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IoTセンサーとは?種類・役割と選び方、活用事例を解説!

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ホームセキュリティ

☑このページで紹介している内容はシステム開発が必要です。
☑このページで紹介している内容はIoTの活用案です。
 

センサーとは?

そもそもセンサーとは、対象の状態を電気信号に変換し、データを収集するデバイスを表す言葉です。センサーは日本語では「感知器」と呼ばれます。

人間が知覚で物事をとらえ、脳で情報を分析するように、センサーには対象の状態を感知し、人間やコンピュータが処理できるような形式でデータ化する役割があります。センサーが感知できる対象は、温度・湿度・光・音・圧力・磁気・速度・傾き・位置情報などの物理的現象から、濃度・組成・化学反応などの化学的現象まで様々です。

身近な例でいえば、スマートフォンのカメラやデジタルカメラにもセンサーが使われています。光を電気信号に変換する画像センサー(CCDやCMOS)が、対象の画像を生成することで、はじめて写真を撮ることが可能です。

近年は、あらゆるモノがインターネットとつながるIoT技術にもセンサーが使われ、IoTソリューションの実現のためになくてはならない存在になっています。

センサーの重要性と役割は?

スマート工場、オンライン診療、子どもや高齢者の見守りサービスなど、様々な分野でIoTが活躍しています。こうしたIoTの普及によって、データを収集するセンサーの重要性も増しています。

デバイスから収集したデータをインターネットでやりとりし、他の端末やサーバーに送るセンサーを「IoTセンサー」と呼びます。クラウドコンピューティングの発展によって、大容量のデータを高速でやりとりできるようになった結果、IoTセンサーの需要が拡大しました。

IoTは4つの構成要素から成り立っています。IoTセンサーには、IoTを使ったソリューションを実現するうえで欠かせない役割があります。

デバイス 人間が操作したり利用したりする端末のこと
センサー デバイスに組み込んで、さまざまなデータを収集するための機器のこと
ネットワーク センサーから収集したデータを別の端末やサーバーに送る通信手段のこと
アプリケーション 収集したデータを可視化し、人間がデバイスで扱えるようにするためのソフトウェアのこと

たとえば、人の出入りを検知するIoTセンサーを活用すれば、その場に従業員がいなくても施設内を監視したり、入退室を管理したりできます。

IoTセンサーには様々な種類があり、それぞれ役割が異なります。IoTを使ったソリューションを導入する場合は、まずセンサーの種類や特徴を理解することが大切です。

 

【IoTとは?】「モノ」をインターネットに接続する「IoT」で実現できる4つのこと

IoTとはInternet of Thingsの頭文字を取った略称で、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。かつてインターネットを利用できる製品はパソコンやタブレット、スマートフォンといった通信機器に限定されていました。しかし、最近ではエアコンや照明、掃除機といった「モノ」をネットに接続し、お互いデータのやり取りをすることが可能となりました。

パソコンをはじめとする通信機器の場合、主に情報をやり取りするのが主流となっていますが、IoTを駆使すればさまざまな機能をもつ家電をさらに便利に活用でき、より豊かな暮らしを実現できます。以下では、IoTを活用することで実現できることを4つのポイントにまとめてみました。

  • 1. 離れたところにあるモノを操作・制御する

IoTを活用すれば、外出中にスマホを使って自宅のエアコンをつける、お風呂を沸かすようセットするなど、離れたところにあるモノを遠隔操作することができます。

本来であればいずれもパネルやリモコンを使用し、モノの近くで操作しなければならないところですが、インターネットを介すれば距離に関係なくモノを操作・制御することができます。また、単にモノを操作するだけでなく、エアコンの設定温度を気温に合わせて調整させるといった制御も可能です。

  • 2. モノの状態を離れたところからリアルタイムに監視する

モノにセンサーを付けていれば、離れた場所からモノの状態をリアルタイムにチェックすることができます。たとえば、工事現場などにセンサー付きの温度計を設置しておけば、本社や事務所などから現場の温度をいつでも計測することができ、熱中症対策につながるでしょう。

