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パレット積み付けパターン

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パレットに積み付ける作業「パレタイズ」

パレットに荷物を積み付ける作業を「パレタイズ」と言います。パレタイズを機械化している現場も増えていますが、初期費用が高額であることや設置場所が確保できないこと、荷物が機械化に向かないこと等が原因で、手作業でパレタイズを行う現場はまだまだ多いです。

また、中小・零細事業者の場合、どのように積み付けるかは現場任せになっている場合が多く、現場作業者の経験に頼っていることがよくあります。手作業で積み付ける場合、重労働となるため専門の作業者を雇用している現場はありますが、トラックドライバーが積み付け作業を行っている現場も少なくありません。

その場合、運賃と作業費用の分離やトラックドライバーの長時間労働が大きな問題となっています。

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パレット積み付けパターンと輸送中の安定性

パレットへ荷物を積み付ける際には、きれいに積み付けることだけではなく、フォークリフトでの移動時やトラックでの輸送時、倉庫での保管時に荷崩れしない安定性も求められます。

トラックでの輸送中に荷崩れが起きてしまうと、トラックのバランスが崩れ、重大事故につながりかねません。荷崩れさせないようなパレットの積み付けが求められます。

 

荷崩れの原因

荷崩れは、横の力(横揺れ)と縦の力(圧力)の影響によって発生します。特に、フォークリフトでの移動やトラック輸送中には、急ブレーキやカーブによって横方向の力が発生し、荷物が揺れやすくなります。さらに、パレットの最下層に積まれた段ボールには上からの圧力がかかり、潰れた場合は全体のバランスが不安定になり、荷崩れにつながることがあります。

安定したパレタイズを実現するためには、荷物の特性に応じた積み方を選び、横揺れや圧力への対策を徹底することが重要です。

 

パレット積み付けパターンの種類と特徴

パレットに荷物を積み付ける際の並べ方をパレット積み付けパターン(パレットパターン)といいます。

パレット積み付けパターンの種類は多く、それぞれに特徴やメリットがあります。 荷崩れを防ぎ、積載効率の良い積み付けを行うためには、荷物に合ったパターンを選択する必要あります。

ここでは代表的な5つのパレット積み付けパターンとその特徴を紹介していきます。

荷崩れしにくい積み付け方

荷崩れしにくい積み付け方は、以下の3つです。

レンガ積み

レンガ積みとは、1つの段でタテ・ヨコ向きを変えて積む方法です。荷崩れしにくく、すべての荷物が外側から見えるため、検品がしやすい点がメリットです。

スプリット積み

スプリット積みは、形状が異なる荷物をレンガ積みにした際に、隙間(スプリット)ができる積み方です。レンガ積み同様に荷崩れしにくくなります。

ピンホール積み

ピンホール積みは「風車積み」とも呼ばれています。荷物をタテ・ヨコと「風車」のように積み付けていき、2段目は向きを反転させて積み付けていきます。
1段ずつ向きを反転させるため、横向きの力に対する安定性が高まります。2~3個の荷物を組み合わせ、1枚の羽根のように積む方法もピンホール積みの1つです。
ピンホール積みは中央に空気の通り道ができることから、冷蔵倉庫や低温輸送等で荷物を一定温度に保ちたい場合等にも使われます。しかし、中央に隙間ができてしまうことからパレット上の積載率が下がってしまいます。

このように、荷崩れしにくい積み付けをするには、1段目と2段目で配置を変えて、重量を均等に分散させます。しかし、同じ形状の荷物を積み付ける際、弱い部分が潰れてしまい、荷崩れが発生してしまう可能性があるため注意が必要です。

数を多く積み付ける方法

数を多く積み付ける方法は、以下2つの方法があります。

ブロック積み

ブロック積みは「平積み」とも呼ばれています。1段目も2段目もすべて同じ方向に積み付けていく最も簡単な方法です。作業時間は短くなり、荷物が潰れにくいというメリットがあります。一方で、荷物が互いに固定されにくいため、荷崩れしやすいというデメリットがあります。ブロック積みをする場合は、ストレッチフィルムやラッシングベルト等で荷物を固定しましょう。

