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流通とは?商流と物流の違いと流通で行うことを紹介【物流用語】

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流通

 

流通とは

流通とは、消費者から生産者までの商品やサービスの流れ、モノを円滑につなげる考え方です。生産側(川上)から消費者(川下)までの間を取り持つサプライチェーン上のプレイヤーとなる卸売業者、物流業者、小売店等が流通の担い手となります。

物理的に離れた生産者と消費者間を輸送することがこれまでの流通の概念でしたが、近年では情報や広告等も流通のひとつと考えられるようになりました。また、スーパーやデパート、コンビニ等の小売店だけではなく、ECの発展から流通の概念が多様化されていき、1つの商品が生産者から販売店、または消費者に受け渡されるまでが流通とみなされるようになりました。

 

商流と物流の違い

流通は大きく「商流」と「物流」に分類されます。

商流は、商品の移動に伴って企業・消費者間で行われる取引と同時に発生する商品の所有権、金銭や情報の移動のことです。商流で発生する取引は「受注」「発注」「出荷」「在庫」「保管」「販売管理」等があります。商流も流通の一種です。消費者は商品代金を支払わなければ商品を手に入れることができないことと同様、店舗がメーカーから商品を仕入れる場合でも商流を経る必要があります。

物流は、商品(半製品・原材料も含む)を必要な場所へ物理的に運ぶ仕組みです。メーカーや生産者から商品が倉庫・物流センター等に運ばれていく流れを指します。物流は「物的流通」を略した言葉であり、物的流通の概念が取り入れられた1960年代前半からこの言葉が使われるようになりました。

商流や物流が同時に起こる場合、タイムラグが発生することがあります。料金の後払いで商品が先に届けられる場合や、料金の先払いで商品が後に届けられる場合等、取引内容やプロセスには様々な形態があるためです。

「商品の所有権、金銭や情報の移動=商流」と「モノの流れ=物流」が合わさった流れを流通と呼びますが、なぜ流通は商流と物流に分かれて考えられるようになったのでしょうか。これは、商品を購入する側と販売したい側にギャップが生じるためです。

 

物流会社と運送会社の違い

物流会社は輸送・配送・倉庫等において様々な役割を持っており、モノが流れる一連の動きを司る重要な役割も担っています。保管業務、荷役業務(搬出・搬入・仕分け)、流通加工業務、物流にかかる情報処理業務、フォワーダー業務等も行います。

その中で、貨物運送に特化した会社が運送会社です。運送会社の規模は大小とありますが、物流の一連の流れを行う物流会社の一部機能を担っています。その中でも、輸送、配送、運送と、それぞれ定義が異なります。

輸送

一次輸送のことであり、長距離移動を伴って出発点からゴールまで運ぶことを指します。例えば、工場から物流センター、別工場に製品・半製品等を運ぶ動きのことです。

配送

二次輸送のことであり、小口輸送を近距離で行う場合に使われる言葉です。出発地点から複数の場所に物を届けることを指します。例えば、物流センターから、複数の小売店や消費者等に物を運ぶ動きのことです。

運送

運送とは、トラックを使い輸送や配送を行う陸送を指します。船舶や航空機を使って物を運ぶ場合には、通常「運送」という言葉は使いません。

 

越境ECのメリット

日本国内の個人消費動向は2014年〜19年でほぼ横ばいの状況が続いています※1

商業販売額においてもほぼ同様で、今後の国内人口の減少等を勘案すると企業の大きな成長は難しくなっています。一方で、国内のEC市場は年率5%以上の成長を続けており、2019年度は19兆円に達する有力な事業分野といえるでしょう※2。その中で、越境ECにおける訪日客のリピート購入に見られるように、海外の日本製品への信頼は大きいです。2019年における中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆6,558億円(前年比 7.9%増)、アメリカ消費者による日本事業者からの越境EC購入額は9,034億円となっています※3。こういった中で、日本企業がアメリカや中国の巨大市場、更には成長市場であるアジア各国等に直接アプローチできることが、越境ECの最大のメリットとなるでしょう。

また、従来の輸出入は大企業が現地の販売代理店等を通じて、大量に製品を販売するスキームでしたが、これは一部の大企業のみが進出できる分野です。一方越境ECは、ECモールの充実やサイトの構築から物流までをアウトソーシングできる共有型プラットフォームが整備されており、中小企業が比較的低リスクで小さな規模から事業をスタートできる状況が整備されてきています。

さらに、顧客の購買動向は多岐にわたっており、国内のEC市場同様にロングテール化が進んでいます。こういった要素も、中小企業にとっては参入しやすい要因となっているでしょう。