一方、家庭などでは、カメラを設置しておけば室内の状況を離れているところから確認することが可能です。ペットや学校から帰宅したお子さんの状態などをモニタリングできるほか、最近では一人住まいの高齢者の家に設置してトラブルが起きていないかどうかチェックする方法としても用いられています。

  • 3. IoTでの監視の結果から通報を行うなどふさわしい状況への最適化を行う

IoTの監視を利用し、その結果に応じてその場にふさわしい状況に最適化することもできます。

たとえば、室内をモニタリングしている際、トラブルの兆候を検知したら自動的にセキュリティサービスに通報するといったことが可能です。ただ監視するだけでなく、一歩先の解決まで導いてくれるところが特徴です。

  • 4. モノが自動制御を行うおかげで人間の時間や労力が節約される

モノ自身が状況を判断し、自動制御するといったことも可能です。たとえば、最新のロボット掃除機には、部屋の形や家具の配置、汚れ具合などの情報をデータ分析し、効率よく清掃してくれる機能が備わっています。いちいち人間が指示する必要がないため、時間と労力の節約につながるところが特徴です。
 

IoTセンサーの種類

エアバッグ

加速度センサー

加速度センサーはモーションセンサーとも呼ばれ、対象の速度の変化を検知することができるセンサーです。加速度データを分析することで、対象の振動や加わった衝撃などの情報を収集することができます。

身近な例では、自動車のエアバッグに加速度センサーが使われています。自動車に搭載された2種類の加速度センサーが車体の衝撃を検知すると、エアバッグが展開される仕組みです。加速度センサーには3つのタイプがあります。

静電容量検出方式 加速度が加わった際の微弱な静電容量の変化を検知するセンサー
ピエゾ抵抗方式 圧力が加わった際の電気抵抗の変化を検知するセンサー
熱検知方式 加速度の影響で温められた期待の温度変化を検知するセンサー

 

ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、対象の傾きや角速度の変化を検知できるセンサーです。ジャイロセンサーは回転する物体に働くコリオリの力を利用しています。ジャイロセンサーは、ロケットや人工衛星の姿勢制御から、スマートフォンの手ぶれ補正機能まで、様々なシーンで活用されているセンサーです。

加速度センサーとジャイロセンサーを合わせて「慣性センサー」と呼ぶことがあります。

光センサー

光センサーは可視光、赤外線、紫外線など、さまざまなスペクトルの光を検知するためのセンサーです。光センサーは、光エネルギーを受け取った物体の表面から電子が飛び出す「光電効果」と呼ばれる現象を利用し、光の強さや明るさを検知しています。

身近な例でいえば、光センサーは自動ドアなどに使われる人感センサーに組み込まれています。光センサーを活用し、「光を遮る物体があるかどうか」を瞬時に判断することで、人の動きや出入りを検知する仕組みです。

温湿度センサー

温湿度センサーは、文字通り温度や湿度の変化を検知するためのセンサーです。たとえば、温度センサーはエアコンに搭載されています。温度センサーを活用し、室温が設定温度に達しているかどうか確認することで、室内の温度を最適な状態に保つことができます。

そのほか、作物の生育に温度や湿度などの気象条件が大きな影響を与えることから、農業分野でも温湿度センサーの活用が進んでいます。

画像センサー

画像センサーはイメージセンサーとも呼ばれ、画像データを取得することができるセンサーです。画像センサーは主にスマートフォンやデジカメなどのカメラに搭載されています。

近年、画像センサーに画像処理技術を組み合わせ、さまざまな分野で応用が進んでいます。たとえば、自動運転車には画像センサーが取得した画像データをリアルタイムに分析し、車体を制御する技術が使われています。

圧力センサー

圧力センサーはセンサーにかかった圧力を検知することができます。圧力センサーには、ステンレス製やシリコン製のダイヤフラム(膜)が搭載され、ダイヤフラムに加わったひずみを圧力として検知する仕組みになっています。

身近な例では、自動車のエンジンやブレーキの制御に圧力センサーが使われています。
 

IoTとセンサーを利用したサービスの種類

あらゆるモノがインターネットにつながるIoTという技術と、対象のデータを収集するセンサーを組み合わせることで、様々なソリューションを実現可能です。たとえば、機械の稼働状況をセンサーで取得し、インターネットを通じてリアルタイムにパソコンへ送信すれば、対象をリアルタイムに遠隔監視する仕組みを実現できます。

