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ICタグって?導入するメリットや種類について解説

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商品管理

 

ICタグって?

ICタグとは、電子タグや無線タグとも呼ばれ、集積回路(Integrated Circuit)が搭載された小型のタグを指す言葉です。ICタグには、電波や磁界を利用して非接触で情報のやりとりをおこない、個体を識別する機能があります。

経済産業省は、ICタグ(電子タグ)を「電波を利用して非接触で個体を識別するツール」と定義しています。[注1]こうした特徴を活かして、ICタグは物流業界や小売業界など、幅広いビジネスシーンで活躍しています。

たとえば、商品にICタグを取り付け、ハンディターミナルで読み取れば、商品の検品や棚卸しを大幅に効率化することができます。近年は、ICタグとハンディターミナルなどの読み取り機を合わせて、RFID(Radio frequency identification)と呼ぶケースが増えてきました。

 

歴史について

ICタグやRFIDには50年以上の長い歴史があります。ICタグの原型が開発されたのは1960年代だといわれています。1960年代後半に商品を盗難から守るためのEAS(Electronic Article Surveillance)というシステムが開発されました。

EASは商品が外部に持ち出された際、商品のタグを検知して警報を鳴らす仕組みのシステムで、RFIDの技術が初めて商業的に利用された例の一つだと考えられています。1990年代に半導体技術が発展すると、ICタグの小型化やコストダウンが進み、RFIDが急速に普及しました。1999年には、日本のNTT社が公衆電話で利用可能な非接触型のICテレホンカードを発売しています。

 

ICタグの必要性

2017年に経済産業省がコンビニ各社と協力し、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を発表しました。また、翌年の2018年には日本チェーンドラッグストア協会と協同し、ドラッグストアでのRFIDの利活用を推進する「ドラッグストアスマート化宣言」を発表しています。[注2]

なぜICタグやRFIDがここまで広く普及したのでしょうか。ICタグの需要が大きく高まった背景には、「少子高齢化や人口減少による人手不足と労務コストの上昇」と「食品ロスや返品等の無駄」の2つの社会問題があります。[注1]

少子高齢化や人口減少による人手不足と労務コストの上昇

少子高齢化が急速に進行しており、将来的に生産年齢人口が減少することが予測されています。とくに人手不足が深刻なのが物流業界です。商品の検品や棚卸しを手作業でおこなう場合、手間や時間がかかるため、より多くの作業者が必要になります。

しかし、非接触で商品データを読み取り可能なICタグを利用すれば、現在よりも少ない人手で効率的に倉庫内作業をおこなうことができます。

食品ロスや返品等の無駄

流通業界では、賞味期限切れの食品の廃棄や、過剰在庫・不良在庫を原因とした返品の増加が課題となっています。ICタグを活用すれば、商品の賞味期限や在庫状況などのデータをすばやく読み取り、システム上で一元管理することができます。フードチェーンを最適化し、食品ロスや廃棄を減らすことが可能です。

 

原理や仕組みについて

RFIDタグ
さまざまなビジネスシーンで使われているICタグは、どのような仕組みで情報の読み書きをおこなっているのでしょうか。

ICタグには、電波を介して情報伝達をおこなう仕組みと、電波そのものを電力として利用する仕組みの2つがあります。ICタグの原理を紹介します。

電波を介して情報伝達を行う

なぜICタグをスキャンするとデータを読み取ることができるのでしょうか。ICタグはデータを電波や磁界に乗せて読み取り機(リーダ)に送信しています。この原理を変調(Modulation)といい、ICタグに欠かせない技術の1つです。

電波を電力として利用する

ICタグの種類によっては、電源やバッテリーが搭載されていません。それでは、ICタグはどのようにしてデータを読み書きするための電力を得ているのでしょうか。

ICタグは電波をデータ伝送手段として利用するだけでなく、電源の代わりとしても利用しています。電波は電磁エネルギーを持っており、熱や電気に変換して利用することが可能です。

身近な例でいえば、電子レンジを始めとしたマイクロ波加熱装置は電波を放射し、エネルギーに変換することで食品を加熱しています。近年は、身近に存在する電磁エネルギーを電力に変換し、発電をおこなう環境発電(エネルギーハーベスティング)の分野が目覚ましい発展を遂げています。