※1 出典:内閣府「統計表一覧:消費動向調査」
※2,3 出典:経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」

 

越境ECのデメリット

越境ECでは、国内販売と違い法律や規制、決済方法、発送手段等現地の状況に合わせなければなりません。他にも、商習慣の違いからクレームや返品への対応等、販売に付随する業務が煩雑になりやすいこともデメリットの1つです。

外貨決済の場合、為替変動のリスクも発生しています。また、国や地域によって法的な理由で発送できない禁制品や関税の課税基準値が違うことも注意が必要です。課税基準値とは、いわゆる免税限度額を指します。条件を満たした品目については、正式通関を必要とせず課税されません。免税限度額が高い国であればより商品を売りやすくなりますが、低い国では商品を売りにくくなるため大きなデメリットとなります。

物流においては、長距離輸送となるため物流費が高額となり利益を圧迫します。大量販売商品であれば、スケールメリットにより比較的物流費は安価になりますが、ロングテールに当たる商品等はこれに当てはまりません。この場合、フルフィルメント事業者のプラットフォームを活用することが効果的です。また、国による物流品質の違いにより、商品の破損や紛失等のリスクは国内と比べて高くなるといったデメリットもあります。

 

越境ECに参入する方法

越境ECへの参入には準備するべき項目が多くあります。第1に参入する国や地域において自社商品の需要を見極める必要があります。類似商品の有無、価格の優位性、品質的な優位性、ブランド力、日本製品への評価等、様々な側面から検討していく必要があります。同時に、参入する国の人口(年齢層の分布等)、GDP、消費活動の指数、インターネット普及率、EC化率、関税、法整備状況等、様々な情報から総合的に判断することが必要です。また、その国の商習慣やECへのニーズも押さえておく必要があります。LPI(物流効率化指数)やマーケティングに有効なSNS普及率も必須といえるでしょう。

他にも、実際に進出する国や地域にどのような事業モデルで進出するか、検討する必要があります。

国内の自社サイトの多言語化、国内の越境EC対応モールへの出店、相手国のECモールへの出店等、様々です。また、物流においても日本から国際郵便や国際宅配便等で発送するケース、大量の場合は物流事業者等に保管から発送をアウトソースする等、様々な組み合わせからの選択が必要になると思われます。さらに、現地の保税倉庫や一般倉庫(相手国の輸入業者)で商品を保管し発送することで、リードタイムの短縮を図ることもできます。事業規模によって最適な事業モデルの選択が成功の鍵となりますが、越境ECに対応したフルフィルメント業者や物流事業者へのアウトソーシングも有効であるといえるでしょう。

そして、進出する国や地域の消費者傾向に合ったマーケティングの導線を構築していき、いかにコンバージョンを上げていくかがポイントとなります。主にウェブ上での取り組みが重要となってきますが、大手ECモールに出店するのも方法の一つです。しかし、現実的には企業や商品にブランド力がないと、出店しただけで売上が上がる状況をなかなか作りだせないかもしれません。検索エンジンに広告を出し誘導する、現地のイベント等に定期的に出店し知名度を上げる等手法は様々ありますが、近年のD2C企業に代表されるように、SNSで企業アカウントを作成し、自社の商品情報等の発信していく方法も低コストであり効果が見込まれます。

基本的には、大手ECモールに出店し、同時に自社ECサイトを多言語化し、SNS等で情報発信を続ける方法が最もポピュラーです。顧客は様々なサイトをチェックした後に購入するケースが多く、また複数サイトへの出店や自社サイトを持つ企業に安心感を持つ傾向が各国で見られます。さらに、自社や商品の知名度が十分となった時点で、自社サイトのみの運営に切り替え利益率を上げるという手法もとれます。より低コストで参入するのであれば、SNSで自社アカウントを持ち、そこから自社サイトへ誘導し反応を見るのも始め方のひとつです。

 

まとめ

越境ECの顧客が重視する項目の上位には、必ず「製品の信頼性」が挙げられます。日本製品の品質は世界でも評価されており、今後ますます巨大になる越境ECの市場において、日本企業には大きなビジネスチャンスがあるといえるでしょう。

また、自社製品の優位性と企業の発信力で、中小企業でも巨大市場である中国やアメリカにチャレンジが出来る可能性のある分野ともいえます。スマートフォンやSNS等の通信技術の大きな進歩がマーケティングや企業と顧客の関係性を変え、更に巨大な市場を生み出そうとしています。

 

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