ITFコードとは?種類と規定を分かりやすく解説【物流用語】
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ITF規格とは
ITF(Interleaved Two of Five)規格とは、物流分野で利用されるバーコード規格の1つです。主に、段ボール箱やパレット等の輸送用梱包に活用されています。ITFコードは、1987年に標準物流バーコード規格「JIS-X-0502」としてJIS(日本工業規格)化されました。
ITFコードは、国際基準においてGTIN-14(Global Trade Item Number)として知られており、商品識別に広く利用されています。ヨーロッパ規格の「EAN-DUN」や米国規格の「UCC-SCS」と同様に、国際標準(GTIN)と連携し、商品識別に広く利用されているバーコード規格です。
ITFコードとは
ITFコードは、梱包内容の識別に利用されるバーコードの一種です。情報を一定の規則に従って変換し、デジタル情報として入出力することが可能です。商品に付与される一般的なJANコードは国、企業、商品等の商品識別用として活用されますが、ITFコードの場合は情報密度が高いため、物流用バーコードとして段ボール(外装箱)に印刷されます。
完成品を工場から卸企業や販売店に送品する際、同一商品を箱詰めする際、商品名や個数がITFコードに記されています。納品された企業ではITFコードを読み込むことで、段ボールを開梱せずに中身の情報を知ることができるのです。受発注や納品時のほか、入出荷、仕分け、棚卸管理等において活用されます。
ITF(Interleaved Two of Five)とは、「交互に5本の2つを差し込む」という意味で、バーコードの各数字が2本の黒いバーと2本の白いスペースによって表わされます。具体的には、JANコードのコード番号の前に1桁(拡張バージョンは2桁)の物流識別コードを付加したものです。実際のITFコードでは、最初の黒の前に「スタートコードバー」と呼ばれる2本の黒い線があり、終わりの部分にも「ストップバーコードバー」と呼ばれる2本の黒線があります。
ITFコードの種類
ITFコードの種類は、標準バージョンの「ITF-14」とアドオンバージョンの「ITF-6」の2種類です。
(1)標準バージョン(ITF-14)
ITF-14は14桁で構成されており、以下の要素で成り立っています。
- 物流識別コード(1桁)
- フラッグ(2桁)
- 商品メーカーコード(5桁)
- 商品アイテムコード(5桁)
- チェックキャラクタ(1桁)
これらの内容は、バーコードの下にOCR-Bフォントで記されているのです。
(2)アドオンバージョン(ITF-6)
ITF-16は6桁で構成されており、以下の要素で成り立っています。
- 計量値(5桁)
- チェックキャラクタ(1桁)
ITF-6は、個々の包装ごとに重量と価格が異なる商品に対して付けられるコードで、通常はITF-14と組み合わせて利用されます。
16桁のITFコード(拡張バージョン)は当初利用されていましたが、2010年4月以降は利用できなくなりました。国際標準化機関であるGS1(ジー・エス・ワン)は、EDI(Electronic Data Interchange)等企業間取引において利用されている各種の商品コードをすべて14桁に統一する国際標準コードGTIN(Global Trade Item Number)の普及を推進しています。日本でも2007年からGTINが採用され、JAN(EAN)コードやITFコード等の桁数が14桁に統一されることになりました。
サイズの規定
従来、日本国内におけるITFシンボルの表示の大きさは、基本寸法の0.625 倍~ 1.2 倍の範囲で横幅・高さともに縮小拡大できるとしてきました。しかし、現在のGS1 国際標準では、横幅に対してのみ0.625 倍~ 1.0 倍の範囲で縮小をすることができます。
(1)モジュール幅(X)、細太エレメント比
基本モジュール幅は1.016mmです。これに対して0.25倍の縮小(0.254mm)から1.2倍の拡大(1.219mm)まで認められています。細太エレメント比は、1:2.5となります。
(2)クワイエットゾーン
バーコードシンボルの左右にある余白部分のクワイエットゾーンは、スタートコードの前とストップコードの後に、それぞれ10モジュール以上必要です。
(3)シンボル長
クワイエットゾーンを含むシンボル長は、以下の計算式で求められます。
- ITF-14 L=140.5X
- ITF-6 L=76.5X(X=細エレメント幅)
(4)キャラクタ密度
1モジュールが0.635mmの場合、キャラクタ密度はクワイエットゾーンを除いた以下の通りです。
- 標準バージョンITF-14:4.6文字/インチ
- 拡張バージョンのITF-16:4.7文字/インチ
- アドオンバージョンのITF-6:4.2文字/インチ
(5)シンボル高さ
モジュールの倍率が0.8~1.0倍の場合、バーコードの高さ31.8mmとします。
表示位置の規定
ITFコードは、ソータ、コンベアライン、自動倉庫等で自動読み取りするために、表示位置が規定されています。原則として箱の4側面に表示しますが、短側面に規定通りの位置・サイズの ITFコード表示が困難な場合、長手の2側面表示が推奨されています。商品サイズやデザインの都合上、短側面に規定通りの位置やサイズの表示が困難な場合は、バーコードリーダーやハンディーターミナルで読み取りやすいように、表示可能な範囲でできるだけ大きく表示してください。ITFコード下端と箱の底面との間は、32mm±3mm、水平方向の左右どちらかのコーナーからベアラバーまでが19mm以上の距離が必要です。
また、ITFコードは段ボールに印刷することが多く、段ボールは茶系のためコントラストを大きくするために、バーの印刷には黒色か濃紺等、できるだけ黒に近い暗色(反射率の低い色)を利用してください。オレンジ、ピンク等の赤系統の色は、スキャンの際に赤色の光を利用する関係から、スペースの部分と区別がつかず、読取りが困難になるため避けましょう。
段ボールへの印刷のメリットとデメリット
製造した商品を倉庫に入庫する際、外装箱のITFコードを読み取ることによって、「いつ、どの商品をどれだけ入庫したか」等の正確な実績データを記録することが可能です。棚卸作業でもコードを読むことで、正確なデータが迅速に取得でき、精度の高い効率的な在庫管理が実現できます。
また、倉庫内で出荷予定商品のケース単位のピッキング作業や出荷検品作業の際、 ITFコードを読み取ることにより、注文通りの商品が揃っているか等の確認が正確に行えるようになります。品名が長く判別が難しい商品の場合、出荷予定データとバーコード読み取りデータの照合によって確認が可能になるため、作業者の負担が減少するのです。
ITFコードは、非常にメリットの多いバーコードですが、「桁落ち」が発生する場合もあります。桁落ちとは、バーコードの桁を落として読んでしまうことです。ITFを利用する場合、バーコードリーダーで決まった桁数以外読まなくする「桁指定」を設定する必要があります。
まとめ
小売店は売り場の面積を少しでも広くするために、過剰在庫を持たず、ジャスト・イン・タイムの納品が求められるようになりました。よって、小売店の発注に対しメーカーや卸は指定された量を指定された日時に確実に届ける必要があることから、物流商品コードが生まれたのです。
入荷されてきた荷物のITFコードで読み取ることで、個数と位置を把握できるだけでなく、荷物の入出庫管理をスピーディーに行うことができるようになり、物流合理化に繋がっています。
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