電源やバッテリーのないICタグには、「検波回路」と呼ばれる回路が内蔵されています。検波回路とは、特定の周波数の電波を受け取り、電力に変換する機能を持った回路です。検波回路がリーダから電波を受け取ると、データのやりとりに必要な電力が生み出されます。

バッテリーがなくてもICタグが作動するのは、このように受け取った電波を電力として利用する仕組みがあるからです。検波回路を利用した発電が可能になったのは、半導体技術の発展により、ICタグそのものの消費電力が小さくなったことも関係があります。

起動するまでの流れ

リーダから電波を受け取ったICタグが、データの読み書きをおこなう流れは次の通りです。

  1. リーダがICタグと通信を開始し、電波に乗せてデータを送信する
  2. ICタグのアンテナが電波を受信する
  3. ICタグの検波回路が電波を受け取り、電力に変換する
  4. 発生した電力をICタグの内部のコンデンサに蓄積する
  5. ICタグの制御回路がコンデンサの電力を利用し、データ処理を開始する
  6. ICタグがリーダと通信を開始し、電波に乗せてデータを返信する
  7. リーダが電波を受信し、データに変換する

 

RFタグ・RFIDタグとの違い

IDタグとよく似た言葉としてRFIDやRFタグがあります。前述の通り、RFIDはIDタグだけでなく、IDタグとデータのやりとりをおこなうための読み取り機(リーダ)をふくめたシステム全体を表す言葉です。RFタグは、RFIDというシステムにおけるタグを指しています。

つまり、IDタグとRFタグはほとんど同じ意味を持つ言葉であり、近年はIDタグではなくRFタグという呼称を使うメーカーも存在します。

 

ICタグのメリット

複数のタグを同時に読み取れる

ICタグの最大の特徴が、読み取り機をかざすだけで、複数のタグを同時に読み取ることができる点です。たとえば、古くから使われているバーコードの場合、バーコードリーダーを一つひとつタグに近づける必要があります。

しかし、非接触での読み取りが可能なICタグなら、大量のタグをまとめてスキャンすることが可能です。バーコードと比較して、ICタグならタグの読み取り時間を10分の1程度に抑えられます。

離れたところからタグを読み取れる

電波を使って情報の読み書きをおこなうICタグなら、距離が離れた場所のタグや、高いところにあるタグも読み取ることができます。たとえば、陳列棚の高いところの商品タグを読み取る場合も、ICタグならわざわざ脚立を使って登る必要がありません。タグの読み取り時間が短くなるだけでなく、作業者の安全を確保できるのもICタグのメリットです。

表面が汚れたタグも読み取れる

もし作業中に商品の表面が汚れてしまった場合、バーコードやQRコードなら読み取りができない場合があります。でも、商品に取り付けたタグがIDタグなら安心です。タグの表面が汚れたり、テープが張り付いたりしていても、ICタグなら通常通り読み取ることができます。

また、商品がダンボール箱などの遮蔽物に覆われている場合も、ICタグをまとめて読み取ることが可能です。

 

現在ICタグでできないこと

読み取り
ICタグにはさまざまな強みがありますが、現在の技術ではできないこともいくつかあります。たとえば、「水分や金属に弱い」「読み取り精度が100%ではない」といった弱点があります。

水分や金属に弱い

ICタグは電波や磁界によってデータの送受信をおこなうため、タグの周辺に水分や金属があると、うまく読み取りができない場合があります。作業環境が水で濡れていたり、付近に金属物が多かったりする場合は、別の種類のタグを使う必要があります。

読み取り精度が100%ではない

ICタグの読み取り精度は年々改善していますが、現時点では100%の精度でタグを読み取ることはできません。たとえば、大量のICタグをまとめて読み取る場合、タグの場所や向きによっては読み取りエラーが発生する可能性があります。

 

ICタグの種類

バッテリー搭載による分類

  • ◯パッシブタグ

パッシブタグは電源やバッテリーを持たないタイプのICタグです。内部電源ではなく、リーダから受け取った電波を変換し、電力を得ています。消費電力が小さく、安価に導入することが可能です。ただし、他の種類のICタグよりも伝送距離は限られています。

  • ◯アクティブタグ

アクティブタグは内蔵電池で動くタイプのICタグです。電源を安定して確保できるため、パッシブタグよりも長距離のデータ伝送が可能です。その代わり、アクティブタグを長時間稼働させるためには、定期的に電池交換をおこなう手間が発生します。

