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工場の温度・湿度管理の必要性と5つのポイント

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温度と湿度チェック

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温度管理は工場で働く労働者にも必要!「労働安全衛生規則」を遵守しよう

食品工場などの温度管理は、製品や原材料の品質保持だけでなく、工場で働く労働者の安全衛生の観点からも非常に重要です。「労働安全衛生規則」の第606条では、主に製造業の従事者を対象として、事業者に温湿度管理を行う義務を定めています。

第606条
事業者は、暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、有害のおそれがあるものについては、冷房、暖房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない。
[注1]

また、第607条において、「半月以内ごとに一回」を目安として、定期的に温度・湿度を測定することを義務付けています。

極端な暑熱環境や寒冷環境下での作業は、労働者にとって重大な健康リスクがあります。とくに食品工場では、オーブンや厨房機器などの熱源や、全身を覆うクリーンウェアが夏場の熱中症の要因となったり、冷蔵庫・冷凍庫での長時間の作業が労働者の健康を残ったりするリスクがあります。食品をはじめとした製品・原材料の品質管理の観点だけでなく、労働者が安心安全に働ける作業環境づくりのため、工場内部の温度・湿度管理を徹底することが大切です。


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工場における温度・湿度管理の5つのポイント

それでは、工場における湿度・温度管理をどのように実施すればよいのでしょうか。工場内の温湿度は、取り扱う製品・原材料や作業環境の特性に合わせて、きめ細かく調整する必要があります。ここでは、「食品工場」「クリーンルーム」「電子機器や精密機器がある場所」「産業用機器や加工機械がある場所」「サーバールーム」の5つの場合に分け、工場内の温湿度管理のポイントを解説していきます。

「食品を扱う場所」では食品の保管温度に合わせた温湿度管理を

食品工場など、食品の搬入・保管・加工を行う場所では、厳格な温湿度管理が求められます。温度や湿度が高くなりすぎると、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、カンピロバクターなどの食中毒菌が増殖し、食品事故につながる恐れがあります。令和3年6月より、国際的な衛生管理基準である「HACCP(ハサップ)」がすべての食品等事業者に適応されるため、早急な温度管理の仕組みづくりが必要です。

なお、食品の保管に適した温度・湿度は、食品によって異なります。たとえば、同じ鶏卵でも、「乾燥卵」は室温保存が可能ですが、加工卵の「液卵」は8℃以下、「凍結卵」は-18℃以下での管理が必要です。厚生労働省がまとめた「大量調理施設衛生管理マニュアル」に従い、きめ細やかな温湿度管理を実施しましょう。[注2]

「クリーンルーム」では外気が遮断されるため温度・湿度が上がりやすい

食品工場によっては、細菌や微生物の混入を防ぐため、「バイオクリーンルーム」が設置されているケースがあります。また、食品工場のほかにも半導体工場や液晶メーカーなどでは、空気中のホコリを除去するために「工業用クリーンルーム」が設置されています。いずれの場合も、空気中のホコリや浮遊微生物をカットするため、クリーンルーム内部は外気が遮断されます。

温度や湿度が上がりやすい状態になっているため、クリーンルーム用のエアコンを設置するなどして、空調管理を実施することが大切です。クリーンルームを設置する用途にもよりますが、労働者の安全衛生の観点からすると、室温はおよそ23℃、湿度は55%前後に保つのが一般的です。

「電子機器や精密機器がある場所」はサビ・破損に注意しよう

ベルトコンベアー

製造業の生産ラインなど、電子機器や精密機器がある場所では、機械の故障やサビつきを防ぐために温湿度管理が求められます。とくに注意が必要なのが、静電気の発生による電子回路の破損です。

工場内部の湿度が40%を超えると、静電気が発生しやすくなるため、厳格な湿度管理を実施しましょう。また、工場内の湿度が高すぎると、空気中の水が冷却されて結露が発生し、結露水によるサビ(大気腐食)が発生する恐れがあります。大気腐食を防ぐためには、工場内の湿度を50%以下にキープするのが理想的です。生産ラインで作業する労働者の健康管理もふくめて、湿度は40%から50%、室温は18℃~26℃程度に維持しましょう。

「産業用機器・加工機械がある場所」は熱暴走や労働者の安全確保が必要

産業用機器・加工機械がある場所では、工場全体の空調管理に加えて、個別の温湿度管理が必要です。金属加工用の切削加工機など、機械によっては熱の発生源となるものがあります。適切な温度管理を行わず、機械周辺が高温状態になると、機械部品やモーターが熱暴走を起こし、誤作動の原因となる恐れがあります。機械の種類や工場の設備条件に合わせて、機械周辺の空調設備の強化や、冷却塔(クーリングタワー)をはじめとした冷却システムなどの導入が必要です。

また、産業用機械・加工機械などの熱源からは、強力な輻射熱が発生するため、周囲で働く労働者の熱中症対策が求められます。厚生労働省が取りまとめた「職場における熱中症による死傷災害の発生条件」によると、平成26年度から30年度まで(2014年~2018年)の熱中症の死傷者数3,071人のうち、およそ20%にあたる601人が製造業に関連して発生しています。[注3]産業用機械・加工機械がある場所では、熱源への遮蔽物の設置、大型扇風機やスポットクーラーの導入など、周辺の温湿度を下げる工夫が必要です。作業場所の温湿度は、すくなくとも半月に1回計測を行い、労働者が安全に働ける作業環境かどうかを定期的にチェックしましょう。

「サーバールーム」ではサーバーの熱暴走・熱障害対策を

意外な盲点となるのが、業務システムやIoTシステムに使うサーバー機器を設置する「サーバールーム」です。サーバールームでは、サーバーの熱暴走・熱障害対策の一環として温度管理が求められます。サーバーの半導体や電子部品は熱に弱く、周辺温度の上昇にともない故障率も増大します。万が一、サーバー機器の故障やシステムダウンが発生すると、工場全体が機能停止し、多額の損失が生じる恐れがあります。

サーバールーム内の温度を一定に保つため、空調システムのほか、サーバー機器を設置するサーバーラックに冷却装置を設置しましょう。また、サーバー機器のサビ防止のため、湿度も40~50%前後に保つ必要があります。

[注1]中央労働災害防止協会:労働安全衛生規則 第三編 第五章 温度及び湿度(第六百六条-第六百十二条)
[注2]厚生労働省:大量調理施設衛生管理マニュアル[pdf]
[注3]厚生労働省:平成30年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)[pdf]


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