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ICタグって?導入するメリットや種類について解説

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ICタグって?

ICタグとは、電子タグや無線タグとも呼ばれ、集積回路(Integrated Circuit)が搭載された小型のタグを指す言葉です。経済産業省は、ICタグ(電子タグ)を「電波を利用して非接触で個体を識別するツール」と定義しています。ICタグには、電波や磁界を利用して非接触で情報のやりとりを行い、個体を識別する機能があります。

出典:経済産業省「IoT等を活用したサプライチェーンのスマート化」(令和6年7月12日利用)

このような特長を活かし、ICタグは物流業界や小売業界等、幅広いビジネスシーンで活躍しています。例えば、商品にICタグを取り付け、ハンディターミナルで読み取れば、商品の検品や棚卸しを大幅に効率化することが可能です。近年は、ICタグとハンディターミナル等の読み取り機を合わせて、RFID(Radio frequency identification)と呼ぶケースが増えてきました。

 

ICタグの歴史

ICタグやRFIDには50年以上の長い歴史があり、ICタグの原型が開発されたのは1960年代だと言われています。

1960年代後半に、商品を盗難から守るためのEAS(Electronic Article Surveillance)というシステムが開発されました。EASは商品が外部に持ち出された際、商品のタグを検知して警報を鳴らす仕組みのシステムで、RFIDの技術が初めて商業的に利用された例の1つだと考えられています。そして、1990年代に半導体技術が発展すると、ICタグの小型化やコストダウンが進み、RFIDが急速に普及しました。1999年には、日本のNTT社が公衆電話で利用可能な非接触型のICテレホンカードを発売しています。

 

ICタグの必要性

2017年に経済産業省がコンビニ各社と協力し、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」※1を発表しました。また、翌年の2018年には日本チェーンドラッグストア協会と協同で、ドラッグストアでのRFIDの利活用を推進する「ドラッグストアスマート化宣言」※2を発表しています。

※1出典:経済産業省「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」(令和6年7月12日利用)
※2出典:日本チェーンドラッグストア協会「ドラッグストアスマート化宣言」(令和6年7月12日利用)

なぜICタグやRFIDがここまで広く普及したのでしょうか。ICタグの需要が大きく高まった背景には「少子高齢化や人口減少による人手不足と労務コストの上昇」と「食品ロスや返品等の無駄」の2つの社会問題があります。

出典:経済産業省「IoT等を活用したサプライチェーンのスマート化」(令和6年7月12日利用)

少子高齢化や人口減少による人手不足と労務コストの上昇

少子高齢化が急速に進行しており、将来的に生産年齢人口が減少することが予測されています。特に人手不足が深刻なのが物流業界です。商品の検品や棚卸しを手作業で行う場合、手間や時間がかかるため、より多くの作業者が必要になります。

しかし、非接触で商品データの読み取りが可能なICタグを利用すれば、現在よりも少ない人手で効率的に倉庫内作業を行うことができます。

食品ロスや返品等の無駄

流通業界では、賞味期限切れの食品の廃棄や、過剰在庫・不良在庫を原因とした返品の増加が課題となっています。ICタグを活用すれば、商品の賞味期限や在庫状況等のデータをすばやく読み取り、システム上で一元管理することが可能です。これにより、フードチェーンを最適化し、食品ロスや廃棄を減らすことができます。

 

原理や仕組みについて

RFIDタグ

様々なビジネスシーンで使われているICタグは、どのような仕組みで情報の読み書きを行っているのでしょうか。

ICタグには、電波を介して情報伝達を行う仕組みと、電波自体を電力として利用する仕組みの2つがあります。ここでは、ICタグの原理を紹介します。

電波を介して情報伝達を行う

なぜICタグをスキャンすると、データを読み取ることができるのでしょうか。ICタグは、データを電波や磁界に乗せて読取機(リーダー)に送信しています。この原理を変調(Modulation)と呼び、ICタグには欠かせない技術の1つです。リーダーは、ICタグから送信された電波や磁界の信号を受信し、データを解読します。これにより、ICタグのデータが読み取られ、システムに取り込まれるという仕組みです。

電波を電力として利用する

ICタグの種類によっては、電源やバッテリーが搭載されていません。それでは、ICタグはどのようにしてデータを読み書きするための電力を得ているのでしょうか。

ICタグは電波をデータ伝送手段として利用するだけでなく、電源の代わりとしても利用しています。電波は電磁エネルギーを持っており、これを熱や電気に変換して利用することが可能です。

