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シャーシとは?主な種類とおすすめの管理方法を紹介【物流用語】

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シャーシとは?主な種類とおすすめの管理方法を紹介【物流用語】

トレーラーにおけるシャーシとは

シャーシとは、フランス語で「枠組み」や「骨格」を意味する言葉を語源とする用語です。「シャシ」「シャーシー」「シャシー」とも呼ばれ、様々な業界で用いられますが、主に自動車業界で利用されています。シャーシは、車体を支える台(骨組み)を指し、自動車の構造の一部を表わします。言い換えれば、ボディ以外の部分をシャーシと呼びます。なお、近年の乗用車ではボディとシャーシが一体化したモノコック構造が主流です。

物流業界において「シャーシ」とは、海上コンテナや鉄道コンテナを陸上輸送する際に利用する車輪付きの台車を指します。このシャーシにコンテナが積載された状態を「トレーラー」と呼びますが、トレーラー(シャーシ)自体には動力がありません。トラクターによって牽引されることで、荷物を運搬する車両として機能します。

また、物流事業者や現場によっては、コンテナを積載したトレーラーを「オンシャーシ」と呼ぶことがあり、バン型トレーラー等を「シャーシ」と呼ぶケースも見られます。

 

コンテナとは(シャーシとコンテナの違い)

コンテナとは、輸送や一時保管を円滑に進めるため、サイズや強度等が規格化された貨物運搬用の容器のことを言います。コンテナを活用することによる物流の合理化を「コンテナリゼーション」と呼び、パレチゼーションと並んで物流におけるユニットロード・システムの1つです。

海上輸送で利用されるコンテナは、国際標準化機構(ISO)により寸法、強度、外形等が規格化されており、主に20フィートと40フィートのサイズが用いられます。一般貨物を積載するドライコンテナ、冷凍や冷蔵品を積載するための冷却装置が取り付けられたリーファーコンテナ、液体を輸送するタンクコンテナ等が主流です。

一方、鉄道貨物輸送で利用される鉄道コンテナは、主に15フィートや31フィートのコンテナです。これらのコンテナには、温度管理が可能な冷凍・冷蔵コンテナや液体を輸送するタンクコンテナ等も含まれます。

また、国際海上輸送や鉄道貨物輸送によって長距離を運搬されてきたコンテナは、目的地のコンテナヤードやターミナルで一時的に保管された後、トレーラー輸送で荷受人まで直接届けられるか、一旦、近隣のインランドデポや倉庫で荷捌きを行ってから荷主に届けられます。

 

トレーラーとは(シャーシとトレーラーの違い)

トレーラー(シャーシ)とは、厳密にはトラクターによって牽引される被牽引車のことです。動力性能を持つトラクターによって牽引されることで運行が可能となりますが、トラクターと一体化して運行できる状態の車両全体を「トレーラー」と呼ぶこともあります。

前述のシャーシにコンテナを積載したモノは「コンテナトレーラー」と呼ばれ、通常のトラックのようにシャーシと荷台が一体型となったバン型のトレーラーも存在します。

また、海上コンテナや鉄道貨物コンテナの陸上輸送では、コンテナトレーラーが主流です。しかし、近年の物流業界の人手不足等により、一度に大量輸送が可能なバン型のセミトレーラーやフルトレーラーを活用した、大手物流事業者による幹線輸送が活発化しています。

 

トレーラー・シャーシの種類

トレーラー(シャーシ)は大きく分けるとフルトレーラーとセミトレーラーがあります。セミトレーラーは一般的なトラクター(牽引車)とトレーラー(被牽引車)が連結された車両で、国内では最も多く利用されている車両です。フルトレーラーは荷台(荷室)を備えたトラクター(牽引車)がトレーラーを牽引する車両で、実質上2台分の荷台(荷室)が連結された形状から「ダブル連結トラック」とも呼ばれることがあります。

セミトレーラーの連結時の全長は最大で18メートル、一般的には16.5メートルほどの車両が多いです。セミトレーラーは、バン型、コンテナ用、タンク型、平床型、平床アオリ付、自動車運搬用等、荷物に応じた様々なタイプがあります。

バン型セミトレーラーはウイング式や冷凍・冷蔵仕様もあり、通常の番方トラックと同じ形状です。コンテナ用セミトレーラーには、海上コンテナ40フィート用と20フィート用、その兼用タイプがあります。ほかにも、鉄道貨物コンテナ用のセミトレーラー等があります。