交互列積み

交互列積みは、1段目と方向を変え2段目を積む方法です。ブロック積みに比べると荷崩れしにくく、積み付けが簡単に行えます。しかし、荷物が正方形の場合は効果がないため注意が必要です。
また、1~3段目あたりまでブロック積みし、その上を交互列積みするという方法もあります。この方法は、ブロック積みと交互列積みのメリットを活かした積み方です。

「○回し○段積み」「○回し○段切り」とは

これらのパレット積み付けパターンに加えて、物流現場では、「○回し○段積み」や「○回し○段切り」といった表現が用いられます。

「○回し」とは、パレット上の1段に配置する荷物の個数を指します。例えば「6回し」であれば1段に6個の荷物を配置します。

「○段積み」は、その配置を何段重ねるかを示し、「5段積み」であれば5段重ねることを意味します。したがって、「6回し5段積み」とは、1段に6個の荷物を配置し、それを5段重ねる、合計30個の荷物を積む方法となります。

一方で、「○段切り」とは、各段ごとに荷物の向きを変えて積む手法を指します。例えば「1段切り」であれば、1段ごとに荷物の向きを90度回転させて積み重ねます。この方法は、荷物同士が互いに噛み合うことで、輸送中の荷崩れを防ぐ効果があります。

このように複数あるパレット積み付けパターンの中から適切な積み方を選ぶことで、輸送効率の向上や安全性の確保につながります。

 

荷崩れを防ぐ積み付けのポイント

パレット積み付け時には、荷物の重心を考慮しながら適切な積み方を選び、フォークリフトでの運搬時やトラック輸送時の安定性を確保することが求められます。荷崩れ対策の基本を徹底することで、物流品質の向上と作業効率の改善を実現できます。

ラップを巻く

パレタイズの際、最後にラップ巻きをすることで、荷物同士がしっかり固定され、輸送時の荷崩れ防止に効果的です。しかし、サイズが異なる荷物を混載するときは、ラップ巻きをしてもラップ内部で崩壊が起きることもあるため注意が必要です。

専用の包装機を活用することで、作業効率の向上や包装の均一化につながります。

参考:ストレッチフィルム包装機(ストレッチ包装機)の詳細はこちら

重いものから積む

同じ種類の荷物を積む際には、同一のパレット積み付けパターンを用いればよいですが、店舗向け出荷等、様々な種類の荷物を1つのパレットに積み込まなければならない場合もあります。バラバラの荷物を混載する場合、重いもの、硬いものを下から順に積んでいきます。軽いもの、柔らかいものを下に積んでしまうと潰れてしまい、バランスが不安定になり全体が崩れてしまいます。

重しになる荷物を最後に乗せる

重いものを下から順に積み、一番上には中くらいに重いものを載せることで重しにすると荷崩れしにくくなります。ラップ巻きをするまでの短い間ですが、風や衝撃等による軽い荷物の落下を防ぐことができます。

オーバーハングに気をつける

パレットへ荷物を積み付けた際、荷物がパレットからはみ出している状態を「オーバーハング」と呼びます。オーバーハングしていると、荷物が破損する可能性や荷崩れする可能性が高くなります。木製パレットへ積み付ける場合、デッキボードの間隔が広いパレットだと、オーバーハングすることがあるため注意が必要です。

適切な現場教育を行う

積み付けを現場任せにするのではなく、適切な教育の実施も欠かせません。特に作業者が初心者の場合、パレット積み付けパターンを知っていても、荷物のサイズが異なると、最適な積み付け方がわからなくなることが多く、荷崩れ事故につながってしまいます。荷主や倉庫業者、運送事業者等の間で、お互いに協力して、最適な積み付け方を検討できる環境を構築することが重要です。

 

まとめ

荷物の「積み付け」は、トラックへの積み込みやリフト作業、倉庫での保管時には欠かせない作業です。それぞれの荷物に適した積み付けが求められます。どれだけ効率的かつ安全に積み付けができるか、様々なパターンを学習し現場で実践しましょう。荷主や運送事業者にとっても「安全」が第一です。その一歩目が、最適な積み付けを行うことと言えるでしょう。

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