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LCLとは?FCLの違いと使い分けるポイントを紹介【物流用語】

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LCLとは

LCLとはLess Than Container Loadの略です。荷主がコンテナ輸送を利用する場合、コンテナ単位(20フィートまたは40フィートコンテナ)で貨物がまとまるかどうかで、積載方法が異なります。その際、コンテナ1本分を満たせない小口貨物に対し、複数荷主の貨物を混載してコンテナ内の空間をシェアするのがLCLです。荷主等が船会社指定のコンテナフレートステーション(CFS;保税蔵置場)に持ち込み、仕向地別に他の貨物と混載されることから、「CFS貨物」と呼ばれることもあります。

20フィートコンテナは幅約2.3m×縦約6m×高さ約2.4m、40フィートコンテナは幅約2.3m×縦約12m×高さ約2.4m(ハイキューブコンテナは高さ2.7m)です。重さの上限は20フィートコンテナで約20t、40フィートコンテナで約25tとなります。

LCLは混載のため、輸出の際は船積み前に貨物を1か所に集めてコンテナに詰め、輸入であれば荷下ろし後にコンテナを開けて積載貨物を仕分けする作業が必要です。その後の通関、貨物の受け渡しもCFSで行われ、その後、仕向地に運ぶためトラック等に積み替えられます。

また、LCLは他の荷主とコンテナを共有することから、貨物に関しての制限があります。冷蔵または冷凍等の温度管理が必要な貨物、穀物・原材料等のバラ積みの貨物、臭いのある貨物等、他の相積貨物と一緒にコンテナに積むと悪い影響が出るものは適応外となるため注意が必要です。
 

海外におけるレンタルパレットの展開

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LCLとFCLとの違い

コンテナに混載で貨物を運ぶLCLに対し、荷主がコンテナを1本丸々借り切る輸送形態としてFCL(Full Container Load)があります。FCLは「フルコン」、「CY貨物」とも呼ばれます。

FCLは基本的にコンテナを途中で開けることなく、指定する場所までそのまま輸送することが可能です。コンテナへの詰め込み作業(バンニング)を行った後、コンテナはコンテナヤード(CY)で輸出入の通関、貨物の受け渡しが行われます。貨物量が少ない場合はバンニングの際、しっかりとコンテナ内に固定して輸送中の損傷に注意を払うことが必要です。

LCL貨物、FCL貨物とも、港湾施設に搬入される場合とCFSに搬入される場合があります。港湾施設の場合、海貨業者の保税蔵置場に運ばれてきた貨物は通関後にCFSへと搬入され、CFSに直接運ばれてきた貨物は通関後にコンテナヤードに搬入されます。

LCLは着荷港のCFSで一旦コンテナを開け、積載されている貨物の仕分けをし、仕向地によってトラック等に積み替えが必要です。そこで留意してほしい点は、国や港によってはCFSがきちんと整備されておらず、仕分け中の貨物の破損や紛失等のリスクが発生することです。

FCLとLCLを迷うような場合はこうした点も考慮の上、検討が必要です。

 

LCLのメリット・デメリット

LCLのメリットは輸送量が少ない小口貨物で、船便等低コストで輸送できる点です。

デメリットとしては、貨物の性質によっては運べないことがある点が挙げられます。輸送後も、国や港によってはCFSがきちんと整備されていないケースも多く、仕分け中に貨物の破損や紛失等が発生するリスクも少なくありません。

また、輸送の時期によって、貨物の扱いが変わることもあります。例えば、現地での長期休暇の後には貨物が滞留します。そのような時期は貨物の扱いが乱暴になり、破損の可能性が高まることもあります。このように、輸入者に届くまで一貫して破損のリスクが発生します。

LCLでは、貨物の大きさによって別途割増料がかかることがあります。サイズの目安として、長尺貨物で約3m以上、背高貨物は約2.2m以上、重量貨物は約2t以上です。基本的にコンテナ内で段積みが可能であることが前提となりますが、貨物の梱包状態や形状によって段積みできない場合も割増料が発生します。