身近な例を挙げると、電子レンジを始めとしたマイクロ波加熱装置は電波を放射し、エネルギーに変換することで食品を加熱しています。近年は、身近に存在する電磁エネルギーを電力に変換し、発電を行う環境発電(エネルギーハーベスティング)の分野が目覚ましい発展を遂げているのです。

また、電源やバッテリーのないICタグには、「整流回路」(または「検波回路」)と呼ばれる回路が内蔵されています。整流回路とは、特定の周波数の電波を受け取り、電力に変換する機能を持った回路です。整流回路がリーダーから電波を受け取ると、データのやりとりに必要な電力が生み出されます。

バッテリーがなくてもICタグが作動するのは、このように受け取った電波を電力として利用する仕組みがあるからです。整流回路を利用した発電が可能になったのは、半導体技術の発展により、ICタグそのものの消費電力が小さくなったことも関係があります。

起動するまでの流れ

リーダーから電波を受け取ったICタグが、データの読み書きを行う流れは次の通りです。

  1. リーダーがICタグと通信を開始し、電波に乗せてデータを送信
  2. ICタグのアンテナが電波を受信
  3. ICタグの整流回路(または検波回路)が電波を受け取り、電力に変換
  4. 発生した電力をICタグの内部のコンデンサに蓄積
  5. ICタグの制御回路がコンデンサの電力を利用し、データ処理を開始
  6. ICタグがリーダーと通信を開始し、電波に乗せてデータを返信
  7. リーダーが電波を受信し、データに変換

 

RFタグ・RFIDタグとの違い

ICタグとよく似た言葉としてRFIDやRFタグがあります。前述の通り、RFIDはICタグだけでなく、ICタグとデータのやりとりを行うための読み取り機(リーダー)を含めたシステム全体を表す言葉です。RFタグは、RFIDというシステムにおけるタグを指しています。

つまり、ICタグとRFタグはほとんど同じ意味を持つ言葉であり、近年はICタグではなくRFタグという呼称を使うメーカーも存在します。

 

ICタグのメリット

複数のタグを同時に読み取れる

ICタグの最大の特長が、読取機をかざすだけで、複数のタグを同時に読み取ることができる点です。例えば、古くから利用されているバーコードの場合、バーコードリーダーを一つひとつタグに近づける必要があります。

しかし、非接触での読み取りが可能なICタグなら、大量のタグをまとめてスキャンすることが可能です。バーコードと比較して、ICタグならタグの読み取り時間を10分の1程度に抑えられます。

離れた所からタグの読み取りが可能

電波を利用して情報の読み書きを行うICタグなら、距離が離れた場所のタグや、高い所にあるタグも読み取ることができます。例えば、陳列棚の高い所の商品タグを読み取る場合も、ICタグならわざわざ脚立を使う必要がありません。タグの読取時間が短くなるだけでなく、作業者の安全を確保できるのもICタグのメリットです。

表面が汚れたタグの読み取りが可能

もし作業中に商品の表面が汚れてしまうと、バーコードやQRコードであると読み取りができない場合があります。しかし、ICタグであれば商品の表面が汚れてしまっても読み取りに問題ありません。タグの表面の汚れだけではなく、テープが張り付いている場合でもICタグなら通常通り読み取ることができます。

また、商品がダンボール箱等の遮蔽物に覆われている場合も、ICタグであればまとめて読み取ることが可能です。

 

現在ICタグでできないこと

読み取り

ICタグには様々な強みがありますが、現在の技術ではできないこともいくつかあります。例えば、「水分や金属に弱い」「読み取り精度が100%ではない」といった弱点があることです。

水分や金属に弱い

ICタグは電波や磁界によってデータの送受信を行うため、タグの周辺に水分や金属があると、上手く読み取りができない場合があります。作業環境が水で濡れていたり、付近に金属物が多かったりする場合は、別の種類のタグを利用することが必要です。

読み取り精度が100%ではない

ICタグの読み取り精度は年々改善していますが、現時点では100%の精度でタグを読み取ることは難しいです。例えば、大量のICタグをまとめて読み取る場合、タグの場所や向きによっては読み取りエラーが発生する可能性があります。

 

