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RFIDの導入ステップは?特徴、価格、メリット、問題点まで解説

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RFIDとは?

RFID(Radio Frequency IDentification)とは、無線通信可能なIDタグを活用し、非接触でデータの読み書きを行うシステムのことです。専用のRFIDリーダーや、ICタグに対応したスマホアプリを通じて、タグの「読み取り」「書き込み」「識別」「探索」の4つの作業をこなすことができます。

RFIDの特徴

RFIDの特徴は5つあります。

◯リーダーがタグに接触していなくても読み取れる
◯遮蔽物に覆われたタグをそのまま読み取れる
◯複数のタグを同時にまとめて処理できる
◯遠くのタグや高いところにあるタグも識別できる
◯特定のタグが今どこにあるのか探索できる

従来から使われてきたバーコードと違い、RFIDは遠隔・非接触での読み取りが可能です。データ伝送が可能な距離も長く、段ボール箱の中にあるタグや、手が届かないような高所のタグもリーダーをかざすだけで読み取れます。

複数のタグの情報をまとめて処理できるため、利便性が高いのがRFIDの特徴です。

RFIDを用いる業界

業務効率化を目的として、RFIDはさまざまな業界で活用されています。RFIDを積極的に導入しているのが、小売やアパレルなどの店舗業務です。

複数のタグを同時に識別できるRFIDの特徴を活かし、商品の棚卸やレジ会計を効率化するためにRFIDが導入されています。

また、倉庫や物流センターもRFIDの導入事例が豊富にあります。商品のタグが段ボールなどの梱包に覆われ、フォークリフトを用いた高所作業が多い倉庫では、入出荷の際の検品や在庫管理にRFIDが活躍しています。

 

RFIDの導入ステップ

ステップ1:事前準備

①現状業務分析
まずはRFIDの導入が本当に必要かどうか、事前に検証する必要があります。自社の業務や生産工程の棚卸しを行い、「どんな企業課題が生じているか」「RFIDの導入が問題解決につながるか」を分析しましょう。

②現場課題を定量的に分析
自社の課題はなるべく定量的に分析することが大切です。「検品・ピッキングに時間がかかる」「バーコードの読み取り精度が低い」など、現状の課題を放置した際の損失を金額で試算してみましょう。

RFIDを導入した際のメリットや費用対効果を具体的に見積もることができます。

③RFID機器選定と動作検証
RFIDの動作は、機器の種類や設置場所などの環境要因に大きな影響を受けます。RFIDの導入には一定のコストがかかります。RFIDを安定して稼働させるためには、以下の3点を考慮し、慎重に機器選定や動作検証を行うことが大切です。

◯RFIDを設置する場所の環境や通信状態をチェックする
◯ICタグの種類や性能をチェックする
◯リーダーやアンテナなどの周辺機器の性能をチェックする

それぞれの点に関して、具体的にチェックする必要がある項目を紹介していきます。

RFIDを設置する場所の環境や通信状態をチェックする

RFIDタグは電波を通じてデータの読み書きを行います。そのため、設置場所の環境条件や通信状態のほか、電波法に相当する法律にも留意することが大切です。RFIDの設置場所に関するチェックポイントは以下の通りです。

◯RFIDを利用する国・地域の法で、RFIDなどの電波による個体識別が禁止されていないか(または、許可申請や免許登録などの手続きが必要でないか)
◯設置場所の現場作業で、タグを何枚まで同時に読み取る必要があるか
◯タグの読み取りにかかる時間はどの程度まで許容できるか
◯タグとリーダー/ライター間の通信距離はどの程度離れているか
◯RFIDタグに充電する場所が付近にあるか
◯RFIDタグの通信を阻害する水分や金属商品などが付近に存在しないか
◯設置場所の周辺に「精密機器・医療機器」「他のRFID機器」「同一周波数帯を使用する機器」はないか(または、RFIDの設置によって周辺環境に悪影響を及ぼさないか)

ICタグの種類や性能をチェックする

次に、RFIDの設置場所に合わせてICタグの種類や性能を選びましょう。ICタグを比較するポイントは、「バッテリーの有無」「周波数帯」「耐環境性」の3つです。

・バッテリーの有無で選ぶ
RFIDタグには、RFIDリーダーとの通信中に充電可能なパッシブタグと、バッテリーの充電が必要なアクティブタグ、両者の特徴を併せ持ったセミパッシブタグ(セミアクティブタグ)の3種類があります。
設置場所の周辺にバッテリーを充電する場所があるかどうかに基づいて、ICタグの種類を選びましょう。

・周波数帯で選ぶ
RFIDの周波数帯によっては、周辺の精密機器などに悪影響を及ぼしたり、他のシステムに干渉してうまく動作しなかったりする可能性があります。
ICタグのなかでも、UHFタグは300MHz~3GHzの極超短波に対応し、基本的に920MHzの周波数帯を使用するタグです。
一方、交通系ICカードなどに使われるNFCタグは、13.56MHzの高周波に対応しています。UHFタグは最大10メートル、NFCタグは最大10センチメートルと通信可能な距離も変わってくるため、設置場所の条件に合わせて選びましょう。

・耐環境性で選ぶ
汎用的なRFIDタグは、付近に水分や金属商品があるとうまく読み取りができません。
しかし、ファインセラミックス素材を使用し、水分や化学薬品、高温などに強い「セラミックスタグ」や、金属面への取り付けが可能な「金属対応タグ」など、特殊加工を施したICタグも存在します。
設置する場所の環境に応じ、ICタグの種類を選ぶことが大切です。

