エアーキャップとは?その種類と使用時のポイントを解説
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エアーキャップとは?荷物を衝撃から守る気泡緩衝材
エアーキャップ(気泡緩衝材)とは、「プチプチ」や「エア・バック」とも呼ばれる梱包材の一種で、商品を安心安全に輸送する上で欠かせないアイテムです。
緩衝材の中でも、表面に直径7mm〜32mmほどの気泡がついているモノをエアーキャップと呼びます。エアーキャップは気泡の空気圧によって衝撃を吸収し、クッションのような役割を果たします。そのため、エアーキャップはお客様の大切な荷物を保護するのが特長です。
エアーキャップの主な用途としては、食器や電化製品、CDやDVD等、主に衝撃に弱い荷物を運ぶ際に利用されています。
エアーキャップの粒径ごとの用途の違い
エアーキャップの気泡の粒径はメーカーごとに異なり、7mm〜32mmまで様々な種類があります。中でも最もよく利用されているのが、粒径7mmや粒径10mmのエアーキャップです。
気泡が小さなエアーキャップ(7mmや10mm)は、衝撃吸収性に優れるだけでなく、柔軟性が高くしなやかに折り曲げることができます。そのため、「軽量物の梱包材に利用する」「お菓子の保護剤に利用する」等、幅広い用途で利用が可能です。
一方、粒径20mmや粒径32mmといった気泡が大きいエアーキャップは、箱内の隙間を埋める充填材としての用途に適しています。これにより、商品が輸送中に動くのを防ぎ、安心・安全な梱包を実現します。
エアーキャップの材質ごとの用途の違い
エアーキャップには、主に2層構造・3層構造の2種類があり、それぞれ特長と用途が異なります。一般的な荷物の輸送に利用されるのが、2層構造のエアーキャップです。
2層構造のエアーキャップには裏表があり、表面にのみ気泡がついており、裏面はフラットなフィルムで構成されています。屈曲性が高いため折り曲げて利用でき、様々な形状やサイズの荷物に対応可能です。また、利用時には気泡のある面を外側にするか、内側にするかでも、利便性や内部の保護力を調整できます。
一方、3層構造のエアーキャップは、高い強度を持っているのが特長です。3層構造のエアーキャップは、気泡があるシートを挟み込むような構造をしており、表裏どちらもフラットなフィルムになっています。そのため、表裏を気にせず、繰り返し利用できるのが特長です。また、より高い耐久性が求められる用途の場合にも適しています。
エアーキャップのメリットとデメリットを比較
エアーキャップ(気泡緩衝材)には向き不向きがあります。安心安全に荷物を届けるためには、商品に合った緩衝材を使うことが大切です。
ここでは、ほかの梱包材と比較しつつ、エアーキャップを使うメリット・デメリットを解説します。
エアーキャップの利点は衝撃に強い点
エアーキャップは、内部に空気を含む気泡が表面を覆っている構造のため、非常にクッション性が高く、衝撃に強いのが大きな特長です。
貨物輸送に利用される代表的な緩衝材には、紙の緩衝材、シート状の発泡ポリエチレンを用いたミラーマット、発泡スチロール等があります。エアーキャップは衝撃を吸収する力が特に優れており、小型で壊れやすい割れ物・精密機器の輸送に最適です。そのため、輸送時の安全性を高める梱包材として広く活用されています。
エアーキャップは箱の充填材にも使える
エアーキャップは、商品を保護する緩衝材としてだけでなく、箱の隙間を埋める充填材としても利用できます。特に気泡を両側から挟み込んだ3層構造のエアーキャップは、厚みと強度があるため、充填材や商品のかさ上げ用途に適しています。
一般的に、箱の隙間を埋めるには新聞紙(更紙)や詰め紙が利用されるのが一般的ですが、これと比べてエアーキャップは非常に軽量です。そのため、箱の隙間に詰めても箱全体の重量がほとんど変化しません。