  • ◯セミアクティブタグ

セミアクティブタグはパッシブタグとアクティブタグの両方の特徴を持ったハイブリッドタイプのICタグです。通常はパッシブタグのようにリーダから受け取った電波を利用し、電力を確保していますが、内蔵電源でデータの読み書きをおこなうこともできます。

周波数による分類

  • ◯UHFタグ

UHFタグは極超短波(マイクロ波)と呼ばれる周波数帯を利用したICタグです。製品にもよりますが、主に920MHzの周波数帯でデータのやりとりをおこなっています。920MHzの周波数帯は電波干渉が少なく、通信可能な距離が長いという特徴があります。

そのため、UHFタグは1メートル~10メートルの比較的長い距離でデータの読み取りが可能です。

  • ◯NFCタグ

NFCタグは135KHz以下の長波と呼ばれる周波数帯を利用したICタグです。主に13.56MHzの周波数帯が使用されており、通信距離な距離は10センチ程度とあまり長くありません。

しかし、NFCタグにはUHFタグよりも水分や遮蔽物に強いという強みがあります。NFCタグとして流通している製品の多くはパッシブタイプのICタグです。

素材による分類

  • ◯ラベルタグ

ラベルタグはシール素材でできており、商品に貼り付け可能なICタグです。シールタグや汎用タグと呼ばれる場合もあります。

ラベルタグは簡単に加工できるため、物流センターだけでなく、小売店舗の商品タグや入退室用の社員カードなど、幅広いシーンで利用されています。1枚あたりのコストが非常に安価なのもラベルタグの特徴です。

  • ◯リストバンドタグ

近年、体に身に着けて使う「ウェアラブルデバイス」が注目を集めています。リストバンドタグは、リストバンドのように使えるウェアラブルなICタグを指す言葉です。

リストバンドタグの利点として、手を使わずに持ち運べるため、ハンズフリーに作業ができる点が挙げられます。企業や工場の入退室のほか、イベント会場での認証やキャッシュレス決済などにリストバンドタグが利用される場合があります。

  • ◯セラミックタグ

セラミックタグはファインセラミックス素材でできたICタグです。特殊・専用タグと呼ばれる場合もあります。ファインセラミックス素材には、耐熱性や耐食性が高く、浸水にも強いという特徴があります。そのため、セラミックタグも高い耐環境性を持っており、水に濡れやすい屋外の環境でも問題なく使用可能です。

そのほか、食品工場や飲食店など、高い耐久性が求められる場所で利用されています。

  • ◯金属対応タグ

汎用的なICタグは金属が近くにあると正常にデータをやりとりすることができません。しかし、金属対応タグなら、金属物が多い環境でも問題なくデータの読み取りが可能です。

金属対応タグには、金属物にのみ取り付け可能なタグと、金属物以外にも利用できるタグの2種類があります。取り付ける場所に合わせて、対応した種類のICタグを選ぶことが大切です。

  • ◯水分対応タグ

水分対応タグは耐水性が高く、水に濡れても通常通りデータの読み取りが可能なICタグです。雨風に強いため、屋外でも問題なく使用することができます。水分対応タグの例として、汎用的なラベルタグに塩化ビニールなどを溶着し、ウェルダー加工をおこなったICタグが挙げられます。

ラベルタグがベースとなっているため、1枚あたりのコストが比較的安価なのも水分対応タグの特徴です。

 

ICタグの規格

ICカード

NFC

「周波数による分類」の項目で取り上げたNFCタグは、正確には近距離通信方式(Near Field Communication)と呼ばれ、国際標準化機構(ISO)に認められた国際規格(ISO/IEC 18092)のICタグです。NFCは、さらにFeliCa(フェリカ)とMifare(マイフェア)の2種類の規格に分けることができます。

  • ◯FeliCa(フェリカ)

FeliCa(フェリカ)はソニー社が開発したICタグの規格です。最初は国内規格(JIS X 6319-4)として誕生し、後にISOが定める国際規格として認められました。FeliCaは日本国内を中心に普及しており、主に交通系ICカードに採用されています。

高度に暗号化されたFeliCa Standardと、より安価に利用可能なFeliCa Lite-Sの2種類があり、用途に合わせて選ぶことができます。

  • ◯Mifare(マイフェア)