ここでは、IoTとセンサーを利用したサービスのなかから、ホームセキュリティサービス、オフィス機器のモニタリングサービス、ウェアラブルシステムの3つを紹介します。

ホームセキュリティサービス

安心安全な暮らしを守るため、ホームセキュリティの分野でもIoTが積極的に導入されています。
とくにセンサーは不審者の侵入を検知したり、住まいの異常事態をいち早く発見したりするうえで欠かせない役割を果たしています。ホームセキュリティサービスに使われる代表的なセンサーが、光センサーの一種の「人感センサー」です。人感センサーは、光の遮断を検出することにより、人の動きを感知できるセンサーです。人感センサーを住まいの壁などに取り付ければ、外出時や不在時に人が近づいてきていないか、誰かが住宅に入っていないかを判断できます。
逆に、人感センサーを室内に設置すれば、遠方の高齢者の見守りサービスとしても活用できます。

オフィス機器のモニタリングサービス

オフィスにセンサーを設置することで、遠方の支社や複数拠点のオフィス機器を効率的にモニタリング可能です。
これまで、遠く離れた拠点のオフィス機器に異常が発生した場合、すぐに気づくことができず、またトラブル対応までに時間がかかっていました。設備監視のために管理者を常駐させている企業もありますが、人件費をはじめとしたコスト負担が課題でした。
そこで、トイレや会議室といったオフィススペースや、様々なオフィス機器にセンサーを取り付け、インターネットを通じて遠隔監視する「スマートオフィス」の考え方が広がっています。管理者が現場にいなくても、センサーを通じて複数の拠点を効率的に監視できるため、業務効率化を実現可能です。

ウェアラブルシステム

ウェアラブルシステムとは、利用者が衣服やリストバンドなどの身につけられる(ウェアラブル)端末を装着し、生体データを取得するIoTです。
ウェアラブルシステムでは、心拍・消費カロリー・姿勢・歩行データなどの情報をセンサーが検知し、健康の改善や医療行為に活用可能です。主に医療分野でウェアラブルシステムが活用されており、患者ごとの生体データを端末で追跡することで、より診察・診断の精度を高めています。また、近年はフィットネス分野でもウェアラブルシステムの普及が進み、たとえば姿勢や動作のトラッキングに基づき、よりパーソナライズされた健康指導を行うといった事例が見られます。
日常的に着用できる手軽さから、ウェアラブルシステムの利用は年々拡大しています。
 

IoTを活用したセンサーの選び方

人感センサー
IoTの導入に向けてセンサーを選ぶ場合は、「用途にあったセンサーを選ぶ」「通信規格を確認する」の2点に注意しましょう。

前述の通り、センサーには光センサー、加速度センサー、画像センサーなど様々な種類があります。また、センサーによって対応可能な通信規格も異なるため、センサーが直接インターネットに接続する方式を選ぶ場合は、事前に確認が必要です。IoTの導入で失敗しないため、自社の課題やニーズにあったセンサーを選びましょう。

用途にあったセンサーを選ぶ

後の項目でも詳しく紹介しますが、IoTに使われるセンサーには様々な種類があります。そのため、まずはIoTソリューションを実現するうえでどのようなセンサーが必要かを考え、用途にあったセンサーを選ぶことが大切です。
たとえば、同じ人やモノの動きを検出する光センサーでも、実は製品によって向き不向きが異なります。人の動きを検知するのが得意な人感センサーもあれば、工場ラインなどに設置し、モノの流れを検知するのに長けた光電センサ、ファイバセンサ、レーザセンサなどもあります。
また、センサーの設置目的によっては、そもそも光を利用して物体を検出する光センサーではなく、過電流や接触、画像による検出を行うセンサーのほうが適したケースもあります。IoTの導入前に自社の課題を整理し、問題解決につながるセンサーを選びましょう。

