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IoTとはなにか?IoT機器の活用事例を交えて説明

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自動運転の車

IoT(Internet of Things))とは?すべてのモノがインターネットにつながる

IoTとは、従来のパソコンやサーバーだけでなく、すべてのモノがインターネットにつながる技術革新のことです。すでに導入が進んでいるIoT機器の具体例として、スマート家電、自動運転車、産業用ロボット等があります。IoT機器は、取り付けたセンサーから情報やデータを集めたり、リモコンで遠くから機械を操作したりするために使われています。そのため、新規ビジネスの創出や、生産性の向上が期待されています。総務省の試算では、2030年までにIoTの導入が進んだ場合、実質GDPを132兆円増加させる効果があとのことです
※出展:総務省「第5節 第4次産業革命の総合分析」

IoT(Internet of Things)とは?どういう意味?

取り付けたセンサーから情報やデータを集めたり、リモコンで遠くから機械を操作したりする技術を、なぜIoT(Internet of Things)と呼ぶのでしょうか。

IoTという言葉を最初に使ったのは、米国のケビン・アシュトン氏だとされています。当時、マサチューセッツ工科大でRFID(無線通信を通じ、同時に複数の個体識別が可能なICタグ)の研究開発を行っていたケビン・アシュトン氏は、様々なモノがICタグで自動認識可能になる世界を構想し、「モノのインターネット(Internet of Things)」という言葉を使いました。

インターネットでつながる「モノ」は、普段使っているPCやスマートフォンのような情報機器だけではありません。総務省はIoTを次のように定義しています
※出展:総務省「平成27年版情報通信白書」

IoTのコンセプトは、自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すというものである。

このように、自動車、家電、ロボット、施設等のモノがインターネットでつながり(Internet of Things)、新たな付加価値を生み出す技術をIoTと呼んでいます。

 

IoTの仕組み

それでは、どのような仕組みによって自動車、家電、ロボット、施設等のモノをインターネットにつなぐことができるのでしょうか。IoTの構成要素として、「モノ」「インターネット」「サーバー」「アプリケーション」「ゲートウェイ」の5つがあります。それぞれの特徴を順に見ていきましょう。

  • モノ
    自動車、家電、ロボット、施設等のモノを指します。厳密には、画像データや温度データを取得するための「センサー(カメラ)」と、ネットワークを通じて遠隔で作業をするための「デバイス」の2種類に分けられます。
  • インターネット
    センサーからデータを集めたり、遠隔でデバイスを操作したりするには、モノをネットワークに接続する必要があります。IoTの場合、モノをネットワークに接続するため、BluetoothやWi-Fi、LPWA(LPWAN)等の無線通信技術が使われることが一般的です。
  • サーバー
    ネットワークを通じ、センサーやデバイスから取得したデータをサーバー(クラウド)に蓄積します。取得したデータ量が通常のデータベースで扱えないほど膨大な場合は「ビッグデータ」と呼ばれます。サーバーによっては、ビッグデータをリアルタイムに分析する機能が備わったものもあります。
  • アプリケーション
    センターやデバイスから集めたデータを見える化し、人間が利活用できるようにするためには専用のアプリケーションが必要です。近年はPCだけでなく、スマートフォンやタブレットで利用可能なアプリケーションも開発されています。
  • ゲートウェイ
    モノをネットワークに接続する方法として、モノ自身に通信モジュールを組み込む方法のほか、ルーターやゲートウェイを活用する方法があります。ゲートウェイを通じてサーバーに接続することで、ネットワークの負荷を調節したり、デバイスの管理を効率化したりすることが可能です。

このようにモノ同士をネットワークで接続し、取得したデータをサーバーに送信してアプリケーション上で可視化することが、IoTの基本的な活用イメージです。スマート農場やスマート工場等、広範囲に複数のデバイス(センサー)を設置する必要がある場合は、IoT用のゲートウェイを導入するのが一般的です。

 

IoTによって実現できる4つのこと

畑の管理

IoT技術を利用することで、次の4つのことが実現可能です。

遠くからモノの状態を知る

IoT機器にセンサーを取り付けることで、その場にいなくても多くの情報やデータを自動で収集することができます。例えば、気温・湿度・気圧等の気象状況や、騒音、放射線量等を観測するセンサーを取り付ければ、屋内外を問わず環境モニタリングが可能です。

IoTの農業分野への応用では、土壌の状態をセンサーでモニタリングし、成分や水分量の管理に役立てる事例があります。身近な例では、児童や高齢者を人感センサーによって検知し、不在時に安心・安全に過ごせているかどうかを確認する「見守りサービス」があります。