Mifare(マイフェア)はオランダのNXPセミコンダクターズ社が開発したICタグの規格です。国内のシェアが大きいFeliCaに対し、海外を中心に広く利用されているのがMifareの特徴です。

Mifareは通信速度が低く、最低限のセキュリティしか保証されない代わり、FeliCaよりも低コストで利用することが可能です。

EPCglobal

EPC(Electronic Product Code)は、EANコードを開発したヨーロッパの国際EAN協会と、UPCコードを開発したアメリカのUCCが共同で設立したEPCglobalの国際規格です。近距離通信方式を採用するNFCと比較して、EPCは波長が短い860MHz~960MHzのUHF帯でデータ通信をおこなっています。

EPCは2005年1月にアメリカの流通業界で導入がスタートし、極超短波帯を利用するICタグのなかで高いシェアを獲得しました。EPCはアメリカだけでなく、日本でも広く普及している国際規格です。日本国内では、オムロン社が2005年3月にEPCに対応したRFIDを販売しています。[注3]

なお、EPC仕様に対応した製品を国内で販売するには、EPCグローバルJAPANの会員になる必要があります。

 

様々な読み取り方がある

複数の読み取り
利用用途に合わせて様々な読み取り方が可能なのもICタグの特徴です。複数のタグの一括読み取りはもちろん、読み取り可能な距離を調整したり、特定のタグだけ読み取ったりすることも可能です。ICタグの代表的な読み取り方4つを解説します。

一括読み取り

電波や磁界の範囲内であれば、複数のICタグをまとめて読み取ることが可能です。とくに通信可能な距離が長いUHF帯のICタグなら、大量のタグを一括で読み取ることができます。

これにより、スピード検品や棚卸作業の効率化を実現できます。ただし、一度にスキャンするタグの量が数百個を超えると、読み取りに必要な時間が長くなる場合があります。

通信距離を変えて読み取れる

ICタグは送信する電波の強度を変化させることで、読み取り可能な通信距離を調整することができます。たとえば、電波の強度を強くすると、遠く離れたタグや高所にあるタグをすばやく読み取ることが可能です。

一方、手元のタグだけを読み取りたい場合は、電波の強度を弱めることで、リーダの読み取り範囲を狭く調整することができます。

フィルタリングができる

ICタグはバーコードやQRコードよりも読み取り範囲が広いのが特徴です。

しかし、作業内容によっては「特定のタグのみを読み取りたい」「不要なタグを除外し、読み取るタグを絞り込みたい」ケースもあります。その場合はICタグのフィルタリング機能が役に立ちます。あらかじめ特定のコードを指定することで、条件に当てはまるICタグのみをスキャンすることが可能です。

ICタグを探索できる

商品がどこにあるのかわからない場合もICタグなら安心です。リーダを使ってICタグに電波を送ることで、ICタグがある場所を探すことができます。ICタグが目視できない場所にある場合も、電波の強度を目安にすることで、ICタグのおおよその場所を探索することが可能です。

このように、ICタグにはさまざまな読み取り方のバリエーションがあります。利用目的に合わせてICタグの機能を活用しましょう。

 

エンコード(コードの書き込み)について

ICタグには特定のコードを書き込むためのメモリ領域が確保されています。リーダやプリンタを使用し、ICタグのメモリ領域にコードを書き込むことを「エンコード」と呼びます。ICカードに書き込める情報の内容や、エンコードをおこなう手順を解説します。

書き込める情報の内容

ICタグに書き込むことができるのは、数字の0~9とアルファベットのa~fの英数字のみです。ICタグのメモリ領域に記号やひらがなを書き込むことはできません。

たとえば、「ABCD1234」というコードは書き込むことができますが、「あいうえ_001」というコードは使えません。また、エンコード可能な桁数は、4桁や8桁、12桁などの4の倍数である必要があります。

書き込む方法

ICタグにエンコード(コードの書き込み)をおこなう方法は、リーダを使う方法とプリンタを使う方法の2種類あります。

リーダを使う方法

ICタグのリーダを使えばエンコードが可能です。ただし、リーダには文字入力の機能がありません。別途スマートフォンなどの端末を用意して、端末をリーダと接続し、端末内にインストールしたアプリケーションの画面を通じて書き込みをおこなう必要があります。