通信規格を確認する

センサーによって、対応した通信規格が異なるのも悩みのタネです。
たとえば、インターネットの標準的なプロトコルに対応したセンサーもあれば、消費電力量の少ない一部の無線通信規格にしか対応していないセンサーもあります。
もし、センサーが直接インターネットに接続する「直接通信方式」を導入する場合、各センサーの通信規格がバラバラだと不都合が生じます。その場合、センサーの橋渡しをするIoTゲートウェイを後付で導入する必要があり、追加のコストが発生します。
なお、センサーが直接通信するのではなく、IoTゲートウェイがセンサーをまとめてインターネットにつなぐ「デバイスゲートウェイ方式」なら、センサーごとの通信規格を気にする必要がありません。その場合、センサーには最低限の通信機能をもたせることで、通信費や電力費を抑えることも可能です。
 

IoTを活用したセンサー導入の注意点

IoTセンサーを導入する際は、「情報セキュリティ」「プライバシー問題」の2点に注意が必要です。

近年、IoTデバイスを対象としたサイバー攻撃が増加し、不正アクセスや情報漏えい、IoTデバイスが別のサイバー攻撃の踏み台となる「踏み台攻撃」など、セキュリティ上の脅威が増しています。インターネットにつながるIoTセンサーも、サイバー攻撃の標的となる可能性があります。しかし、IoTセンサーによっては性能や機能が限られ、暗号化などの対策を十分実施できないケースもあります。

経済産業省の「IoTセキュリティガイドライン ver1.0」で述べられているように、「個々でも全体でも守れる設計」により、セキュリティ対策を実施することが大切です。[注1]また、センサーを通じて人やモノのデータを収集する場合、対象へのプライバシーへの配慮が必要です。どのセンサーデータが個人情報に当たるのかを整理し、プライバシー侵害につながる情報については一部分を隠すなど、プライバシー問題に配慮した対応も求められます。

[注1]経済産業省:IoTセキュリティガイドライン ver1.0[pdf]

 

ドアセンサーのIoTサービス利用について

ドアセンサーを取り付ける
IoTセンサーは多種多様なものがリリースされており、痒いところに手が届くような商品が多数あります。
ここでは、「ドアセンサー」をご紹介します。

  • ドアセンサーとは?

ドアや窓に取付けることで、開閉状態が分かります。マグネットがセンサーに付属されており、マグネット同士がくっつくことでドアが閉まった状態、マグネットが離れることでドアが開いた状態、ということを判断します。

ドアセンサーは主に電池式で、コンセントから電源を取る必要がない為、簡単に取り付けることが出来ます。

  • ドアセンサーの使い方

これまでは無電圧接点式で信号を送信するタイプが主でしたが、最近ではBLE(Bluetooth Low Energy)機能が内蔵されたセンサーが増えてきております。BLE通信によってスマートフォンにデータを送ることで、ドアの開閉状態をリアルタイムに知ることが出来ます。
 

IoT機器に使われる5種類のセンサー

IoT機器に搭載されたセンサーとして、下記の5点が代表的です。

  • 三角測量で正確な位置を割り出すGPS

GPSは複数の衛星を用い、地上の正確な位置を割り出すセンサーです。代表的なものとして、カーナビのほか、船舶や航空機の運航に使われています。

  • 物体の速度変化を検出する加速度センサー

加速度センサーは、人やモノの動きを検出するセンサーです。車のエアバッグのほか、スマホやデジカメの動作に使われています。

  • 傾きや角度を検知するジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、物体の傾きや角度を測定するセンサーです。人工衛星の姿勢制御のほか、身近な例ではカーナビの動作、デジカメの手ブレ補正に使われます。

  • 光の強さや変化を探知する光センサー

光センサーは、可視光の強度や断続を探知するセンサーです。赤外線や紫外線を検知するものもあります。自動ドアや自動水栓など、主に人感センサーとして使われます。

  • 画像を電気信号に変換する画像センサー

画像センサーはイメージセンサーとも呼ばれ、光の強弱を電気信号に変換するセンサーです。CCDとCMOSの2種類があります。デジカメ、スマホ、Webカメラなど用途は多岐にわたります。

ドアセンサーのIoTサービス利用について

IoTセンサーは多種多様なものがリリースされており、痒いところに手が届くような商品が多数あります。
ここでは、「ドアセンサー」をご紹介します。

  • ドアセンサーとは?

