CFSとは?CYの違いやLCLの関係も解説【物流用語】
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CFSとは
CFSはContainer Freight Stationの略称です。複数荷主の、コンテナ1本単位に満たない小口貨物を混載(合積み)する施設を指します。小口貨物の集積、保管、蔵置する輸出入貨物の荷捌き場所として活用されます。
CFSはコンテナターミナル近くに位置し、複数荷主の貨物を1本のコンテナに仕上げる、または一本のコンテナから荷主ごとに貨物を仕分ける、といった2つの役割があります。具体的には、CFSで輸出用コンテナへのバンニング(積み込み)や、輸入されたコンテナからデバンニング(取り出し)の作業が行われます。
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CFSとCYの違いとは
CFSとCY(Container Yard)は、どちらもコンテナ物流に関連する施設ですが、それぞれの役割と機能には明確な違いがあります。
CYは、コンテナ単位の貨物の集積、保管を行う施設を指します。コンテナ自体の管理、保管を行う場所で、コンテナの積み下ろしや一時保管を行う場所として活用されます。
CYは港湾やターミナル内、またはその近くに位置します。貨物を積んだコンテナを一時保管し、船積みの準備を行ったり、船から降ろされたコンテナを一時保管し、陸送の準備が行われます。
CFSは主に貨物の積み込みや仕分け、CYはコンテナの保管と管理が主な役割です。
貨物の受け渡しまでの流れ
コンテナ1本分に満たない複数荷主の貨物を混載するため、貨物をまとめるのが後述するレスザンコントロール貨物
- 荷主は船社、NVOCCに予約を行います。
- 予約完了後、船社、NVOCCは、荷主に荷物を搬入するCFSを伝えます。
- 荷主は指定されたCFSに、自社便または他社便で荷物を搬入します。
- CFSでは、荷主から届いた貨物に対して輸出申告を行います。
- CFSで輸出許可が下りた貨物のバンニングを行います。
- バンニング終了後、まとめたコンテナをCYに運びます。
- CYオペレーターにより、船に積み込まれます。
輸入において、CFSの役割は輸出と逆の動きとなります。コンテナ内の貨物をデバンニングして、荷主単位により仕分けます。
- コンテナ船が到着したら、CYオペレーターがCYに貨物を下ろします。
- 荷役港湾業者がCYからCFSまで、コンテナを搬送します。
- CFSで、コンテナ到着後に貨物のデバンニングを行います。
- 荷主ごとに貨物を仕分け、NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)で貨物搬入の処理を行います。
- 通関業者は、予備申告から「本申告」に切り替えて輸入許可を取得します。
- 輸入許可を受けた貨物は、混載便トラック等に詰められて、各地へ配送されます。
CFSと、LCLやFCLの違いとは
CFSは貿易でよく使われる用語ですが、「LCL」という用語も多用されます。この2つは密接な関係があるため、同じ意味だと誤解されているケースがよく見受けられますが、混同しないように注意が必要です。
LCLはLess than Container Loadの略で、コンテナ1本に満たない小口貨物を指します。LCLはCFSに持ち込まれてから、仕向地別に他の貨物と混載され、コンテナ単位に仕立てられ、輸送されていきます。仕向地では同様に、CFSまたはデポにおいて、コンテナからのデバンニングを経て荷渡しされます。
LCLの反対語でコンテナ1本分を満たした貨物をFCL(Full Container Load)と呼びます。運賃は、FCLが1コンテナ単位となりますが、LCLでは重量または体積の大きい方に基づいて計算されます。
LCLとFCLは、輸送形態、輸送する貨物の量や貨物の特性に応じて使い分けられます。精密機器のような、厳格な取り扱いが必要な貨物では、コンテナ1本を借り切るFCLを選択するケースもあります。
LCLのメリットとデメリット
メリット
輸送量(主に少ない貨物)によって運賃が安く、小口貨物を輸送する際にはコストを抑えることができます。
デメリット
LCLは、コンテナ内での段積みが前提です。荷主の要望や、貨物の梱包状態や形状によっては段積みが不可となり、別途割増料がかかります。
また、コンテナでの輸送中、他の貨物に接触して破損するリスクがあります。輸送後、国や港によってCFSがきちんと整備されていないこともあるため、仕分け中の貨物破損や紛失等のリスクもあります。