このとき、リーダの電波の強度を弱め、書き込みたいICタグ以外と通信をおこなわないように調整する必要があります。

プリンタを使う方法

専用のプリンタ(RFIDプリンタ)を用意すれば、IDタグに直接コードを書き込むことができます。エンコードが必要なICタグが多い場合は、プリンタを用いた方法がより適しています。また、RFIDプリンタは書き込んだコードをラベルとしてプリントし、商品や陳列棚に貼り付けることも可能です。

 

導入上の注意

読み取り精度
ICタグの導入で失敗しないためのポイントは、事前に本番環境に近い環境で実証実験(PoC)をおこなうことです。

ICタグの失敗事例としてよく挙げられるのが、「想定よりも通信状態が悪く、データの読み取り精度が低かった」「うまく読み取りができず、別の種類のICタグを急遽導入した」など、導入後にデータの読み取りができないことが発覚したケースです。

ICタグの種類によっては、水分や金属に弱く、電波が遮られてデータの読み書きができないものもあります。また、利用する周波数帯によっては電波干渉を受け、通信状態が想定よりも悪化する可能性もあります。ICタグの読み取り精度は100%保証されているわけではなく、設置場所の周辺環境に大きく影響を受けます。

そのため、ICタグの導入前に必ずPoCを実施し、「ICタグが想定通りに動作しているか」「動作しない場合は、どのような種類のICタグが運用環境に合っているか」を検証する必要があります。

上記の内容をふまえて、RFIDの導入ステップは次のような流れになります。

  1. 1.現状の課題を分析し、IDタグの導入によってなにをしたいのかを洗い出す
  2. 2.導入効果が期待できそうなハードウェア(IDタグ、リーダ、アンテナ、プリンタなど)の選定をおこなう
  3. 3.実際の作業環境で読み取りテスト(PoC)を実施し、想定通りの導入効果が得られたかどうか検証する
  4. 4.うまくいかなかった場合は、課題を解消するための対応策を検討する
  5. 5.本運用に向けて、RFIDの要件定義をおこなう
  6. 6.RFIDの設計・開発をおこない、本番環境でのテストを実施する
  7. 7.テスト結果に問題がなければ、RFIDを現場に設置する
  8. 8.RFIDの運用・保守をおこなう

RFIDは素材、バッテリーの有無、周波数帯などの違いにより、様々な種類の製品があります。それぞれ強みや弱みがあるため、自社の環境に合った製品を選ぶことが大切です。

 

活用事例について

物流倉庫の検品や入出庫管理に

ICタグがもっとも利用されている分野の一つが物流やロジスティクスです。ICタグには、同時に複数のタグを読み取る機能があるため、大量の荷物をまとめて検品することができます。

また、入荷から出荷までの各工程でICタグに情報を書き込めば、商品の履歴をいつでも追跡することができ、トレーサビリティを確保できます。

小売店舗のレジ会計に

経済産業省が「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」や「ドラッグストアスマート化宣言」を発表したように、ICタグは小売店舗でも急速に普及しつつあります。ICタグの一括読み取り機能を利用すれば、レジ会計をよりスピードアップすることが可能です。

レジ会計の待ち時間を短縮することで、お客様から寄せられる苦情やクレームの減少が期待できます。

従業員の入退室管理に

ICタグは従業員の入退室管理にも活用できます。タイムカードの代わりにICタグを活用すれば、読み取り機にかざすだけで打刻が可能なため、従業員側の負担が減少します。また、読み取ったデータはそのままコンピュータに送ることができるため、出勤時刻や退勤時間などを手作業で転記し、労働時間の集計をおこなう手間が発生しません。

従業員の入退室管理には、主にシール素材のラベルタグが利用されています。

 

まとめ

半導体技術の発展により、小型で消費電力が小さい「ICタグ」が普及しつつあります。ICタグは複数のタグの一括読み取りや、特定のタグのフィルタリングなど、幅広い読み取り方が可能なタグです。

物流業界や小売業界のほか、一般企業の入退室管理などにも利用されています。ICタグには、素材、バッテリーの有無、使用する周波数帯によって様々な種類があるため、利用用途に合ったタグを選ぶことが大切です。ICタグを導入するメリットについて知り、業務効率化や人件費の削減を実現しましょう。

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