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ノックダウン方式とは?

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国内から完成品を海外に輸送するよりも「部品」のままで送品すれば、運賃節約と海外の安い労働力を利用することができます。製品輸入に高い関税を課す国も見られ、ノックダウン方式ではそれを回避することができます。

ノックダウン方式とは

ノックダウン方式とは、外国で生産された製品の主要部品を輸入して、組立・販売する手法です。国内で生産した完成品を海外に輸送する際、輸送コストがかさむばかりか、輸送中に発生する荷痛みがトラブルに発展することがあります。そこで、部品または半完成品の形で送品し、現地で組立てるノックダウン方式が採用されるようになりました。
完成品と部品を輸出する際には関税が変わります。組立ては現地の安い労働力に頼れば、製造コストは大幅に削減できます。受け入れ側の国では技術習得、産業復興、雇用拡大につながるため、歓迎されることも多く、Win-Winの関係となります。

日本におけるノックダウン生産

(1)航空機
航空機産業の場合、ライセンス生産(他の企業が開発した製品の設計・製造技術について、許可料を支払い生産)を前提としてノックダウン生産が行われる事例があります。日本では「F-15 イーグル」や「P-3C オライオン」など、ライセンス生産の前段階でノックダウン生産が実施されました。

(2)鉄道車両
中国高速鉄道ではCRH2型電車の3編成は川崎重工業車両カンパニー製の完成車、次の6編成が中国側のノックダウンによるもの、その後は一部の高度な部品を除き、中国側のライセンス製造となっています。
完成車や部品調達に対し、入札制度が用いられる公営交通事業者が所有する車両は、最初に契約を締結したメーカーの仕様に基づき、他社でライセンス生産を行うケースがあります。

(3)自動車
日本では自動車産業の黎明期に、欧米メーカーがノックダウン生産を行ない、太平洋戦争勃発時まで操業していました。
戦後になると、自動車産業の強化こそが日本の産業復興の鍵となり、自動車メーカーには保護貿易的政策が取られるようになりました。しかし、戦後混乱期の深刻な食糧不足と貧困などが影響し、国産自動車の研究開発はなかなか進みません。
欧米メーカーの比較的信頼性が高いノックダウン生産を国内で採用、欧米の製造ノウハウを国内メーカーに再び吸収させる方策が採用、1950年代初頭には日本で多数のノックダウン生産が開始されました。
1951年に東日本重工業(現・三菱日本重工業)が米カイザー・フレーザー社の「カイザー・ヘンリーJ」のノックダウン生産を開始以降、いすゞ自動車が英ルーツ自動車の「ヒルマン・ミンクス」、日野自動車が仏ルノーの「ルノー・4CV」、日産自動車が英オースティン自動車の「オースティンA40」、三菱自動車工業(中日本重工業/新三菱重工業)がカイザー・フレーザー子会社のウィリス・オーバーランド社「ジープCJ3B-J11」のノックダウン生産をそれぞれ開始しました。
オースティンとジープは、後にライセンス生産に切替えられ、オースティンは「A50」に部品を含めた日本生産となり、「完全国産化」と賞賛されました。
日本の自動車産業は成長するに伴い、世界中に生産地を求める側に回ることになりました。日本車のノックダウン生産は現在、発展途上国を中心に世界中で行われるようになりました。

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