求貨求車システムの現状と課題について
Contents

求貨求車システムの現状
求貨求車システムとは、貨物を確保したいトラック事業者と、荷物を確保したい荷主のニーズをマッチングさせるWebシステムです。運送会社にとっては、納品終了後の復路に貨物を確保することで実車率を向上させ、効率的な運行が可能です。一方、荷主は納品を急がない貨物や運賃負担が難しい貨物を、空きトラックや空きスペースを活用することで、輸送費を抑えることができます。
労働基準法第36条の「36協定(サブロク協定)」では、ドライバーに対し、1日8時間・1週間40時間を超える時間外労働や、法定休日に労働させる場合、事前に労使間で書面にて協定を締結することが義務付けられています。
求貨求車システムは、働き方改革に伴う長時間労働の抑制やドライバー不足、積載率の向上に貢献することが期待されているのです。さらに、トラックの実車率や積載効率を向上させることで、温室効果ガスの排出抑制や交通渋滞の緩和といった社会的なメリットも見込まれます。しかしながら、システムの普及・活用にあたっては、解決すべき課題が多いのが現状です。
求貨求車システムの課題
運送会社と荷主の取引が1回限りとなる場合、いくつかの課題が発生します。例えば、「運送費は確実に入金されるのか」「指定した時間・場所に納品してもらえるのか」等の不安が挙げられます。荷主にとっては、委託する物流会社が貨物特有の取り扱いノウハウを持っているかどうかを明確に知りたいところです。
具体的には、消費財の輸送経験しかないドライバーに大きな家具や家電品等を任せても問題ないのか、衣料品や食品を運ぶ際、事前に匂いの強い商品を運んではいなかったかという点が懸念されます。これらの要素が事前に確認されないと、輸送中のトラブル発生につながる可能性があります。
こうした背景のもと、行政や物流団体がオープン型求貨求車システムを開発・運営していますが、成約件数の伸びは限定的です。求貨求車システムは、運送会社・荷主のニーズが合致する点では有用ですが、上記のような課題が解決されない限り、お互いが安心して利用するのは難しいのが現状です。
求貨求車システムの課題解決策
求貨求車システムの課題を解決する1つの方法として、完全なオープン型ではなく、セミ・クローズドなシステムにすれば多くの問題は解決できると考えられます。例えば、取扱商品群を限定し、物流会社ごとの得意分野を明確にすることで、多くの問題を解消できる可能性があるのです。物流会社が自社の強みを活かせるカテゴリーを選択し、荷主も適切なパートナーを見つけやすくなるため、双方にとってメリットのあるWin-Winの関係が構築しやすくなります。
また、何らかのトラブルが発生した場合、システム運営会社が仲介役として調整を行う仕組みを強化することで、利用継続率や成約成功率の向上に期待することも可能です。こうした対策を講じることで、求貨求車システムの信頼性が高まり、物流最適化につながる糸口にもなります。
物流機器・輸送機器のレンタル | upr > お知らせ > 物流 > 求貨求車システムの現状と課題について