ICタグの種類

バッテリー搭載による分類

パッシブRFIDタグ

パッシブRFIDタグは、電源やバッテリーを持たないタイプのICタグです。内部電源ではなく、リーダーから受け取った電波を変換し、電力を得ています。消費電力が小さく、安価に導入することが可能ですが、他の種類のICタグよりも伝送距離は限られているため注意が必要です。

アクティブRFIDタグ

アクティブRFIDタグは、内蔵電池で動くタイプのICタグです。電源を安定して確保できるため、パッシプRFIDタグよりも長距離のデータ伝送が可能です。その代わり、アクティブRFIDタグを長時間稼働させるためには、定期的に電池交換を行う手間が発生します。

セミアクティブRFIDタグ

セミアクティブRFIDタグは、パッシブRFIDタグとアクティブRFIDタグの両方の特長を持ったハイブリッドタイプのICタグです。通常はパッシブRFIDタグのようにリーダーから受け取った電波を利用し、電力を確保していますが、内蔵電源でデータの読み書きを行うこともできます。

周波数による分類

UHFタグ

UHFタグは、極超短波(マイクロ波)と呼ばれる周波数帯を利用したICタグです。製品にもよりますが、主に920MHzの周波数帯でデータのやりとりを行っています。920MHzの周波数帯は電波干渉が少なく、通信可能な距離が長いという特長があります。そのため、UHFタグは1m~10mの比較的長い距離でデータの読み取りが可能です。

NFCタグ

NFCタグは、135KHz以下の長波と呼ばれる周波数帯を利用したICタグです。主に13.56MHzの周波数帯が利用されており、通信距離な距離は10cm程度とあまり長くありません。

しかし、NFCタグにはUHFタグよりも水分や遮蔽物に強いという特長があります。NFCタグとして流通している製品の多くは、パッシブタイプのICタグです。

素材による分類

ラベルタグ

ラベルタグはシール素材でできており、商品に貼り付け可能なICタグです。シールタグや汎用タグと呼ばれる場合もあります。

ラベルタグは簡単に加工できるため、物流センターだけでなく、小売店舗の商品タグや入退室用の社員カード等、幅広いシーンで利用されています。1枚あたりのコストが非常に安価なのもラベルタグの特長です。

リストバンドタグ

近年、体に身に着けて使う「ウェアラブルデバイス」が注目を集めています。リストバンドタグは、リストバンドのように利用できるウェアラブルなICタグを指す言葉です。

リストバンドタグの利点として、手を利用せずに持ち運べるため、ハンズフリーに作業ができる点が挙げられます。企業や工場の入退室のほか、イベント会場での認証やキャッシュレス決済等にリストバンドタグが利用される場合があります。

セラミックタグ

セラミックタグは、ファインセラミックス素材でできたICタグです。特殊・専用タグと呼ばれる場合もあります。ファインセラミックス素材には、耐熱性や耐食性が高く、浸水にも強いという特長があります。そのため、セラミックタグも高い耐環境性を持っており、水に濡れやすい屋外の環境でも問題なく利用可能です。

そのほか、食品工場や飲食店等、高い耐久性が求められる場所で利用されています。

金属対応タグ

汎用的なICタグは、金属が近くにあると正常にデータをやりとりすることができません。しかし、金属対応タグなら、金属物が多い環境でも問題なくデータの読み取りが可能です。

金属対応タグには、金属物にのみ取り付け可能なタグと、金属物以外にも利用できるタグの2種類があります。取り付ける場所に合わせて、対応した種類のICタグを選ぶことが大切です。

水分対応タグ

水分対応タグは耐水性が高く、水に濡れても通常通りデータの読み取りが可能なICタグです。雨風に強いため、屋外でも問題なく利用することができます。水分対応タグの例として、汎用的なラベルタグに塩化ビニール等を溶着し、ウェルダー加工を行ったICタグが挙げられます。

ラベルタグがベースとなっているため、1枚あたりのコストが比較的安価なのも水分対応タグの特長です。

 

ICタグの規格

ICカード

NFC

「周波数による分類」の項目で取り上げたNFCタグは、正確には近距離通信方式(Near Field Communication)と呼ばれ、国際標準化機構(ISO)に認められた国際規格(ISO/IEC 18092)に準拠したICタグです。NFCは、さらにFeliCa(フェリカ)とMifare(マイフェア)の2種類の規格に分けることができます。

FeliCa(フェリカ)

