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倉庫業務とは?作業を効率化するポイントを解説

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倉庫業とは

倉庫業は、生産と消費を結ぶ物流の要として、私たちの生活の基盤を支えている極めて公共性の高い産業です。倉庫は、私たちの日常生活や産業活動に必要な物資や商品を安全に保管し、必要なときに安定的に供給する重要な役割を担っています。

そのため、倉庫業法では「倉庫業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない」と規定されています。この登録制度は、正規に登録を受けた業者による倉庫業の適正な運営と倉庫証券の円滑な流通を確保することが目的です。また、倉庫の所有者・使用者が他人の貨物を保管するために運営する倉庫は「営業倉庫」と呼ばれます。

倉庫業者として登録を受けるためには、倉庫の種類ごとに定められた施設・設備基準を満たすことが必要です。加えて、事業を適切に管理運営するために「倉庫管理主任者」を選任することが義務づけられており、事業の開始には多額の設備投資が必要となります。

無登録で倉庫業を営んだ場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくはその両方が科されることがあります。また、倉庫業の登録を受けていない事業者が、倉庫業を行えるような表示や広告を行うことも禁止されており、違反した場合は、50万円以下の罰金が科されるのです。

近年、倉庫の役割は単なる「保管」だけに留まらず、物流センターとしての機能を担うケースが増えています。入庫、保管、流通加工、出庫、輸配送、情報管理業務等を総合的に行い、サプライチェーン全体の効率化に貢献する倉庫も多くなっているのです。

 

倉庫業務の種類

倉庫業は、保管される貨物の種類によって「普通倉庫業」「冷蔵倉庫業」「水面倉庫業」の3種類に分類されます。「普通倉庫業」は、農業、鉱業(金属、原油・天然ガス等)、製造業(食品、繊維、化学工業、紙・パルプ、機械等)といった幅広い産業の様々な貨物を取り扱うのです。また、消費者の財産である家財、美術品、骨董品等の保管も行っています。

普通倉庫は、保管する貨物の種類や構造によって次の5種類に分類されます。

1~3類倉庫

1~3類倉庫は建屋型であり、設備や構造基準によって1類・2類・3類に分類される倉庫です。

1類倉庫

1類倉庫は、防火・耐火性能が高く、様々な貨物の保管が可能ですが、冷蔵倉庫や危険品倉庫での保管が義務付けられている貨物の保管はできません。

2類倉庫

2類倉庫は、防火・耐火性能の要件がないため、1類倉庫に比べて保管できる品目が制限されます。

3類倉庫

3類倉庫は、防火・耐火性能に加えて防湿性能も不要な倉庫です。燃えにくく、湿気の影響を受けにくい貨物が保管されます。

野積倉庫

n野積倉庫は、法律上の4類物品(鉱物、木材、自動車等のうち、雨風にさらされても問題ない貨物)を保管する倉庫です。形状は柵や塀で囲まれた区画として設置されます。

貯蔵槽倉庫

貯蔵槽倉庫は、法律上の6類物品(袋や容器に入っていない穀物類や液体類)保管する倉庫です。小麦、大麦。トウモロコシ等のバラ状の貨物や糖蜜等の液状貨物が対象で、サイロやタンクを用います。

危険品倉庫

危険品倉庫は、法律上の7類物品(消防法が指定する危険物や高圧ガス等)を保管する倉庫です。「消防法」「高圧ガス保安法」「液化石油ガスの確保及び取引の適正化に関する法律」等、関係法の規定を満たす必要があります。

トランクルーム

トランクルームは、家財、美術骨董品、ピアノ、書籍等、個人の財産を保管する倉庫です。平成14年施行の倉庫業法により、トランクルームの認定制度が設けられました。国土交通省により優良と認定されたトランクルームは「認定トランクルーム」とされています。

 

その他の倉庫業

前述した5種類の普通倉庫のほかにも、「冷蔵倉庫業」「水面倉庫業」と呼ばれる倉庫もあります。冷蔵倉庫業は、8類物品(食肉、水産物、冷凍食品等、10℃以下で保管することが適切な貨物)を取り扱う倉庫です。水面倉庫業は、5類物品(原木等)を河川や海等を河川や海の水面で保管する倉庫のことを指します。

 

倉庫業務の主な内容や近年の業界動向

倉庫では、貨物の特性に合わせた「保管」をはじめ、「検品」「入庫」「流通加工」「ピッキング」「仕分け・荷揃え」「出庫」等、様々な物流サービスを提供しています。

     

  • 検品:貨物の状態や数量に誤りがないか等をチェックします。
  • 入庫:入庫は、貨物の特性に合わせて、適切な保管場所に収納します。
  • 保管:保管は、常温保管、定温保管、定湿保管、冷蔵保管、サイロ、タンク、野積保管、トランクルーム等、貨物の特性に応じた保管方法を選定します。また。ロケーション管理、在庫管理、商品日付管理、入庫順管理、機械番号管理等、様々な保管・管理を行います。
  • 流通加工:流通加工は、包装、詰め合わせ、ラベル貼り、検針、荷札付け、値札付け、組み立て、反物カット、マーキング等、貨物の付加価値を高める作業を行います。
  • ピッキング:ピッキングは、入庫順、日付順に大口、小口の注文に応じたピッキングを行います。
  • 仕分け・荷揃え:仕分け・荷揃えは、配送先別・方面別に貨物の仕分けを行い、トラック単位で荷揃えします。
  • 出庫:出庫は、指定された時間に合わせて、貨物を出庫します。

また、近年のインターネットの急速な普及により、物流サービスの高度化や技術革新が進んでいます。こうした状況に合わせて、倉庫業界の役割は多様化してきているのです。従来の「少品種・大量保管」から、「多品種・少量保管」へとニーズが変化しており、倉庫事業者にはIT技術を活用した業務の効率化が求められています。