リーダーやアンテナなどの周辺機器の性能をチェックする

最後にRFIDリーダーやアンテナなどの周辺機器の性能を比較検討しましょう。とくに重要なのが、「どの種類のリーダーを導入するか」という点です。

製品ごとに耐環境性や電波出力が異なるだけでなく、リーダーの種類によって作業効率や使い勝手が大きく変わります。

個人利用しやすく持ち運びが可能なハンディ/モバイルタイプ、卓上や天井などに設置する固定タイプ、スマートフォンなどのモバイル端末を装着して使うセパレートタイプなど、設置環境に合わせてRFIDリーダーの種類を選びましょう。

④費用対効果の評価
RFIDタグやリーダー・アンテナなどの周辺機器の選定が終わったら、費用対効果の評価に移りましょう。

RFIDの導入費用は、システム設計や機器購入などの初期費用だけでなく、システムの保守契約や消耗品費などの維持管理費用も考慮する必要があります。まずはRFIDシステムの構築・運用にかかる費用を試算しましょう。

次に「現場課題を定量的に分析」のプロセスで行ったように、RFIDの導入によって課題を解決した結果、どの程度の損失・コストを解消できそうかを見積もります。

RFIDの導入費用と改善効果を比較することで、費用対効果を評価することが可能です。

ステップ2:システム設計・構築・テスト

ここまではRFIDを導入するための事前検討のステップです。RFIDの運用で失敗しないためには、「システム設計・構築・テスト」のステップで想定される障害を確実に取り除き、システムを最適化する必要があります。

◯実際に使用するRFIDタグや周辺機器が現場で動作するか
◯電波障害や電波干渉などが発生していないか
◯ICタグやアンテナが想定通りの条件で設置可能か
◯構築したシステム内容が電波法などの現地法に違反していないか

とくに重要なのが、RFIDの読み取り試験です。システム設計の段階では目立った問題がなくても、いざ設置してみると思わぬ障害が発生することも珍しくありません。

設置場所の水分や金属、周辺の電波干渉、複数台のリーダーを同時に運用した場合の誤動作など、RFIDの障害の原因は数多くあります。

実際の設置場所にRFID機器を設置し、検証試験と改善を繰り返しましょう。読み取り試験の実施が難しい場合は、システム設計からテストまでの工程を外部パートナーに依頼する方法もあります。

ステップ3:試験導入

「システム設計・構築・テスト」の手順の検証結果に基づいて、RFIDの試験導入を行います。期待した導入効果が得られているかどうか、前のステップで発生した課題が解決できているかどうかを検証し、効果測定を実施しましょう。

ステップ4:本格導入

試験導入のステップで問題がなければ、いよいよRFIDの本格導入です。いきなり全ての業務領域でRFIDを利用するのではなく、スモールスタートで段階的に導入しましょう。

 

RFID導入のメリットについて

RFIDタグ

RFIDを導入すれば、小売店舗の会計レジや倉庫内の在庫管理などを効率化できます。RFIDを導入するメリットを解説します。

会計レジを効率化できる

RFIDという技術が登場したことで、会計レジにかかる手間が大きく減少しました。バーコードがベースとなった従来の会計レジの場合、バーコードリーダーを一つひとつ商品にかざし、タグをスキャンする必要がありました。

RFIDは複数のタグを非接触で識別できるため、リーダーをかざすだけで効率的に商品価格を読み取れます。会計にかかる手間を削減し、お客様の待ち時間を減らすことが可能です。

また、RFIDを活用したセルフレジを導入すれば、会計レジのスタッフを別の業務に回し、人件費を削減することもできます。

在庫管理作業を効率化できる

RFIDタグを用いて在庫管理を行えば、検品の際に段ボールなどの梱包を開封する必要がありません。梱包したまま商品のタグを読み取ることができるため、在庫管理作業を効率化できます。また、背の高いラックに保管した商品も、ハシゴや脚立を使わずに検品することが可能です。

 

RFID導入における問題点

一方、RFIDの導入にはコストや通信の安定性などの問題があります。RFIDを導入する際の課題を紹介します。

コスト

RFIDの導入にはICタグのほかにも、リーダーなどの読み取り機器、情報処理用のソフトウェアやアプリケーションなどの購入費用がかかります。

施工が必要な場合は、施工費や出張費などのコストが発生する可能性もあります。しかし、RFIDタグ自体の価格は年々下がっているため、システム設計によっては比較的安価にRFIDを導入することが可能です。

金属商品においては通信に影響が起こる

RFIDタグは電波を用いて通信するため、金属商品との相性が悪く、ICタグの読み取りに障害が発生する恐れがあります。金属商品が近くにある場所でタグを読み取る場合は、金属対応の特殊なRFIDタグを導入しましょう。

タグ同士が重なると情報読み込みに時間がかかる

そのほか、RFIDタグ同士が重なっている場合、リーダーにうまく反応しない可能性があります。RFIDのメリットだけでなく、デメリットも考慮して導入するかどうか検討しましょう。

 

まとめ

RFIDは無線通信を通じ、複数のICタグを非接触で読み取り可能なシステムです。従来のバーコードと比較して利便性が高いことから、小売やアパレル、物流など、さまざまな業界で普及しつつあります。

RFIDの運用に失敗しないためには、導入段階で現状分析や機器選定に時間をかけ、しっかり準備する必要があります。RFIDのメリットだけでなく、導入費用の高さや金属製品との相性の悪さなどのデメリットも理解することが大切です。


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