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個社から業界の連携へ。家庭紙業界が“共同利用パレット”で切り拓く、持続可能な物流の未来

ドライバー不足や時間外労働規制の強化等の課題は、個社単独での解決が難しかった。そこで競合企業間で協調し、uprと専用パレットを共同開発。荷役時間の短縮とコスト抑制を実現し、持続可能な物流体制の構築につなげた。

社名: 王子ネピア株式会社、カミ商事株式会社、大王製紙株式会社、日本製紙クレシア株式会社

業界: 家庭紙業界

導入前の課題

家庭紙業界の特性と深刻化する物流課題

  • ティッシュ、トイレットペーパーは「軽量で嵩張る」特性のため、積載効率を優先し手積み手下ろしが主流だった。
  • 荷役作業に90~120分を要し、ドライバーの身体的負担とトラックの長時間待機が常態化していた。
  • 手荷役の輸送形態が敬遠され、特に需要期にはトラック確保が困難になっていた。
  • 運送会社による「手積みの仕事の拒否」が増加し、パレット化なしでは輸送自体が困難になる懸念もあった。

課題解決に向けた業界の共通認識と協調体制の構築

  • 各社が対策を検討してきたものの、個社での対応には限界があった。
  • これら課題が競合他社共通の「業界全体の課題」であると認識したことで、家庭紙メーカー4社はユーピーアールを事務局として協力体制を構築し、「家庭紙パレット共同利用研究会」を設立した。

パレット輸送化に伴う課題

  • 従来の標準パレット(11型)では、手積みに比べ積載効率が著しく悪化し、80%以下に低下してしまう。
  • パレット輸送化は手積みに比べ、コスト増となる。

導入後の効果

物流オペレーションの改善

  • 90~120分かかっていた荷役時間が20~30分以内と大幅に短縮できた。
  • 荷役時間の短縮によりバースの回転率向上につながり、結果としてトラックドライバーの待機時間を削減できた。
  • 短縮した時間を輸送時間に配分し、輸送距離の延長や複数箇所積みへの対応が可能になった。
  • 家庭紙の特性に合わせた専用パレットを開発したことで、積載率の低下を最小限に抑えることに成功した。

回収ネットワークの最適化

  • 輸送後、他社が利用するパレットと合わせて事務局(ユーピーアール)がまとめて回収することで、回収効率が向上した。
  • それにより、回収難のボトルネックとコスト面の問題を共同で解消した。

サプライチェーン全体への波及効果

  • 業界全体で取り組むことで、卸売業や小売業等の関係者への説得や協力体制の構築が容易になった。
  • 複数のメーカーが参画することで、入荷・利用・出荷・回収という一連のサイクルが効率化された。
  • 研究会内での情報交換を通じて、先行した会社の情報共有を参考に、各社においてパレット輸送化の重要性の再認識と効率的な物流を実現する意識が高まり、導入スピードの加速につながった。

導入構成


  • 導入商品
  • 1344型プラスチックパレット(片面使用四方差し)

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