 

倉庫業務を効率化する方法とは

倉庫業務とは、製造や流通業界において、倉庫内で商品の荷受けや出荷を行う仕事のことです。具体的には、荷下ろし、検品、入庫、ピッキング、仕分け、集積の確認、梱包、ラベル貼り、トラックへの積み込み等の作業が含まれます。

倉庫業務は大きく「入庫業務」「出庫業務」に分けられます。入庫業務は、荷受けに関わる「荷役」、入荷した商品の「検品」、倉庫内の保管場所への「移動」等の作業のことです。一方、出庫業務は、商品の「ピッキング」や「検品」「梱包」「荷役」といった作業を行います。

倉庫内で作業を行う場合、それぞれの作業は分業化され、専任の作業員が担当することが一般的ですが、小規模な倉庫では1人の作業員が複数の作業を担当することも少なくありません。また、倉庫業務の作業量は、取り扱う商品の需要変動によって大きく代わるため、柔軟な対応が求められます。

近年は、人手不足・働き方改革の影響を受け、多くの物流現場で業務の効率化が求められています。倉庫作業の効率化を進めるには、倉庫内の整理整頓、業務の標準化、作業動線の短縮、適切なピッキング手法の選択、自動化、在庫管理システムの導入等が有効です。

中でも、「ピッキング作業の改善」は、倉庫業務全体の効率化において最重要ポイントとなります。一般的に、ピッキング作業は大企業を除いて、多くの倉庫で人の手による作業が中心のため、ミスが発生しやすく、作業時間もかかる傾向です。対象の商品を探すのに時間がかかったり、商品知識が不足して誤った商品をピッキングしてしまったりすることで、作業効率が商品量や作業員の経験値に左右されやすくなります。

「ピッキング作業」を改善するためには、ロケーション管理の最適化が重要です。どこに何があるのかを正確に把握し、効率的にピッキングを行うための仕組みを整えることが求められます。ロケーション管理を改善するためには、棚番号で商品の位置情報を管理、間口サイズの最適化、補充作業を考慮した保管場所の最適化、出荷頻度にあわせた作業場所近くへの保管、ピッキングミスを防止できるよう分類して保管、在庫管理システムやハンディターミナル等の導入といった施策を組み合わせることで、ピッキング作業の効率向上とミスの削減が可能です。

特に在庫管理システムを活用することで、バーコードやハンディターミナルを利用し、従来の手書き管理に比べて作業の正確性とスピードを向上させることができます。ミスを減らし、より効率的な倉庫運営が可能です。

加えて、倉庫のロケーション管理においては、従来の固定ロケーションだけではなく、フリーロケーションやダブルトランザクション等も導入を検討することが必要です。これにより、倉庫スペースの有効活用や作業の効率化に期待できます。

このように、倉庫業務の効率化には、ロケーション管理の最適化だけでなく、倉庫レイアウトの見直しも重要です。作業動線を最適化することで、無駄な移動を減らし、作業の流れをスムーズにすることができます。

倉庫レイアウトの見直しでは、作業動線の最適化と保管場所の適切な配置が重要です。入荷(荷受)、保管、移動、ピッキング、仕分け、梱包、出荷、棚卸といった一連の作業がスムーズに行えるよう、動線はできるだけ一筆書きのように最短距離でつなぐことが理想とされています。レイアウト作成する際には、通常時の作業や繁忙期の作業に支障がないかを検討することが不可欠です。特に、補充作業を考慮した保管場所の最適化を行うことで、作業の負担を軽減し、効率的な倉庫運営が可能となります。

一方で、マテハン機器の導入も作業の効率化に大きく貢献します。倉庫内での商品移動を支援するデバイスとしては、フォークリフトやコンベアが一般的です。しかし、中小企業の場合、導入コストが課題となることもあります。そのような場合は、カゴ車や台車等の軽量なデバイスを活用することで、コストを抑えながら作業の効率化を図ることが可能です。

さらに、倉庫業務の効率化を進める上で、仕分け作業の自働化も重要な施策の1つです。従来の手作業による仕分けは、ミスの発生や作業時間の増加が課題となっていましたが、近年では、DAS(デジタル・アソート・システム)やGAS(ゲート・アソート・システム)、ソーターといった自動仕分けシステムが導入されるケースが増えています。

これらのシステムでは、バーコードで読み取ったデータに基づき、仕分け先ごとのボックスにデジタル表示されるため、作業する人は表示された数量の商品を該当ボックスに投入するだけで済みます。その結果、仕分けミスのリスクが大幅に軽減されるのです。

仕分けされた商品は、ダンボール等の指定された資材で梱包され、送り状が貼られた上で発送されます。この工程においても、GASやDASといったシステムが活躍し、作業の正確性とスピードを向上させるのです。

 

仕分け作業自動化によるメリット・デメリット

このように仕分け作業を自動化することで、人間が起こしやすい「ミス」、思い込みによる「ミス」が軽減されるというメリットが得られます。そして、システムの導入により、現場での必要人員を減らすことが可能となり、人件費をコストダウンすることが可能です。

その反面、システムによっては機械の導入費用が高く、導入コストが大きくなるほか、設置に十分なスペースが必要となるため、倉庫の規模によっては導入が難しいといったデメリットもあります。

 

まとめ

昨今のネット通販の急速な普及により、物流現場ではこれまで以上にスピードと正確性が求められるようになりましたが、様々な作業の効率化が課題となっています。この変化に対応するためには、単に自動化を導入するのではなく、倉庫の規模や取り扱う品目に適した効率化を慎重に選定することが重要です。

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