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デジタルピッキングシステムとは?導入事例やメリットも解説

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商品を保管している倉庫や工場で、伝票や注文書などのピッキングリストをもとに、出荷のために指定された商品を集めてまとめる仕事をピッキングという。ピッキングにはトータルピッキング(種まき方式)とシングルピッキング(摘み取り方式)の2種類があり、センターや倉庫規模、商品の種類や数量など、現場の業務に合った方法で作業が行われる。その作業には、速さと正確さが求められるため、デジタルピッキングシステムの導入が進んでいる。

 

デジタルピッキングシステムとは?

デジタルピッキングシステム(DPS)とは、デジタル表示器を利用してピッキングするための作業支援システムです。デジタルピッキングは和製英語で、1970年代には既に同様のシステムが米国で利用されており、正式名称でピックトゥライトシステムと呼ばれ、実用化されていました。

商品が保管されている棚にデジタル表示器を取り付け、作業者はランプが光った表示機のところに行って、表示機の指示に従って商品を取り出します。これにより商品を知らなくとも表示器の指示に従って正確にピッキングができるようになります。

このように、デジタルピッキングというのは、位置を表示しているわけです。そのため、指定されたアイテムの間違いは圧倒的に少なくなり、速くて正確にピッキングができるので、最も基本的なピッキング方法であるリストピッキングに比べて、生産性は倍くらいになります。

リストピッキングは、ピッキングリストに記載されている商品名と数量を確認し、倉庫内から商品を探し出す方法です。最も基本的なピッキング方法なので、ピッキングは全て人間が手作業で行う。そのため、正確さ、作業スピードはすべて作業者に依存することになります。

リストピッキングも基本的には、いくつかのピッキング法がある。紙のピッキングリストのうち、最も古いものは手書きのもので、手書きの後はコンピューターの進化で、プリントアウト(印刷)したものになります。このような紙のピッキングリストでピッキングすることをリストピッキングといいます。

紙の大きな問題点は、ピッキングリストを見ているとき、種類が多ければ行数をずれて読み間違えることもある。そうなると選ぶべきアイテムが違ってしまいます。そこで登場したのがボイスピッキングです。さらに、平衡して出てきたのがハンディで、紙がハンディに変わってペーパーレスになりました。

ボイスピッキングですが、人間が情報をとる場合、実は耳からの情報は多くはありません。目から入ってくる情報が圧倒的に多く、ほとんどが目からの情報なのです。そのうえ、目からの見間違えに比べて、耳からの聞き間違えの方が確率的には多いといわれています。

リストピッキングに話を戻しますが、紙でピッキングを行う場合、「摘み取り方式」と「種まき方式」の2種類の方法がありますが、どちらも行うときに必ずチェックする人が必要になります。基本的に作業は、読み手と配り手(実際に手を動かす)の2人ペアで行うことになります。

それが、デジタルピッキングになると、ピッキングリストはペーパーレスとなり、作業内容も作業者が記入しなくてもデータが記録され、種まきも1人で行うことができます。そのうえ、素早く正確にピッキングができるようになります。ただし、アイテム数が多く、注文が少ない場合にはあまり向いていません。

リストピッキングとデジタルピッキングでは、どちらのピッキング方法が効率的に良いのかは、業種業態により変わってきます。取り扱う商品や、出荷アイテム数、倉庫のスペース、人的資源などを考慮して、ピッキングの効率化を進める必要があります。

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デジタルピッキングシステムのメリット

ABC分析でみると、A分類BC使用品くらいまでが、デジタルピッキングシステムの方で効率が良くなると考えられます。ECのオーダーの数はすごく多いのですが、ひとつのオーダーは多くありません。

このような場合にデジタルピッキングシステムが向くかといえば、例えば100万アイテムのうちの10万アイテムはA分類にしましょうということになれば向いていると思われます。商品アイテム数が多い場合、Aランク商品のみをDPSでピッキングして、BやCランク商品はハンディやリストピッキングを行うということもポイントになります。

人が行う作業の生産性では、デジタルピッキングシステムやデジタルアソートシステムの優位性が示されるが、人間が作業を行う場合にミスを防止すれば作業スピードが落ちてしまいます。デジタルピッキングにすることで、精度や効率が向上するだけでなく、教育コスト削減や作業の標準化を実現することができます。

 

デジタルピッキングシステムのメリットは、作業者がデジタル表示器のランプが光った場所に行って、表示されたとおりの数だけ商品を取り出せば良いので、作業員の経験やスキルに関係なく、作業を標準化することができるところにあります。

