ガスボンベの残量確認方法とは?ガスボンベの種類・欠品防止・コスト削減方法も解説!
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☑このページで紹介している内容はIoTの活用案です。
ガスボンベの残量を把握することの重要性
ガスボンベの充填配送を効率的におこなうためには、ガスボンベの消費量に基づき、あらかじめ配送計画を立てることが大切です。ガスボンベの残量を正確に把握することで、効率的な充填配送計画を立て、巡回効率を改善できます。
また、急なガス使用量の増加や、巡回時の配送ミスや入力ミスにより、ガスボンベの残量がなくなる可能性があります。ガスボンベの残量をリアルタイムに把握すれば、欠品を未然に防げます。
- ガスボンベの残量は自分で確認できない
ガスボンベの残量は、外部から中身が見えないため、原則として自分で確認できないようになっています。ガスボンベの残量を確認するには、まずガスボンベの重量を測り、ガスボンベが空の時の本体重量を引く必要があります。しかし、顧客が自分でガスボンベの重量を測るのは困難です。たとえば、プロパンガスの場合、ガスボンベ本体が転倒防止金具で固定されているため、ガスの重量を計測するのは容易ではありません。また、ガスボンベ本体に重量があるため、事故やトラブルにつながる恐れがあります。ガスボンベの残量を正確に把握するためには、デジタルボンベ計量器などの器具が必要なため、顧客にとって負担が大きくなります。工業用のガスボンベの場合、溶接金属のブローホールの発生や、圧力計の表記を判断基準の1つにできますが、正確な残量を把握するのは困難です。このようにガスボンベの残量は自分では確認できず、計測作業は顧客にとって負担がかかります。そのため、いかに企業側がガスボンベの残量を把握し、顧客をきめ細かくフォローしていくかが大切です。ガスボンベの状態をリアルタイムに把握できれば、残量が急になくなってしまうような事態が発生しません。
- ガスボンベを急に使いきってしまう事態を防ぐ
それでは、ガスボンベが急になくなってしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。たとえば、溶接に使う炭酸ガスの場合、ガスボンベの残量がゼロになると、溶接部分のブルーホールや、アーク溶接機の異変が発生します。しかし、家庭用のプロパンガスもふくめて、より注意が必要なのは顧客満足度の問題です。ガスボンベを急に使いきってしまい、欠品が発生すると、顧客は急いで補充のための連絡をしなければならず、顧客満足度の低下につながります。ガスボンベの欠品を防ぐために配送計画を立てるのが一般的ですが、急なガス使用量の増加、配送時の人的ミスなど、ガス切れを完全に防止するのは困難です。
また、ガスボンベの残量が急になくなった場合、ただちに充填配送をおこなわなければなりません。ガスボンベの充填配送が頻繁に発生すると、本来の充填配送計画に影響が出る可能性があります。ガスボンベの欠品を防ぐため、巡回を頻繁におこなう企業もありますが、現場の業務負担が圧迫され、長時間労働化につながる恐れもあります。
そのため、ガスボンベの残量をリアルタイムに把握し、顧客がガスボンベを急に使いきってしまうような自体を防ぐ仕組みが必要です。
ガスボンベの種類
プロパンガスや医療用酸素など、業務用の高圧ガス容器(ガスボンベ)は、容器の寸法や容積によって種類が分かれます。ガスボンベの規格は以下の7種類です。
ガスボンベの容積 | ガスボンベの直径 | ガスボンベの高さ | ガスボンベの重さ | ガスの容量 | 液化ガスの容量 |
---|---|---|---|---|---|
3.4L(細型) | 10cm | 57cm | 6kg | 500L | 2.5kg |
3.4L(ダルマ型) | 34cm | 14cm | 5.5kg | 500L | 2.5kg |
6.7L | 14cm | 59cm | 10kg | 1,000L | 5kg |
10L | 14cm | 85cm | 11~15kg | 1,500L | 7kg |
20L | 23cm | 89cm | 20~25kg | 3,000L | 7kg |
40L | 23cm | 120cm | 44~50kg | 6,000L | 30kg |
47L | 23cm | 138cm | 46~57kg | 7,000L | – |
ガスボンベの刻印
ガスボンベの表面には、「O2」「V3.4」「W6.0」といった刻印があります。これはガスボンベの安全な取り扱いのため、ガスの容量やガスボンベの容積などを示すための刻印です。ガスボンベの刻印は8種類あります。
例 | |
容器所有者の登録番号 | E999 |
充填されたガスの種類 | O2(酸素) |
容器の固有番号 | XXX-12345 |
ガスボンベの容積 | V3.4(3.4L) |
ガスボンベの重さ | W6.0(6.0kg) |
容器検査に合格した年月日 | 22-05 |
耐圧試験圧力(MPa) | TP24.5M |
最高充填圧力(MPa) | FP14.7M |
ガス残量の確認方法は?