FeliCa(フェリカ)は、ソニー社が開発したICタグの規格です。最初は国内規格(JIS X 6319-4)として誕生し、後にISOが定める国際規格(ISO/IEC 18092、ISO/IEC 14443)として認められました。FeliCaは日本国内を中心に普及しており、主に交通系ICカードに採用されています。

高度に暗号化されたFeliCa Standardと、より安価に利用可能なFeliCa Lite-Sの2種類があり、用途に合わせて選ぶことができます。

Mifare(マイフェア)

Mifare(マイフェア)は、オランダのNXPセミコンダクターズ社が開発したICタグの規格です。国内のシェアが大きいFeliCaに対し、海外を中心に広く利用されているのがMifareの特長です。

Mifareは通信速度が低く、最低限のセキュリティしか保証されない代わり、FeliCaよりも低コストで利用することができます。

EPCglobal

EPC(Electronic Product Code)は、EANコードを開発したヨーロッパの国際EAN協会と、UPCコードを開発したアメリカのUCCが共同で設立したEPCglobalの国際規格です。近距離通信方式を採用するNFCと比較して、EPCは波長が短い860MHz~960MHzのUHF帯でデータ通信を行っています。

EPCは2005年1月にアメリカの流通業界で導入がスタートし、極超短波帯を利用するICタグの中で高いシェアを獲得しました。EPCはアメリカだけでなく、日本でも広く普及している国際規格です。

 

様々な読み取り方法がある

複数の読み取り

利用用途に合わせて様々な読み取り方法があるのもICタグの特長です。複数のタグの一括読み取りはもちろん、読み取り可能な距離を調整したり、特定のタグだけ読み取ったりすることも可能です。ここでは、ICタグの代表的な4つの読み取り方法を解説します。

一括読み取り

電波や磁界の範囲内であれば、複数のICタグをまとめて読み取ることが可能です。特に通信可能な距離が長いUHF帯のICタグなら、大量のタグを一括で読み取ることができます。

これにより、スピード検品や棚卸作業の効率化を実現できますが、一度にスキャンするタグの量が数百個を超えると、読み取りに必要な時間が長くなる場合があるため注意が必要です。

通信距離を変えて読み取れる

ICタグは送信する電波の強度を変化させることで、読み取り可能な通信距離を調整することができます。例えば、電波の強度を強くすると、遠く離れたタグや高所にあるタグをすばやく読み取ることが可能です。

一方、手元のタグだけを読み取りたい場合は、電波の強度を弱めることで、リーダーの読み取り範囲を狭く調整することができます。

フィルタリングができる

ICタグは、バーコードやQRコードよりも読み取り範囲が広いのが特長です。

しかし、作業内容によっては「特定のタグのみを読み取りたい」「不要なタグを除外し、読み取るタグを絞り込みたい」といったケースもあります。その場合は、ICタグのフィルタリング機能が役に立ちます。あらかじめ特定のコードを指定することで、条件に当てはまるICタグのみをスキャンすることが可能です。

ICタグを探索できる

商品がどこにあるのかわからない場合も、リーダーを利用しICタグに電波を送ることで、ICタグがある場所を探すことができます。ICタグが目視できない場所にある場合でも、電波の強度を目安にすることで、ICタグのおおよその場所を探索することが可能です。

このように、ICタグには様々な読み取り方のバリエーションがあります。利用目的に合わせてICタグの機能を活用しましょう。

 

エンコード(コードの書き込み)について

ICタグには、特定のコードを書き込むためのメモリー領域が確保されており、リーダーやプリンターを利用しICタグのメモリー領域にコードを書き込むことが可能です。このことを「エンコード」と呼びます。ここでは、ICカードに書き込める情報の内容や、エンコードを行う手順について解説します。

書き込める情報の内容

ICタグに書き込むことができるのは、数字の0~9とアルファベットのa~fの英数字のみです。ICタグのメモリ領域に記号やひらがなを書き込むことはできません。

例えば、「ABCD1234」というコードは書き込むことができますが、「あいうえ_001」というコードは書き込むことができません。また、エンコード可能な桁数は、4桁や8桁、12桁等の4の倍数である必要があります。