さらに、表示器の指示に従って行うため、速くて正確なピッキング作業を実現することができ、作業の生産性と精度を大幅に向上することができます。ピッキングの作業は、これからもなくなることはない。日本では労働人口の減少で、外国人が労働力として入ってくることは間違いありません。そうした外国人でも簡単なトレーニングだけで作業をすることができます。

また、効率的に作業ができるため、作業時間が削減されたことにより、作業者数並びに人件費が低減し、ピッキングミスも低減しています。そのため、作業者の定着率も向上。加えて、作業進捗の可視化や作業実績データ活用もできるなど、大きなメリットがみられます。

デジタルピッキングシステムの種類

デジタルピッキングシステムにも、摘み取り式と種まき式(アソートシステム)の2種類があります。摘み取り式は、出荷数が少量の商品を高頻度で発送する場合に適しており、作業スピードアップの精度向上を目的としている。種まき式は、発送する商品の数や種類が多く、出荷先が少ない場合に便利なシステムで、パレットやロールごとひとつの商品ごとにピッキングを行う。

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デジタルピッキングシステムの導入事例

市場が拡大しているECで、ネット通販会社の多くが、省人化やスピードアップ、商品数が多く混乱している物流倉庫と多数オーダーへの対応を課題としている。デジタルピッキングシステムの導入事例として一つ目は、3PLに外部委託している物流倉庫の出荷作業でデジタルピッキングシステムを導入。出荷精度が導入前と比べて10倍に向上したほか、作業者の削減で教育の負担を低減することができたという事例です。

またもう一つは、作業者の確保が厳しいことと、作業生産性と仕分け制度の更なる向上のためにデジタルピッキングシステムを導入。人手作業よりも格段に仕分け精度が向上し、誰でも簡単な教育だけですぐに仕分けができるようになったという事例です。

ほかにも、膨大な処理件数への対応が課題であったアパレルの会社は、作業効率がデジタルピッキングシステム導入以前の136%となった。シンプルなオペレーションなので、新人でも簡単に作業ができ、フリーハンドになったことで、作業効率が向上し、残業も半減することができたという事例です。

同じく、誤配防止や作業員の定着率が課題のアパレルの会社で、デジタルピッキングシステムを導入。色、柄、サイズ、材質など種類は豊富だが、仕分のミスは減少し、仕分作業の効率もアップ。誰でも簡単にできる作業となったので、パート・アルバイトを即戦力化することができたという事例です。

また、ミスが許されない医療現場でデジタルピッキングシステムを導入した事例として一つ目は、手術器材のピッキングにおいて、術式毎に使用する器材の判別がしやすくなり、ピッキングミスが大幅に減少。在庫管理システムとの連動を行なうことで、在庫状況の即時確認・把握が容易になるなど、ピッキング精度向上したほか、手術器材の細かい在庫管理が可能になり、医療過誤や医療ミスに繋がるヒヤリ・ハットをデジタルで大幅に減少することができたという事例です。

もう一つは、ピッキングミスや作業者の負担軽減が課題だった医薬品倉庫では、デジタルピッキングシステムの導入で、経験が浅い薬剤師でも薬品の収納場所が判別しやすくなり、熟練度の高低による作業効率のバラつきがなくなって、取り間違いを低減することができたという事例です。

スピードアップが課題の物流会社でデジタルピッキングシステムを導入。膨大な出荷量を少人数で対応しているために作業効率が上がらず、通過型で作業時間も限られている。そのうえ、手作業のためにベテランの作業者でしか効率を上げることができなかった。導入後は、多品種少量化に対応して生産性と精度を向上することができたため、初心者でも簡単に作業が行えるようになって、作業時間を短縮することができたという事例です。

 

記事まとめ

デジタルピッキングシステムは、20年以上前からあって歴史は古いけれども、流行とともに変わってきており、2つの方法の流れになってきています。一つはフリーロケーション化。もう一つはピッキングする作業員がいなくなっていることです。

本来、10人でやれば良いところに、その10人が集まらず、少人数でやらなければならない。そうなってくると、限られた人数で効率を良くしなければ対応することができません。人を動かさず、ロボットなどを使うことで、人を減らすことができる。

ピッキングという作業そのものは、これからも無くなることはないでしょう。ただ、世界と比べて日本では、ピッキングの作業にもしても凄くクオリティーが絡んでくる。商品を保護するためのケースであっても凹みや傷などの損傷が許されません。このような日本独自のガラパゴズ化で少なからず制限があっても、デジタルピッキングシステムを導入することで、省人化を図ることができ、素早く正確にピッキングすることができます。

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