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チャーター便とは【物流用語】

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チャーター便とは

 

チャーター便とは

チャーター便とは、運送業において特定の車両や飛行機を貸切り、特定の荷主の目的を達成するために利用する輸送形態のことです。例えば、トラックや飛行機を1台丸ごと貸し切り、特定荷主の荷物を指定の目的地まで輸送します。なお、旅客業における「チャーター便」では、飛行機を貸し切り優雅に旅するケースもありますが、物流分野では専ら特定荷主向けの輸送手段として利用されているのです。

本記事では、物流で一般的な交通手段となるトラックを例にご紹介いたします。

まず、チャーター便とは異なり、1台の車両に不特定多数の荷主の荷物を載せて特定地域まで輸送し、その後自宅や指定された場所まで個別に配送をする仕組みを「特別積み合わせ貨物運送(特積み)」と言います。私たちの身近な宅配便は、その特積みに該当するのです。一方、特積みとは異なり、特定の法人や個人の荷物のみを運ぶ専用の輸送方法がチャーター便です。特に、長尺物や重量物等、ほかの荷物と一緒に混載するのが難しい、あるいは混載したくない荷物に適しており、このようなケースでは専用便の「チャーター便」がよく利用されます。

 

チャーター便のメリットとは

チャーター便は、基本的に一社の荷物を専用で輸配送するため、発時間・着時間の設定や輸送ルートを自由に調整することが可能です。発地から着地まで直行で輸送できるため、リードタイムの短縮や指定時間への確実な配送が実現します。このため、配送時間の遅延リスクを最小限に抑えられる点が大きなメリットです。また、輸送する荷物の形状や大きさ、必要な温度や素材に合わせて積み方を最適化することで、破損を防ぐための対策が可能となり、まとまった物量を安全かつ効率的に輸送できます。さらに、梱包材の使用量を抑えられるため、廃棄物が少なく、環境負荷を軽減するエコな輸送方法とも言えます。

チャーター便は、ほかの荷物と混載することが難しい場合に適した輸送手段です。例えば、美術品、工芸品といった高価で壊れやすいモノ、匂いの強いモノ等、特別な取り扱いが必要な荷物に対応できます。また、薬品・肥料・家畜といった特殊な荷物の輸送にもチャーター便を利用することで、安全かつ効率的に輸送が可能です。さらに、冷凍車や冷蔵車等の温度管理が可能な車両を指定することで、食品・医薬品といった温度管理が必要な荷物の輸送にも対応します。大量の荷物を一括で送る場合だけではなく、少量の荷物であってもほかの荷物との接触を避けることで破損するリスクを抑え、高い安全性を確保できる点も大きなメリットです。

 

チャーター便におけるデメリットとは

一方で、チャーター便はトラックやドライバーを貸し切るため、混載便と比べて割高になるケースが一般的です。特に、輸送する荷物の量が少ない場合は、1個あたりの運賃が大幅に上昇することがあります。

また、常温と冷凍・冷蔵の荷物を同時に輸送したい場合は、2台以上のトラックを手配する必要があるため、さらなるコスト増加が避けられません。

コストを抑えたい場合は、混載便との比較を行い、輸送ニーズに応じて最適な選択をすることが重要です。

 

SCORをさらに有効的に進めるために

SCORとは「Supply Chain Operations Reference model」の略で、1996年に米国のコンサルティング会社PRTM等が設立した団体「Supply-Chain Council」によって策定された参照モデルです。SCORは、SCM(サプライチェーンマネジメント)の一般的な手順をプロセスとして定義し、業務の標準化を図るための規範を提供します。

また、SCORはサプライチェーンを以下の6つの主要プロセスに分類しています。

  1. 計画(Plan)
  2. 調達(Source)
  3. 生産(Make)
  4. 納入(Deliver)
  5. 返品(Return)
  6. 業務基盤(Enable)

SCORは、様々な業態・業種のSCM(サプライチェーンマネジメント)で共通言語として機能し、定義されたプロセスを「記号」や「用語」を活用して階層ごとに評価することで、サプライチェーン全体の改善方法を検討することが可能です。また、定量化が難しい各業務の評価や改善に役立つとされています。

 

チャーター便と混載便の違い

チャーター便と混載便の大きな違いは、利用料金と日時指定の自由度にあります。チャーター便はトラック1台を貸し切るため、大量の荷物を一度に送ることができ、時間指定や輸送ルートの調整も柔軟に行うことが可能です。一方、混載便は複数荷主の荷物をまとめて輸送するため、コストを抑えられますが日時指定や輸送ルートの自由度は制限されます。

混載便の課題は、複数の荷物をそれぞれの目的地に輸送するため時間がかかること、荷物の細かい日時指定が難しい点です。また、チャーター便に比べ輸送中の破損リスクが高まり、自分の荷物がほかの荷主の荷物を汚した場合、補償を求められる可能性もあります。

 

チャーター便と混載便を使い分けるコツ

特殊な荷物以外は混載便を利用することで割安となりますが、以下のような要望があるときは、チャーター便を検討してもよいでしょう。

(1)到着時間等の細かい指定をするとき

一般的な混在便を利用する際は、多数の荷物を効率的に輸送することから、それぞれの荷物を具体的にいつまでに運ぶことができるかを約束することは難しいです。荷物の特性上「〇月〇日午前〇時までに到着しないと意味がない」といった細かい要求がある場合は、チャーター便にすることをおすすめします。

(2)特別な条件の荷物を運ぶとき

特殊な輸送条件が求められる荷物の場合、チャーター便でないと対応できないケースがあります。これは、受け取る場所やルートの指定が可能であるためです。また、強い匂いがある荷物や、通常の輸送環境での汚れすら許容できない荷物に対しても、チャーター便なら適切な対応が可能です。

(3)大ロットの荷物を運ぶとき

一度に大量の荷物を輸送するときには、混載便で梱包毎にオーダーして運んでもらうより、チャーター便で一括で送る方が安価になる可能性があります。常に安定した物量で頻繁に送る場合は、特定の車両と契約して運ぶケースもありますが、普段から荷物の運搬を依頼していないにも関わらず急に大ロットの荷物の送付が必要になったとき等はチャーター便の方が良いでしょう。

(4)破損等の輸送リスクを回避したいとき

非常にデリケートな荷物、もしくは万が一にも破損が許されない荷物(非常に高額・貴重な荷物、弁償できない価値のある荷物)を輸送する際には、チャーター便の利用が最適です。美術品や機密に関わる荷物、希少品等、特別な配慮が必要な場合でも、専用の輸送方法を利用することで、安心して輸送を行うことができます。

一方で、コストを最優先する場合は混載便が適しており、輸送条件や荷物の特性に応じて、チャーター便と混載便を使い分けることで、最適な輸送方法の選択が可能です。

 

まとめ

チャーター便にはメリットとデメリットがあり、荷物の特性や輸送の目的を考慮した上で、適切な輸送方法を選択することが重要です。送りたい荷物の性質や条件に応じて、チャーター便と混載便を上手く使い分けることで、効率的かつ安心な輸送を実現できます。

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