タンク型セミトレーラーには、液体燃料輸送用やセメント等の粉粒体バルク輸送タイプがあり、形状は多様です。平床式セミトレーラーは木材やコンクリート原料等の建築現場で利用され、平床アオリ付セミトレーラーは木材や建材、金属部品等の輸送に利用されています。また、街中でよく見かける自動車運搬用セミトレーラーは、乗用車の完成車や中古車の運搬に利用されています。

一方、フルトレーラーは荷室を持つトラクター(牽引車)と被牽引車を連結した車両です。フルトレーラーのトラクターは荷室が付いているため、単独でも普通のトラックのように運用できる利点があります。連結時の全長は21メートルまででしたが、2019年1月に規制が緩和され、一部道路区間(東名高速道路等)では、連結時全長25メートルまでのフルトレーラーの走行が可能となりました。これにより、バン型の「ダブル連結トラック」が高速道路を中心に大手物流事業者によって活発に運用されています。フルトレーラーにも、セミトレーラー同様にバン型やコンテナ用フルトレーラー等、様々なタイプがあります。

 

シャーシの利用場所~トレーラー輸送について~

トレーラー輸送の長所は、大量輸送が可能であることに加えて、トラクターをトレーラー(シャーシ)から切り離せる点にあります。これにより、通常のトラック輸送で発生しがちな荷役時間の拘束からドライバーを解放でき、輸送ダイヤの効率化が進むことでドライバーの労働負担軽減や長時間労働の防止につながります。コンテナトレーラーの場合も同様で、コンテナリゼーションによる利便性が加わり、よりフレキシブルな輸送ダイヤの構築が可能です。

例えば、輸入海上コンテナを荷主まで届けた後、コンテナを車両から 下ろし(荷役時間の待機がなく)すぐに別のコンテナを積載し輸送することができます。また、近距離のインランドデポまでのドレージ輸送では、1日に何往復もするシャトル輸送が可能であり、鉄道貨物コンテナの陸送においても同様の輸送効率の向上に期待できるのです。

さらに、中長距離輸送ではスイッチ輸送(中継輸送)が可能である点も利便性があります。東西から来た2台の車両が中間地点であるスイッチポイントでトレーラー(シャーシ)を切り離し、それぞれのトレーラー(シャーシ)を交換しれ東西に戻ることで、ドライバーの日帰り運行が可能です。そして、近年ではトレーラー輸送におけるフェリーやRORO船の利用が加速しています。フェリーの発地でトレーラー(シャーシ)を切り離し、無人で海上輸送し、着地で別のドライバーが荷主まで届けることで、こちらもドライバーの労働負荷低減につながるソリューションとなります。

 

トレーラー輸送の課題(シャーシの利用課題)

トレーラー輸送の課題としてまず挙げられるのが、インフラ整備の遅れです。東京港の国際海上コンテナヤードでは、キャパシティを超えた運用により、道路網やコンテナヤードの拡充等のインフラ整備が追い付いていません。このため、搬入や受け取りに長時間の待ち時間が発生しており、トレーラー輸送が本来持つ利便性を発揮できていないのが現状です。また、高速道路で行われるスイッチ輸送やフルトレーラーの走行にも課題が残ります。スイッチ輸送の中継地点は数が限られており、その運用は一部地域に留まっています。フルトレーラーの走行についても、全国的には一部の区間に限られているのです。

そのため、トレーラー輸送が行われる物流の各ポイントにおいて、今後のさらなるインフラ整備が期待されています。

そして、現在ではトラック車両のICT技術が進化し、管理者はリアルタイムで車両の位置情報等を把握できるため、より効率的な運行管理が可能です。一方で、トレーラー(シャーシ)は一度トラクターから切り離されると、電源供給やGPS等の機能を持てなくなり、ICT技術による管理から外れてしまうという課題があります。これにより、複数のトラクターで多くのトレーラー(シャーシ)を運用する際に、管理者が効率的にダイヤを組みにくくなるという問題が生じます。また、広大なヤードで牽引するトレーラー(シャーシ)を手動で探さなければならないケースや、フェリーやRORO船輸送時のトレーラー(シャーシ)の位置管理を効率化する必要性も課題です。

さらに、トレーラー(シャーシ)は様々なトラクターヘッドの牽引されるため、その利用履歴や走行距離の管理が難しく、適切なメンテナンス時期の把握が困難であるという課題も存在します。

 

まとめ

物流業界ではドライバー不足の顕在化に加え、「働き方改革」や「ホワイト物流推進運動」等、様々な課題解決が求められています。これらの課題を解決するために期待されているのが、「大量輸送」や「中継輸送」「フェリーでの無人輸送」等、多様な輸送手段に対応できるトレーラー輸送の推進です。インフラのさらなる整備やICT技術の導入により効率的に輸送可能なトレーラー輸送は、今後ますます重要になると考えられます。

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