また、LCLはコンテナの中から貨物を取り出す作業(デバンニング)が必要となるため、FCLに比べてリードタイムが2日程度長くなります。

 

FCLのメリットとデメリット

FCLのメリットは、貨物を集めたり仕分けたりする必要がなく、LCLより税関への輸入申告を早く行うことができ、リードタイムを短縮できる点です。基本的に輸送中はコンテナを開けることがないため、盗難の危険や貨物に損傷が及ぶ可能性が少なくなります。

デメリットとしては、ある程度貨物の量が必要になることです。コンテナ1本分の貨物が埋まらない場合、LCLよりも割高になるケースも少なくありません。FCLでは通関後、コンテナごとに指定する倉庫等への輸送時に、「ドレー」という専用トラックを利用します。トラックが港から指定場所までを往復するコストがドレー料金としてかかります。

 

LCLとFCLの使い分けるコツ

LCLとFCLは、料金と運ぶ貨物によって使い分けが必要です。

LCLは重量または体積の大きい方に基づき、RT(Revenue Ton=㎥)単位で計算します。どんなに小さい貨物でも1㎥もしくは1tと見なされます。例えば、金属製の貨物ならコンパクトでも重量で計算され、布団のようなものであれば、体積に基づいて計算されることが多いです。LCLの場合、コンテナに貨物を積み下ろすコスト(CFSチャージ)もかかります。

FCLは1コンテナ単位で計算されます。しかし、注意点として20フィートコンテナの費用は、40フィートコンテナの半額ではなく、場合によっては、40フィートコンテナの9割のコストがかかることです。FCLはコンテナ専用のトラックでの陸上輸送(ドレー)に対して、港から倉庫、倉庫から港までのラウンド料金が必要となります。つまり持ってくるときの費用だけではなく、帰るときの費用も必要です。

具体的には、以下の貨物量を超える場合、FCLを利用するメリットが大きくなります。

  • 20フィートコンテナ:5~7㎥を超えるとき
  • 40フィートコンテナ:8~10㎥を超えるとき

しかし、輸送する貨物や利用するコンテナの種類によってコストが変わるため、事前の確認が欠かせません。

また、貿易取引の世界共通のルールとなるインコタームズにおいて、注意が必要な場合があります。輸出者が輸出側の国内輸送費用と海上運賃までしか負担しないCIF(Cost Insurance and Freight=運賃保険料込み条件)の場合、輸出者がLCLで輸送すると、CFSチャージは輸入地側の港で輸入者にかかります。そのため、売買契約時にはこれらを十分に考慮に入れておくことが必要です。

貨物の物量は、貨物単体(段ボール等)の容積×合計個数で算出しますが、パレットに積み込む場合はその分の容積も必要となります。20フィートコンテナのデッドスペースは、12㎥前後が目安です。

LCLとFCLの使い分けは単純に貨物の物量だけではなく、貨物ダメージ、迅速な引き取り、輸入国側のCFSチャージ等もあわせて考えます。一般的には、FCL(コンテナ輸送)の方が貨物へのダメージは少なく、かつ迅速に貨物を引き取ることが可能です。

輸入国側のCFSチャージやコンテナの取り扱いにかかる料金であるTHC(Terminal Handling Charge)等ともあわせて考えます。CFSチャージは、LCL(コンテナ未満)で輸送した場合にかかる費用であり、THCはコンテナ単位で発生する費用です。

 

まとめ

少ない貨物量を海外輸送する場合、低コストとなるのがLCLです。しかし、貨物量がある程度多い場合、FCLの方がコスト効率が良くなることがあります。そのため、コストを計算した上で選択することが賢明です。また同じ貨物を輸出する場合でも、仕向地の港によってLCLとFCLのどちらが最適なのかが変わることがあります。

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