酸素ボンベの残量を確認するには、まずガスボンベに酸素流量調整器を取り付ける必要があります。
このとき、ガスボンベ、圧力計、酸素流量計の接合部からガス漏れが発生していないか必ず確認しましょう。次にガスボンベのバルブを開けたときの圧力計の指針を見ることで酸素ガスの残量を計算できます。
酸素の残量の計算方法
酸素ガスの残量は、圧力計の指針、ガスボンベの容積、酸素流量調整器が示す酸素流量の3つがわかれば計算できます。
圧力計の単位がメガパスカル(MPa)かキログラムフォース(kgf/cm2)かによって計算式が異なります。それぞれの酸素の残量の計算式は次の通りです。
- 圧力計の単位がMPaの場合
使用可能量(L)=ガスボンベの容積(L)×圧力計の指針(MPa)×10×0.8(安全係数)
使用可能時間(分)=使用可能量(L)÷酸素流量(L/分)
- 圧力計の単位がkgf/cm2の場合
使用可能量(L)=ガスボンベの容積(L)×圧力計の指針(kgf/cm2)×0.8(安全係数)
使用可能時間(分)=使用可能量(L)÷酸素流量(L/分)
早見表を活用できる
酸素ガスの使用可能量や使用可能時間を求めたい場合は、早見表を活用することもできます。以下はガスボンベの容積が3.4Lの場合の早見表です。
ガスボンベの圧力 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
14MPa | 13MPa | 12MPa | 11MPa | 10MPa | 9MPa | 8MPa | 7MPa | 6MPa | 5MPa | ||
酸素流量 | 0.5L/分 | 760分 | 700分 | 650分 | 595分 | 540分 | 485分 | 435分 | 380分 | 325分 | 270分 |
1L/分 | 380分 | 350分 | 325分 | 295分 | 270分 | 240分 | 215分 | 190分 | 160分 | 135分 | |
2L/分 | 190分 | 175分 | 163分 | 145分 | 135分 | 120分 | 105分 | 95分 | 80分 | 65分 | |
3L/分 | 125分 | 115分 | 105分 | 95分 | 90分 | 80分 | 70分 | 60分 | 54分 | 45分 | |
4L/分 | 95分 | 85分 | 80分 | 70分 | 65分 | 60分 | 54分 | 47分 | 40分 | 34分 | |
5L/分 | 75分 | 70分 | 65分 | 59分 | 54分 | 48分 | 43分 | 38分 | 32分 | 27分 | |
6L/分 | 60分 | 58分 | 54分 | 49分 | 45分 | 40分 | 36分 | 31分 | 27分 | 23分 | |
7L/分 | 54分 | 50分 | 46分 | 42分 | 38分 | 34分 | 31分 | 27分 | 23分 | 19分 | |
8L/分 | 47分 | 44分 | 40分 | 37分 | 34分 | 30分 | 27分 | 24分 | 20分 | 17分 | |
9L/分 | 42分 | 39分 | 36分 | 33分 | 30分 | 27分 | 24分 | 21分 | 18分 | 15分 | |
10L/分 | 38分 | 35分 | 32分 | 29分 | 27分 | 24分 | 22分 | 19分 | 16分 | 14分 |
酸素ボンベの保管時の注意点は?
酸素ボンベを保管するときの注意点は2つあります。
- 圧力計の指針が0(ゼロ)かどうか確認する
酸素ボンベを保管するときは、必ず圧力計を確認し、圧力計の指針がゼロになっているかどうか確認しましょう。もし圧力計の指針がゼロになっていない場合、圧力計に負荷がかかり、故障の原因となる場合があります。
酸素ボンベを使用したら、安全のため「バルブを閉じる」「圧力計の指針がゼロかどうか確認する」「酸素流量計をオフにする」の3つの手順が必要です。
- 酸素ボンベの保管場所に注意する
酸素ボンベを足場が不安定な場所に保管した場合、ガスボンベが転倒し、容器の破損や周囲の人の怪我につながる恐れがあります。また、鉄製のガスボンベを水回りの周辺に保管すると、水分が原因で錆びが生じ、容器が破裂する可能性があります。
容器再検査は必要?