遠くからモノを操作する

遠く離れたところにいても、無線通信機能のあるワイアレスタグをとりつけたIoT機器なら、リモコン等で簡単に遠隔操作できます。インターネットとつながったスマート家電が代表例です。例えば、スマートフォンのアプリ等を使い、外出先からお風呂を沸かしたり、ご飯を炊いたりすることができます。IoT機器の導入によって、身近な暮らしがもっと便利に変わります。

遠くからモノの動きを検知する

センサーやカメラを活用すれば、遠く離れた場所からでもモノの動きを検知し、遠隔監視システムを構築できます。

例えば、スマート工場における機械設備の稼働監視にIoTの技術が使われています。ポンプやファン等の機器にセンサーを取り付け、稼働データをリアルタイムに取得すれば、人間の目ではなかなか気づくことのできない異常を早期発見し、予防保全を実現できます。

また、身近な例では自動車に搭載された衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)にも、モノの動きを検知する技術が使われています。自動車の車載システムが先行車や前方の歩行者の動きを検知し、自動でブレーキをかけたり、運転者のブレーキ踏力をアシストしたりすることで、交通事故の被害を未然に防ぐことが可能です。

遠くの人やモノと通信する

IoTを活用すれば、遠くからモノを監視したり、操作したりするだけでなく、遠くの人やモノ同士で通信を行うこともできます。モノ(機械)同士をネットワークで接続し、自動でデータの送受信を行い付加価値を生み出す技術をMtoM(Machine to Machine)と呼ぶこともあります。

IoTを使い、遠くの人やモノと通信する実例として、衣服やバンドのように身に着けて使う「ウェアラブルデバイス」を用いたオンライン診療が挙げられます。患者がウェアラブルデバイスを装着し、血糖・体重・血圧・活動量等のバイタルサインをリアルタイムに医師が把握することで、遠く離れた場所から保健指導を行うことが可能です。例えば、ウェアラブルデバイスを用いた糖尿病治療等、保険適用に至った事例も多々あります。

各種センサーを用い、完全無線化による様々な遠隔監視を可能とし、簡単にIoT(遠隔地にある機器の見える化)を実現する「遠隔監視ソリューション」の詳細はこちらをご覧ください。

 

IoTの活用事例

オンライン診察

日本では、すでにIoTを活用した様々なソリューションが実現しています。ここでは、医療分野・交通分野・物流・農業・製造業の活用事例を紹介します。

医療分野におけるIoT

医療分野では、IoTの「遠くからモノの状態を知る」という特性を利用し、身体の一部に装着するウェアラブルデバイスを用いた健康管理や、在宅患者の看護や見守りなどのオンライン診療への活用が進んでいます。

病院やクリニックでもIoTデバイスの導入が進み、医療現場のデジタル化が実現しつつあります。また、近年注目を集めているのが、保管中や輸送中の医薬品の温度逸脱を防ぐ「GDP(医薬品の適正流通)」です。

GDPを守るには、24時間リアルタイムでの温湿度管理が必要です。そこで、GDP対応のため、当社のIoT遠隔監視システム「みえーるど」を活用した事例があります。

医薬品等の倉庫内温度管理を自動化し、管理品質と作業の安全性を向上したお客様事例はこちらをご覧ください。

交通分野におけるIoT

交通分野でも、IoTの活用によってタクシーや公共交通機関の利便性を向上させる取り組みが行われています。

身近な例の1つが、バス停に貼られたQRコード入りのステッカーです。携帯電話やスマートフォンのバーコードリーダーでQRコードを読み取ると、バスに設置されたGPS(全地球測位システム)のデータを取得でき、バスの現在位置がわかります。バスの遅延や接近情報がわかるため、乗客にとっての利便性が大きく改善しました。

また、同様にGPSをタクシーに搭載することで、空車の位置情報や到着時間の目安を知ることが可能です。2010年代より、タクシー配車アプリの普及が進んでおり、スマートフォンでタクシーの配車を依頼したり、あらかじめ目的地までの道順を伝えたりできるようになりました。

さらに、道路・交通事業者から交通データを取得し、交通量分析や渋滞解消に活用するIoTソリューションも存在します。例えば、高速道路の料金所から車両の通過データを取得し、高速道路の混雑状況を分析したり、混雑緩和施策へ応用したりする事例です。「遠くからモノの状態を知る」というIoTの特性は、交通分野でも活かされつつあります。

