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物流の効率化に対する取り組みについて解説!業界全体での取り組みや自社でできる方法も紹介

物流の効率化に対する取り組みについて解説!
業界全体での取り組みや自社でできる方法も紹介

物流の効率化に対する取り組みについて解説!業界全体での取り組みや自社でできる方法も紹介

 

物流の効率化が叫ばれる理由

近年、物流業界では業務効率化の必要性が叫ばれています。物流業界は深刻な人手不足に苦しむ一方で、EC市場の成長により、配達量が急増するという悪循環に苦しんでいます。

また、個人向けの配送が増加した結果、トラックの積載率が減少したことも現場の負担増につながっています。今、「物流の効率化」が叫ばれる理由を3つ紹介します。

ドライバーが高齢化し、人手が足りない

物流業界は人手不足に苦しむ業界の1つです。とくに輸配送を担うトラックドライバーの高齢化が進んでおり、現場の人手が足りなくなっています。

国土交通省が令和2年7月に取りまとめた資料を見てみましょう。[注1]トラックドライバーの年齢構成を見ると、29歳以下の若年層の割合が非常に少なく、普通・小型では20.8%、大型ではわずか3.8%の割合となっています。

一方、50歳以上の割合は普通・小型では42.8%、大型では34.7%と全産業の平均よりもやや多く、このまま少子高齢化が進行した場合は将来的な人材難が予想されます。トラックドライバーの高齢化に対応し、少ない人員で物流を支えるためには、物流業務の抜本的な業務改革に取り組む必要があります。

配達件数が増加している

人手不足が深刻化する一方で、物流業界の配達件数は増加傾向にあります。貨物輸送量は国内貨物・国際貨物ともに横ばいか減少傾向にあるものの、貨物の小口化が進んでいるため、物流件数は増加しています。1990年度の物流件数のうち、貨物量が0.1トン未満のものの割合は55.6%でしたが、2010年には75.1%に増加しました。[注1]

このように配達件数が増加し、現場のトラックドライバーの負担が大きくなっている理由として、EC市場の急成長が挙げられます。コロナ禍の今、ネット通販やネットショッピングがすっかりライフスタイルとして定着しました。個人向けの小口配送が急増し、多頻度少量輸送が定着した結果、物流センターの機能がパンクするケースも少なくありません。

配送が間に合わず、長時間労働や休日労働を強いられるトラックドライバーも増えています。

積載率が減少し、再配達が増加している

多頻度少量輸送が増加したことにより、トラックの積載率にも悪影響が出ています。

国土交通省の調べによると、2018年の営業用トラックの積載率は40%を下回り、過去最低の水準となりました。[注1]トラックの積載率が低下すれば、物流コストが上昇し、長期的にはトラックドライバーの労働環境にもしわ寄せが生じます。また、再配達が増加していることも、トラックドライバーの負担増に直接つながっています。

国土交通省によると、2019年10月の配達件数2,295,395件のうち、再配達を要したものは15.0%でした。[注1]トラックドライバーの高齢化が進むなかで、いかに再配達の件数を減らし、効率的に輸配送をおこなうかが物流業界の大きな課題となっています。

 

物流業界に求められている変化

デジタルと物流
こうした危機に対処するため、物流業界は大きな変化を求められています。物流業務を抜本的に改革し、新たなビジネスモデルを生み出していくために大切なのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

また、業務効率化に取り組みながらも、トラック輸送がもたらす環境への影響に配慮し、企業の社会的責任(CSR)を果たすためにSDGsの実現を目指す姿勢が求められます。

DX

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、データやデジタル技術を活用し、ビジネスモデルを変革して企業競争力を高める取り組みを指す言葉です。経済産業省は「DX推進指標」のなかで、DXを次のように定義しています。[注2]

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

これを物流業界に置き換えれば、先端技術を活用して物流業務のあり方を変革し、人手不足や積載率の低下、再配達の増加などの課題を解決する取り組みが「物流DX」に当たります。国土交通省は「総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)」のなかで、「物流DX」を次のように定義しています。[注3]

機械化やデジタル化を通じて既存のオペレーションを改善し、働き方の改革につなげることにより、経験やスキルの有無だけには頼らない、ムリ・ムラ・ムダがなく円滑に流れる物流、すなわち「簡素で滑らかな物流」の実現を目指す。また、物流の機械化・デジタル化は、輸送情報やコストなどを「見える化」することを通じて、荷主等の提示する条件に従うだけの非効率な物流を改善するとともに、物流システムを規格化することにより収益力・競争力の向上が図られるなど、物流産業のビジネスモデルそのものを革新させていくものである。こうした取組によりこれまでの物流のあり方を変革する取組を「物流DX」と総称する。

環境への配慮

2015年9月の国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が全会一致で策定され、世間の物流業界に対する目も変化しました。とくに物流業界では、トラック輸送が生み出す温室効果ガスの影響を考慮し、地球環境への配慮が強く求められるようになりました。