さらに、時期によって貨物の扱いが変わることもあります。例えば、現地の長期休暇後には貨物がCFSで滞留することがあります。そのようなタイミングでは貨物の扱いが乱暴になり、破損の危険性が高まることがあります。
LCLでは、約3m以上の長尺貨物や、約2.2m以上の背高貨物で約2t以上の重量貨物の場合、別途割増料が加算されることがあります。
FCLのメリットとデメリット
メリット
複数荷主から貨物を集めたり、仕分けする等の必要がないため、税関への輸入申告を早く完了することができ、LCLよりもリードタイムが短くなります。加えて、輸送途中にコンテナを開梱しないため、貨物への損傷リスクが低くなります。
デメリット
貨物の量がある程度必要で、貨物量が確保できなければ割高になってしまいます。また、通関後には、「ドレー」という専用のトラックで、指定される倉庫等にコンテナごと運びます。ドレーの料金は、港から指定場所までのトラック往復料金(ラウンド料金)がかかります。
LCLとFCLの料金比較
LCLの料金体系は体積の大きい方、または重量に基づいて計算されます。どんなに小さい貨物でも1㎥もしくは1tと見なされるため、金属製の貨物の場合はコンパクトでも重量で計算されたり、家具等は体積に応じて計算されることがよくあります。
FCLでは、1コンテナ単位で計算されます。FCLはコンテナ専用のトラック輸送にコストが必要となります。
LCLで輸送するべきか否かは、貨物量のほか、輸入国側で発生する「CFSチャージ」の観点で判断することも重要です。CFSチャージは、貨物をLCL形態で輸送する際、デバン作業等の費用として請求されるものです。目安として1㎥あたり4000円が課金されることが多く、FCLで運んだ方が安くなるケースもあります。
コンテナターミナルでよく使われる用語
CYでよく使われる用語についてご説明します。
ゲート
ターミナルの出入り口です。荷主と船会社との輸送責任の分岐点で、コンテナを搬出入するときはここで必要書類の受け渡し等が行われます。
空コンテナ
バンニング前もしくはデバンニング後で中身が空のコンテナです。空バンとも呼ばれます。
ガントリークレーン(Gantry Crane)
コンテナを本船に積み下しするときに用いる大型のクレーンです。
ストラドルキャリア(Straddle Carrier)
コンテナを両輪の間に抱えて運搬する機器です。CYヤード内でコンテナの移動、トレーラへのコンテナの積み付けを行います。
バース(Berth)
コンテナ船を岸壁に係留する部分です。
マーシャリングヤード(Marshalling Yard)
積み下ろしするコンテナを一時保管するエリアです。
エプロン(Apron)
岸壁とマーシャリングヤードの間に位置し、ガントリークレーンでコンテナの積み下ろしを行います。
ECD(Empty Container Depot)
空コンテナの置き場を指します。
シャーシ
コンテナを載せるトラックの台車です。コンテナ専用トレーラーを指すこともあります。
ドレー(Drayage)
コンテナをトレーラで輸送することです。
EIR(Equipment Interchange Receipt)
コンテナをターミナルに搬出入する際、荷主とオペレーターとの間でコンテナの状態を確認しあう受渡証を指します。
上屋(うわや)
貨物の積み下ろしや一時保管時に利用される屋根つきの場所のことです。
まとめ
CFS(Container Freight Station)は、複数荷主の小口貨物を集積、保管、混載する施設で、輸出入貨物の荷捌き場所として機能します。CFSでは、貨物をコンテナに積み込むバンニングや、コンテナから取り出すデバンニングが行われます。一方、CY(Container Yard)はコンテナ単位の貨物を扱い、コンテナ自体の保管と管理を行います。CFSは小口貨物の積み込み・仕分けを行い、CYはコンテナの保管・管理が主な役割です。CFSとCYの違いを理解することで、適切な輸送方法を選択できます。
少ない貨物を輸出する場合、LCLの方がコスト安となりますが、一方で小口貨物でもFCLの方が安いということがあります。貨物形状や特性等によっては別途割増料金がかかることもあるため、注意が必要です。輸送する物量からコンテナ単位か、それ未満か迷った場合は、前述のCFSチャージを加算して決めたほうが良いでしょう。
さらに、輸送形態で迷ったときは、輸入国側のCFSチャージのほか、貨物の物量、損傷防止、引き取りのリードタイム等も考慮したほうが良いでしょう。
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