書き込む方法

ICタグにエンコード(コードの書き込み)を行う方法は、リーダーを利用する方法とプリンターを利用する方法の2種類があります。

リーダーを利用する方法

ICタグのリーダーを利用すればエンコードが可能です。ただし、リーダーには文字入力の機能がありません。別途スマートフォン等の端末を用意して、端末をリーダーと接続し、端末内にインストールしたアプリケーションの画面を通じて書き込みを行います。

この時、リーダーの電波強度を弱め、書き込みたいICタグ以外と通信を行わないように調整することが必要です。

プリンターを利用する方法

専用のプリンター(RFIDプリンター)を用意すれば、ICタグに直接コードを書き込むことができます。エンコードが必要なICタグが多い場合は、プリンターを用いた方法がより適しています。また、RFIDプリンターは書き込んだコードをラベルとしてプリントし、商品や陳列棚に貼り付けることも可能です。

 

導入上の注意

読み取り精度

ICタグの導入で失敗しないためのポイントは、事前に本番環境に近い環境で実証実験(PoC)を行うことです。

ICタグの失敗事例としてよく挙げられるのが、「想定よりも通信状態が悪く、データの読み取り精度が低かった」「上手く読み取りができず、別の種類のICタグを急遽導入した」等、導入後にデータの読み取りができないことが発覚するケースです。

ICタグの種類によっては、水分や金属に弱く、電波が遮られてデータの読み書きができないものもあります。また、利用する周波数帯によっては電波干渉を受け、通信状態が想定よりも悪化する可能性も少なくありません。ICタグの読み取り精度は100%保証されているわけではなく、設置場所の周辺環境に大きく影響を受けます。

そのため、ICタグの導入前に必ずPoCを実施し、「ICタグが想定通りに動作しているか」「動作しない場合は、どのような種類のICタグが運用環境に合っているか」を検証することが必要です。

上記の内容を踏まえて、RFIDの導入ステップは次のような流れになります。

  1. 現状の課題を分析し、導入によって何をしたいのか洗い出し
  2. 導入効果が期待できそうなハードウェア(ICタグ、リーダー、アンテナ、プリンター等)の選定
  3. 実際の作業環境で読み取りテスト(PoC)を実施し、想定通りの導入効果が得られたかどうか検証
  4. 上手くいかなかった場合は、課題を解消するための対応策を検討
  5. 本運用に向けて、RFIDの要件定義
  6. RFIDの設計・開発を行い、本番環境でのテストを実施
  7. テスト結果に問題がなければ、RFIDを現場に設置
  8. RFIDの運用・保守

RFIDは素材、バッテリーの有無、周波数帯等の違いにより、様々な種類の製品があります。それぞれ強みや弱みがあるため、自社の環境に合った製品を選ぶことが大切です。

 

活用事例について

物流倉庫の検品や入出庫管理に

ICタグが最も利用されている分野の1つが物流やロジスティクスです。ICタグには、同時に複数のタグを読み取る機能があるため、大量の荷物をまとめて検品することができます。

また、入荷から出荷までの各工程でICタグに情報を書き込めば、商品の履歴をいつでも追跡することができ、トレーサビリティの確保も可能です。

小売店舗のレジ会計に

経済産業省が「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」や「ドラッグストアスマート化宣言」を発表したように、ICタグは小売店舗でも急速に普及しつつあります。ICタグの一括読取機能を利用すれば、レジ会計をよりスピードアップすることが可能です。

また、レジ会計の待ち時間を短縮することで、お客様から寄せられる苦情やクレームの減少が期待できます。

従業員の入退室管理に

ICタグは従業員の入退室管理にも活用できます。タイムカードの代わりにICタグを活用すれば、読取機にかざすだけで打刻が可能なため、従業員側の負担が減少します。また、読み取ったデータはそのままコンピュータに送ることができるため、出勤時刻や退勤時間等を手作業で転記し、労働時間の集計を行う手間が発生しません。

従業員の入退室管理には、主にシール素材のラベルタグが利用されています。

 

まとめ

半導体技術の発展により、小型で消費電力が小さい「ICタグ」が普及しつつあります。ICタグは複数のタグの一括読み取りや、特定のタグのフィルタリング等、幅広い読み取り方が可能なタグです。

物流業界や小売業界のほか、一般企業の入退室管理等にも利用されています。ICタグには、素材、バッテリーの有無、利用する周波数帯によって様々な種類があるため、利用用途に合ったタグを選ぶことが大切です。ICタグを導入するメリットについて知り、業務効率化や人件費の削減を実現しましょう。

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