プロパンガスや医療用酸素などの高圧ガス容器は、定期的に容器再検査を受ける必要があります。もし容器再検査に合格しなかった場合、ボンベにガスを充填することはできません。
容器再検査が必要な期間は、ガスボンベの容量や製造時期によって変わります。以下は医療用酸素ボンベなどに使われる「継目なし容器」の再検査期間です。
ガスボンベの容量 | 製造時期が1998年3月31日以前 | 製造時期が1998年4月1日以降 |
---|---|---|
500L超 | 5年 | 5年 |
500L以下 | 3年 | 5年 |
ガスボンベの使用に関する課題
納品したガスボンベの酸素・窒素等の使用量を把握し、欠品の防止、充填配送の効率化を実現する
ユーピーアールの要素技術で残量を把握
実際の導入事例はこちら↓
納品したガスボンベの酸素・窒素等の使用量を把握し、欠品の防止・充填配送の効率化を実現
- 定期メール・閾値を超えた場合のアラートメールを送信
- パソコン・スマホ・タブレット等からWEB上で常時確認OK
- 携帯電話網の利用により、LAN環境不要&接続即使用可能
- 高い通信セキュリティ&データ記録管理(2年間)
ユーピーアール選定ポイント
- 通信デバイス、システム開発に知見のある企業に依頼したかった
- 導入コストを下げたかったためスクラッチ開発ではなく遠隔監視パッケージシステム(なんモニ)の流用をしたかった
ユーピーアールのIoTを導入した企業事例
ユーピーアールは、スモールスタートで導入可能なさまざまなIoTパッケージを提供しています。ユーピーアールのIoTパッケージを導入した企業事例を2点紹介します。
- 医薬品のトレーサビリティを実現した中央運輸株式会社様の事例
中央運輸株式会社様の事例では、医薬品輸送の位置情報や温度のトレーサビリティを実現するため、IoTパッケージを導入しました。こちらの事例では、GDP(医薬品の適正流通)への対応のため、積地から輸送先までの間、医薬品の厳格な温度管理を実現する必要がありました。
輸送中の温度管理には、温度計測機能のある追跡システムを使用します。しかし、こちらの事例では輸送の際に協力会社のトラックも使用するため、据付型の追跡システムではなく、取り外し可能なモバイル型の追跡システムが必要でした。また、温度管理を一元化するため、各営業所でデータを管理するのではなく、本社でデータを一括管理できる仕組みが必要でした。
ユーピーアールの提供するIoTデバイス「なんつい」は、取り外し可能なモバイル型のため、温度管理機能のない協力会社のトラックでも、厳格な温度管理を実現できました。また、「なんつい」は設置した場所の位置情報や温湿度データをリアルタイムに取得できるため、従来よりも温度逸脱時の初動対応が迅速化しました。
結果として、GDPを遵守した高いレベルの医薬品輸送を実現でき、医薬品の品質管理に厳格な荷主企業の信頼を獲得できました。
- 液体洗浄装置の遠隔監視を実現した株式会社アメロイド様の事例
株式会社アメロイド様の事例では、ユーピーアールのIoTパッケージの導入により、ユーザーに提供する液体洗浄装置の稼働監視を実現しました。
こちらの事例では、これまで納入後の製品の稼働状況を追跡する仕組みがなく、トラブルの電話があるたび、担当者がそのつど対応に出向くといった状況でした。そのため、顧客ごとのメンテナンス履歴を蓄積しづらいという課題がありました。また、現場の従業員から、出張対応ではなく、事務所での遠隔監視をおこないたいという声が上がったため、ユーピーアールの遠隔監視パッケージ「なんモニ」の導入を検討しました。
「なんモニ」は、セキュアな3G(閉域網)やイーサネット通信により、監視対象の設備の稼働状況をリアルタイムに遠隔監視できるIoTパッケージです。「なんモニ」を導入した結果、納入後の液体洗浄装置の稼働状況をワンストップでモニタリングできる仕組みを構築できました。
「なんモニ」の端末が、リアルタイムに閾値判定をおこなうため、異常発生時は即座にアラート検知が可能です。また、「なんモニ」を通じて製品データを収集・蓄積することで、故障原因の分析にも役立ちました。顧客ごとのメンテナンス履歴もデータベース化できるため、顧客対応の精度も向上しました。
まとめ
ガスボンベの残量をリアルタイムに防ぐことで、欠品を防ぎ、顧客満足度の低下を防ぐことができます。また、正確なガス消費量をもとに効率的な充填配送計画を立てられます。とくに広い範囲の地域で充填配送をおこなう企業の場合、業務効率化のため、ガスボンベの残量を把握する仕組みが必要です。
ユーピーアールの遠隔監視パッケージシステム(なんモニ)なら、スモールスタートでガス残量のリアルタイム監視を実現できます。
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