11・日EU・ASEAN全体と、2019年1月現在では18カ国の地域とEPAを締結しています。

TPPとは

二国間での交渉は非効率なため、地域内で交渉するニーズが出てきました。そのひとつが2015年に合意に達したTPP (Trans-Pacific Partnership;環太平洋パートナーシップ)です。国同士で結ばれていたEPAが、環太平洋という広い地域で経済連携を目指そうとする取組みです。太平洋を囲む12か国(オーストラリア・ブルネイ・カナダ・チリ・日本・マレーシア・メキシコ・ニュージーランド・ペルー・シンガポール・アメリカ・ベトナム)が参加しています。

TPPはEPAと同様、国境を越えた経済活動をスムーズにするための必要なルールを決めますが、WTO、EPAよりも多くの項目が対象になり、高いレベルの自由化が目標とされています。関税撤廃に関しては「物品市場アクセス」という項目で話し合われますが、必ずしも全ての品目が対象となるのではなく、交渉全体のパッケージの中で決まることとされています。

2017年1月にはアメリカがTPP離脱を表明。2017年11月には11カ国によるTPPについての大筋合意に至り、2018年チリで「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)」が署名され、同年12月30日には発効に至りました。

また、TPPはFTAで謳われる物品の関税の撤廃・削減やサービスの貿易自由化に留まらず、非関税分野(投資、競争、知的財産)のルールづくりや、環境・労働などの新しい分野の内容を取り決める協定として交渉されていることも大きな特徴です。