物流におけるIoT

トラックと倉庫

物流業界でもデジタルトランスフォーメーションが進み、IoT、AI、ビッグデータ等の最新技術を活用した「ロジスティクス4.0」が実現しつつあります。

例えば、IoTを活用した倉庫作業の自動化・省人化が進んでいます。大手ECサイトの物流倉庫では、インターネットの注文に応じ、ピッキングロボットが棚ごと作業員の近くに移動するKiva Systemsを導入し、ピッキング業務の効率化に成功しました。

また、物流企業にとっての大きな課題が、輸送中の品質管理です。

特に食品物流では、食品安全への関心の高まりから、荷主企業にリアルタイムでの温湿度管理や、輸送状況のエビデンスを求められるケースが増えてきました。さらに、先ほどの医薬品についても、GDPの観点から、輸送中の厳格温度管理が求められます。そこで、当社のIoTソリューション「なんつい」が活躍しています。

輸送中の医薬品の温度・位置情報を自動取得。GDPガイドラインに準拠した品質を担保できる仕組みを構築したお客様事例はこちらをご覧ください。

農業におけるIoT

実は、農業はIoT、AI、ロボット技術等のICT活用が最も進んでいる分野の1つです。農林水産省も、次世代型農業「スマート農業(スマートアグリ)」を推進し、2019年からスマート農業実証プロジェクトを実施する等、普及に向けた取り組みを行っています。

製造業におけるIoT

ドイツが進める製造業改革「インダストリー4.0(第4次産業革命)」等、製造業界でもIoTをはじめとしたテクノロジーの導入が進んでいます。日本の生産工場でも、センサーを活用した稼働監視や予防保全、MES(製造実行システム)の導入による生産ラインの最適化等、スマート工場の実現に向けた取り組みが始まっています。

 

IoTで注目されている新技術

IoTの分野では5GやLPWA等の新技術が注目を集めています。5G・LPWAの特徴や、将来的にできるようになることを解説します。

5G

5G(5th Generation)とは、4GやLTEに次ぐ第5世代移動通信システムのことです。身近な例では、スマートフォンや携帯電話等の持ち運び可能なモバイル機器で利用されており、2025年には携帯電話総販売台数の56%が5Gに対応すると予測されています
※出展:総務省「令和2年版情報通信白書」

5Gの特徴は、「高速・大容量でのデータ送受信」「超低遅延の通信品質」「同時に多数接続可能な安定性」の3点です。これらの特徴から、5GはIoTの分野への応用が期待されています。例えば、5Gの「超低遅延の通信品質」を活かせば、ロボットアーム等を用いた遠隔での精密作業や、自動車の自動運転技術の精度がより高まります。

また、「同時に多数接続可能な安定性」により、これまでよりも多くのセンサーやデバイスを5Gで接続し、大容量のデータをリアルタイムにやりとりできるようになります。5Gの通信網の整備には一定のコストがかかりますが、大規模なスマート工場やインフラ等で、今後5Gを用いたIoTがますます普及していくことが期待されています。

LPWA

LPWA(Low Power Wide Area)とは、LPWAN(Low Power Wide Area Network)とも呼ばれ、IoTへの応用が期待される無線通信技術の一つです。前項で述べた5Gと違い、LPWAはデータの伝送速度が遅い代わりに、非常に小さな消費電力で長時間稼働できる特徴を持った通信規格です。また、これまでIoTの分野で使われてきたBluetoothやWi-Fiと比べ、LPWAなら広域・遠距離での通信を実現できます。LPWAの規格にもよりますが、例えばSigfoxであれば最大50kmまで、ELTRESであれば最大100kmまでの長距離通信が可能です。

 

まとめ

IoT(Internet of Things)は、従来のパソコンやサーバーだけでなく、自動車、家電、ロボットなどのあらゆるモノがインターネットに接続される技術革新です。これにより、センサーを通じてデータを収集し、リモートでデバイスを操作することが可能になります。IoTの導入は、新たなビジネスの創出や生産性の向上に寄与し、2030年までに日本の実質GDPを132兆円増加させる効果があると試算されています。また、この技術はスマート家電や自動運転車、産業用ロボットなど、多岐にわたる分野で応用されています。IoTは、モノ、インターネット、サーバー、アプリケーション、ゲートウェイの5つの要素から構成され、これらが連携することで、遠隔からの監視や操作、データのリアルタイム処理が行われます。

当社では「なんつい」、「みえーるど」、「遠隔監視ソリューション」と、様々なIoTソリューションを展開しています。お困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。

「なんつい」の詳細はこちら

https://www.upr-net.co.jp/nantsui/

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