さらに、新聞紙や詰め紙は防水性が低く、食品等を運ぶ際にはあまり適していません。一方、エアーキャップは防水性があり、どのような商品にも対応できるのが特長です。また、発泡スチロール製やコーンスターチ製の「バラ緩衝材」と同様に、箱の隙間を埋めるのに適した最適な選択肢の1つです。
透明性が高く、商品が見える点には注意が必要
エアーキャップは無色透明のポリエチレンシートで作られているため、梱包した商品が外から見えるという点に注意が必要です。中の商品が見えても問題ない商品があれば適していますが、プライバシーや防犯上の理由で商品を隠したい場合には、透明性の低い緩衝材の方が適しているケースもあります。
その場合、着色された発泡スチロール製のミラーマットや、柔軟性がありシート状に加工可能な巻きダンボール等を梱包材に利用するとよいでしょう。これらは中身を隠すだけではなく、緩衝材としての役割も果たします。
エアーキャップは耐衝撃性に優れ、箱の充填材としても利用できる優秀な梱包材です。ただし、お客様の手元へ安心安全に商品を届けるためには、商品の特性や梱包の目的に合わせて最適な梱包材を選ぶことが大切です。
エアーキャップを利用するときの2つのポイント
エアーキャップの多くは、片方の表面に気泡がある2層構造です。エアーキャップを商品梱包に使うときは、平らな面と凸面の使い分けに注意しましょう。
凸面を内側にして梱包したほうがよいケース
エアーキャップの凸面を内側に、平らな面を外側にして梱包した方がよい商品として、例えば次のようなモノがあります。
- 小さな箱に入れるモノ
- 曲面が多いモノや、球体のモノ
- 瓶やガラス製品
小型の電化製品やおもちゃ等、小さな箱に梱包する場合は、凸面を内側にして梱包するのがおすすめです。平らな面を外側にすると、箱詰め時に安定感が増し、効率よく収納できます。
また、曲面が多いモノや球体のモノも、気泡を曲面にしっかりフィットさせるように凸面を内側にして梱包することで、より耐衝撃性が高められます。
同様にして、衝撃に弱い瓶やガラス製品の場合は、曲面に合わせるようにエアーキャップを二重三重に巻き付け、曲面に密着させるように梱包することで、より効果的に衝撃から保護することが可能です。
凸面を外側にして梱包したほうがよいケース
一方、凸面を外側にして梱包した方がよい商品として、例えば次のようなモノがあります。
- 細かい突起があるモノ
- 表面が金属加工されたモノ
- 紙やポスター
コンピューター部品等、表面に細かい突起が多い商品は、エアーキャップの凸面を外側にするのが適切です。凸面を内側にすると、突起物が気泡を破り、クッション性が低下する可能性があります。
また、鏡やメッキ加工品等、表面が金属加工されたモノは、凸面を内側にすると気泡部分の丸い跡が残る可能性があります。同様に、紙やポスターのように表面がデリケートなモノも跡が残ってしまうため、凸面を内側にするのはNGです。エアーキャップの表裏に注意し、凸面を外側・平らな面を内側にして商品梱包を行いましょう。
エアーキャップの強みや特性を理解しよう
エアーキャップはクッション性が高く、衝撃に強い気泡緩衝材です。また、箱の隙間に詰めたり、商品のかさ上げを行ったりと、充填材としても利用できます。
商品梱包にエアーキャップを使うときは、平らな面と凸面の使い分けに注意しましょう。凸面を内側にして梱包するのは、「小さな箱に入れるモノ」「曲面が多いモノや球体のモノ」「瓶やガラス製品」といった商品です。
一方、「細かい突起があるモノ」「表面が金属加工されたモノ」「紙やポスター」といった商品は、凸面を外側にして梱包しましょう。エアーキャップの強みや特性を理解し、商品に合った梱包材を選ぶことが大切です。
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