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リーファーコンテナの特徴・種類・用途【物流用語】

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リーファーコンテナとは?

リーファーコンテナ(Reefer Container)とは、コンテナ内部に備え付けられた冷却装置により、内部の温度調整が可能なコンテナです。

近年、温度管理を必要とする輸送の需要が急速に拡大しており、リーファーコンテナは冷凍・冷蔵に特化した輸送容器として主に海上輸送で利用されています。

このように、リーファーコンテナを用いて冷凍・冷蔵貨物を輸送することをリーファー輸送と呼びます。リーファー輸送では、果実、 野菜、 肉、 魚介類等の生鮮品や化学品、 医薬品等、温度管理が必要な貨物を安全に輸送することが可能です。

国土交通省では、国産農水産物の輸出競争力を強化するため、港湾管理者等への支援を通じて、リーファーコンテナ用の電源供給設備等の整備を促進しています。これらのインフラ整備により、リーファーコンテナがより利用しやすい環境が整い、日本の農林水産物・食品の輸出量増加が期待されています。

 

リーファーコンテナの特長・種類

リーファーコンテナは主に海上輸送で利用され、20フィートと40フィートのサイズが基本です。冷蔵ユニットを装備し、冷蔵庫と同様の仕組みで冷媒ガスと熱交換器を通じて冷たい空気をコンテナ内に送り込みます。一般的なリーファーコンテナでは-30℃~+30℃の一定温度に保つことができ、荷物に適した温度を維持したまま輸送が可能です。

これに対して、多く流通するドライコンテナは低コストで利用できますが、コンテナ内の温度管理をする機能はありません。

リーファーコンテナには温度調節以外にも、貨物の温度を最適に保つための特殊な技術が用いられています。その1つが「CA(Controlled Atmosphere) コンテナ」です。この技術では、コンテナ内に窒素ガスを充填し、酸素濃度と二酸化炭素濃度を調整することで、青果物等の鮮度保存期間を延長することができます。さらに、適切な酸素と二酸化炭素の濃度を維持することで、貨物の品質を保ちながら低酸素環境下で青果物の呼吸代謝を抑制することが可能です。

また、「鮮度保持電場装置が搭載されたコンテナ」では、コンテナ壁面に設置された専用シートと電源ユニットを接続することで、特殊な電場状態をコンテナ内に作り出すことができます。この電場により、食品中の水分子同士の結合を抑制し、0℃以下でも水が凍らない過冷却状態を作り出すことができ、長期間の鮮度維持が可能となります。

 

リーファーコンテナのメリット・デメリット

メリット

リーファーコンテナは、日本政府が推進するコールドチェーン拡大の一環として、生鮮品の大量輸出を可能にするツールです。ヤマトグループの国際クール宅急便では対応できない大量のロット品も、リーファーコンテナを利用することで鮮度を保持したまま海上輸送ができます。

また、輸送時間が課題となってこれまで輸送できなかった地域にも、リーファーコンテナを利用することで流通させることができ、さらにコンテナのまま倉庫で一時保管することも可能です。リーファーコンテナは、冷凍冷蔵倉庫の一部としても利用することができます。

そして、リーファーコンテナの最大のメリットは、大量の荷物を低コストで輸送できる点です。コンテナ単位で積み替えなしで輸送すれば、海上輸送と陸送を組み合わせた輸送モードにも対応でき、積替えなしのリレー輸送により、効率的なモーダルシフトが可能となります。

デメリット

一方、リーファーコンテナは冷却装置と断熱材の厚みがある分、ドライコンテナより内寸が狭くなり、積載容量が減少するというデメリットがあります。また、コンテナ内を冷却するためには電源が必要となるため、リーファーコンテナを活用する際は電源の確保も考慮しなければなりません。

さらに、冷却装置が常時稼働することで発生する騒音や、壁内に断熱材を用いていることから床の強度が低下するリスクがあり注意が必要です。加えて、リードタイムは船便や港での取り扱いが多く、潮風にさらされると冷却装置等の部品が傷みやすい点も課題となります。

 

リーファーコンテナの用途について

リーファーコンテナは食品を中心に、以下の貨物輸送に利用されます。

(1)冷凍・冷蔵食品

冷凍・冷蔵食品の輸送に最適なのがリーファーコンテナです。冷凍食品は、生産から流通まで一貫して-18℃以下の低温を保って取り扱われるます。冷蔵食品(チルド食品)は、食品別に最適な温度帯が設定され、通常は0~+10℃の範囲で流通しています。日本のコールドチェーンの技術は、アジア各国で高いニーズを持たれていますが、その基盤を支えているのがリーファーコンテナです。

(2)生鮮食品

青果(野菜・果物)、鮮魚、精肉等の食材は生鮮食品に分類され、これらを総称して生鮮三品と呼びます。鮮度を維持したまま輸送することで商品価値が守られるため、リーファーコンテナでの輸送が最適です。

(3)一定温度で保管が必要なワイン

ワインは高温に置かれると品質が劣化し、商品価値を失うことがあります。高額で取引されることがあるワインは、商品価値を保つために温度管理された輸送が必要です。

(4)生花

生花の輸送では、輸送中にしおれたり枯れたりしないよう、低温を維持する必要があります。そのため、リーファーコンテナでの輸送が適しています。

(5)医薬品

医薬品には保管温度が指定されているモノがあり、輸送中の厳密な温度管理は欠かせません。以前は途上国への輸送が難しかった医薬品も、リーファーコンテナによって大量輸送が可能となりました。

(6)その他

高温条件下では変形・変質しやすい特殊なフィルムや、変色の恐れがある美術品等は、温度管理された輸送が必要です。こういった場合にもリーファーコンテナが利用されています。

 

まとめ

海上輸送において低温輸送を可能とするのがリーファーコンテナです。長い輸送リードタイムから選択されにくかった海上輸送でも、低コストで輸送できることは大きなメリットです。輸送の安全性が向上し、今後さらにリーファーコンテナの活用シーンが増加すると見込まれています。

また、リーファーコンテナには極低温専用・冷凍冷蔵兼用・冷蔵専用の3タイプがあり、輸送する貨物や必要な温度に応じて選択できます。ドライコンテナで運べなかった貨物の輸送において、リーファーコンテナの活用を検討すると良いでしょう。

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