気候変動に大きな影響を与える二酸化炭素(CO2)の排出量を部門別に見ると、運輸部門の排出量は産業部門に次ぐ20%(2億600万トン)を占めています。さらに運輸部門のCO2排出量のうち、貨物輸送が占める割合は41%(8,4000万トン)です。[注4]

このように物流業界は気候変動に少なからず影響を及ぼしており、SDGsを実現するうえで大きな役割を果たすことが求められます。今後は物流事業者もCO2排出量の削減や脱炭素化の実現に向けて、企業の社会的責任(CSR)を果たすことが大切です。

 

国が推奨する物流の効率化について

こうした物流業界の現状を見て、国土交通省は「物流の効率化」に向けた様々な提案をおこなっています。たとえば、2021年度に実施した「モーダルシフト等推進事業」がその一例です。ここでは、国が推奨する物流の効率化のアイデアを紹介します。

モーダルシフト

モーダルシフトとは、トラックでの輸配送の一部を船舶や鉄道に代替する取り組みを指す言葉です。国土交通省はモーダルシフトを推進する狙いとして、以下のように述べています。[注5]

モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます。現在では、環境負荷の低減は多くの企業で社会的責任(CSR)と位置付けて、商品の生産から廃棄にいたる全ての場面で取り組まれていますが、その中で輸送(物流)における環境負荷の低減にはモーダルシフトや輸配送の共同化、輸送網の集約等の物流効率化が有効です。その中でも、特にモーダルシフトは環境負荷の低減効果が大きい取り組みです。

モーダルシフトの利点は、トラック輸送の振替によってドライバーの負担を軽減しながら、輸送中に発生するCO2排出量を減らせる点にあります。

物流業界全体の課題である人手不足と、SDGsの実現に欠かせないCO2排出量の削減を同時に実現できるのがモーダルシフトの強みです。

共同配送

国土交通省が実施する「モーダルシフト等推進事業」は、モーダルシフトだけでなく、「共同配送」を実施する物流事業者への補助金を支給しています。

共同配送とは、物流事業者同士で協力し、トラックや物流センターを共同で利用する取り組みのことです。たとえば、2社の物流事業者が倉庫を共有すれば、配送先が同じ商品を1台のトラックで輸送することができます。トラックドライバーの人手不足に対応できるだけでなく、トラックの運行数を減らすことで、積載率を向上させられるのが共同配送の強みです。

国土交通省の令和3年度の支援制度では、共同配送を実施した場合、上限200万円までの補助金を受けられます。[注6]

輸送網の集約化

輸送網の集約化とは、これまでの輸送ルートを見直し、貨物を1つの物流拠点に集約する「幹線輸送」を実現する取り組みを指します。幹線輸送を実現すれば、トラックの走行台数を減らせるため、以前よりも少ない人員で輸配送をおこなうことができます。また、トラック輸送の過程で生じるCO2の排出量削減にもつながります。

モーダルシフトや共同配送と同様に、輸送網の集約化(幹線輸送の集約化)も国土交通省の支援事業の対象となっています。輸送網の集約化に取り組んだ場合、上限200万円までの補助金に加えて、上限500万円までの運行経費補助を受けることができます。

 

物流業界で取り組んでいること

トラックの走行
こうした国の動きに呼応して、物流業界でも様々な取り組みがおこなわれています。

たとえば、AIやドローンなどの先端技術を活用し、新たなビジネスモデルを生み出そうとしている物流事業者も存在します。また、再配達の件数を減らすため、宅配ボックスを導入する動きが広がっています。

AIの導入

近年、物流業界では人工知能(AI)の導入が進んでいます。これまで目視や手荷役でおこなっていた作業の一部をAIで代替すれば、物流業界を悩ませる人手不足の問題や、従業員の長時間労働の慢性化などの問題を解消することができます。物流業界におけるAIの活用事例として、たとえば次のようなものがあります。

  • トラックの隊列走行を実現し、トラックドライバーの負担を減らす
  • 配送ルートを自動で作成し、配車管理を効率化する
  • カメラやセンサを搭載し、トラックドライバーの危険運転を予防する
  • 画像認識技術を活用し、検品や棚卸業務を自動化する
  • 配達時間が近づくと顧客にお知らせするシステムを導入し、再配達の件数を減らす
  • 商品の需要予測をAIでおこない、倉庫内作業の人員配置を最適化する

ドローンの実用化

物流業界では、先端技術を駆使して無人配達を実現できないか模索する動きが広がっています。

無人配達のなかでも、実用化の目処が立ちつつあるのが「ドローン配達」です。ドローン配達とは、小型の無人航空機(ドローン)を活用し、荷物を空から運ぶ新たなビジネスモデルを指します。国土交通省も2021年に「過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」を実施し、山間部などの過疎地域を中心として、ドローン配達の実証実験をおこないました。ドローン配達を導入するメリットは、輸配送の省力化・省人化を実現できる点にあります。

また、モーダルシフトと同様に、トラック輸送を環境負荷の低いドローンで代替することで、温室効果ガスの排出量削減も期待できます。

宅配ボックスの設置

物流事業者の頭を悩ませているのが、個人向け小口配送における再配達の問題です。

EC市場の急拡大にともなって再配達の件数も増加傾向にあります。そこで、物流業界では宅配ボックスの普及を目指す取り組みが広がっています。宅配ボックスを設置すれば、顧客が不在でも荷物の受け取りが可能になるため、再配達の件数を大きく減らすことができます。

ただし、宅配ボックスは導入コストが高いため、一般家庭への普及はまだまだ進んでいません。そこで、宅配ボックスを設置し、再配達を依頼しなかった場合のインセンティブを設けるなど、宅配ボックスの普及促進に取り組む物流事業者も存在します。このように物流業界では、人手不足や再配達の増加、積載率の低下などの課題解決のため、さまざまな取組をおこなっています。

 

自社で取り組める効率化の方法

パレットの整理
それでは、「物流の効率化」を実現するため、まずどのようなことから取り組めばよいのでしょうか。まずは倉庫内作業の見直しなど、できるところから業務効率化に取り組むことが大切です。スモールスタートで実現可能な業務効率化の方法を紹介します。

現場作業の見直し

業務効率化の第一歩は倉庫内作業の見直しです。入出庫管理やピッキング、検品、棚卸業務、仕分け、梱包などの倉庫内作業は作業工程が多く、業務効率化の効果が期待できます。

とくに人手不足のため、トラックドライバーが倉庫内作業も兼任している物流倉庫の場合は、現場作業の進め方を改善できないか検討してみましょう。まずは倉庫内の整理整頓を実施し、棚やパレット、梱包材などの備品の置き場所を見直すことが大切です。

また、作業者がバラバラのやり方で作業をしている場合は、手順書やマニュアルを作成し、倉庫内作業の標準化に取り組む必要があります。

動線管理の最適化

続いて、倉庫内の動線を最適化しましょう。倉庫内を移動する距離が長くなればなるほど業務効率が低下します。入荷から出荷までの各業務をおこなううえで、倉庫内を一筆書きのように移動する倉庫レイアウトが理想的です。

また、入出荷が多い商品があれば、倉庫の出入り口の付近など、作業しやすい場所に棚を配置しましょう。在庫商品のABC分析を実施すれば、流動性の高い商品を見つけやすくなります。

  出荷頻度 配置場所
Aグループ 流動性が高い 作業しやすい場所に置く
Bグループ 流動性が平均的 両者の中間の場所に置く
Cグループ 流動性が低い 保管しやすい場所に置く

ITの活用

業務効率化を実現するなら、ITシステムの活用がおすすめです。倉庫内作業の効率化につながるITシステムには、商品の在庫データをシステム上で一元管理できる在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)、マテハン設備を効率的に制御可能な倉庫制御システム(WCS)、商品のロケーションを可視化できるロケーション管理システムなどが挙げられます。

倉庫内作業の課題を洗い出し、自社に合ったITシステムを導入することが大切です。また、トラックの輸送ルートを最適化したい場合は、輸配送管理システム(TMS)を導入する方法もあります。

 

ユーピーアールの温湿度管理付き追跡ソリューション「なんつい」

物流業務の「見える化」と「効率化」を同時に実現できるのが、ユーピーアールの提供する温湿度管理付き追跡ソリューション「なんつい」です。なんついはIoTを活用し、あらゆるモノの温度・湿度・位置情報などをリアルタイムに追跡できるシステムです。

たとえば、トラックになんつい端末を設置すれば、配送ルートの分析や運行管理の見える化が可能です。また、近年は商品を安心安全に輸送するため、HACCPに沿った衛生管理や医薬品の適正流通(GDP)を遵守する必要があります。

なんついを導入すれば、輸送中の貨物の温度を遠隔監視し、トラックドライバーの負担を軽減することが可能です。なんついはシステム構築なしに運用できるため、既存の設備をそのまま利用できるのも事業者側のメリットです。物流の「見える化」「効率化」に向けたITソリューションをお探しの場合は、ぜひなんついをご利用ください。

なんついはこちら

 

まとめ

物流業界は慢性的な人手不足や配達件数の増加、トラックの積載率の低下など、様々な課題を抱えています。こうした物流業界の課題を解決するには、AIやIoT、ドローンなどの先端技術を取り入れ、物流業務のオペレーションを抜本的に変革する必要があります。

同時に、モーダルシフトや輸送網の集約化に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて環境負荷を減らすことも大切です。「物流の効率化」のポイントや取り組み事例について知り、できるところから業務効率化を実現しましょう。

[注1]国土交通省:物流を取り巻く動向について[pdf]
[注2]経済産業省:「DX 推進指標」とそのガイダンス[pdf]
[注3]経済産業省:総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)[pdf]
[注4]環境省:2019年度(令和元年度) 温室効果ガス排出量(確報値)について[pdf]
[注5]国土交通省:モーダルシフトとは
[注6]国土交通省:最近の物流政策について[pdf]

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