ドアや窓に取付けることで、開閉状態が分かります。マグネットがセンサーに付属されており、マグネット同士がくっつくことでドアが閉まった状態、マグネットが離れることでドアが開いた状態、ということを判断します。

ドアセンサーは主に電池式で、コンセントから電源を取る必要がない為、簡単に取り付けることが出来ます。

  • ドアセンサーの使い方

これまでは無電圧接点式で信号を送信するタイプが主でしたが、最近ではBLE(Bluetooth Low Energy)機能が内蔵されたセンサーが増えてきております。BLE通信によってスマートフォンにデータを送ることで、ドアの開閉状態をリアルタイムに知ることが出来ます。
 

ドアセンサーの活用方法

ドアセンサーの活用方法の例を以下に列挙いたします。

  • ホームIoTでの活用方法

・ドアや窓の開けっ放し、閉め忘れを防止する

  • ドアセンサーがドアについていることによって、スマートフォン等のスマートデバイスで一覧でドアや窓の開けっ放し状態や、鍵の閉め忘れを一目で確認することもできます。

・離れた家族の状態を知る

  • ドアセンサーで鍵の状況等を把握することで、自分が家にいなかったとしても家族の帰宅状況等を把握することができます。また、ビーコンやスマートフォン等のID情報を識別するようにすれば誰が屋内にいるのか、といったこもスマートフォン上で表示させることができます。
  • セキュリティや物流での活用方法

・輸送トラックの庫内扉の開閉時間確認

  • 輸送トラックの庫内扉に搭載し、ドアの開閉時間を確認することで納品にどのくらい時間がかかったかを知ることができます。

・盗難、荷物のすり替え対策

  • 一次保管場所の扉や固定器具にセンサーを取り付けることで、意図しない時間に荷物が離れたことを検知することで、盗難・すり替え対策として進めることができます。

・危険物保管庫の入退室ログ取得

  • 薬品倉庫等の危険物保管庫にドアセンサーを搭載することで、いつ誰が保管庫に入ったかログを取ることができます。

 

医薬品流通でのドアセンサーの活用事例

医薬品の適正流通基準であるGDPにおいて、偽造医薬品に触れられております。

上記の例で、医薬品輸送のトラックにドアセンサーを搭載し、納品先以外でドアが開いた場合は、アラートを送信するなど対策をしておけば、GDPのガイドラインに則った流通を行っていると言えるでしょう。

 

他にもある!5つのIoT活用事例

IoTの可能性は無限大と言われており、現段階でもさまざまな場所やシーンで多種多様な活躍を見せています。ここではドアセンサー以外のIoT活用事例を5つ紹介します。

  • 1. 自動車業界におけるIoT:障害物を検知してブレーキをきかせるといった自動運転システム

数年前から急速にIoTの導入を進めているのが自動車業界です。自動車とスマートフォンをネット接続させることにより、カーナビなしで目的地まで案内してもらえる、道路状況をチェックできるといった例が挙げられます。

また、自動車に内蔵されているスピーカーと連動させれば、CDやDVDなどをセットすることなく、スマートフォンから直接音楽を流すことも可能。スマートフォンは音声認識に対応しているので、運転しながらでも好きな曲をセレクトして聴くことができます。

そして、各自動車メーカーが特に力を入れているのがIoTを利用した自動運転システムの開発です。すでに複数の車種に採用されている自動ブレーキシステムでは、自動車に搭載されているセンサーが障害物などを検知すると自動的にブレーキをきかせる仕組みになっています。他にも、海外では専用アプリとデータ連動させることで付近の駐車場の空き状況をチェックできるサービスが提供されています。

  • 2. 公共交通機関におけるIoT:デジタルサイネージで運転状況を確認

日本の公共交通機関は海外に比べて優れた正確さを誇るといわれていますが、悪天候や不慮のトラブルなどに見舞われると遅延や運転見合わせなどが発生することもあるもの。インターネットでも公共交通機関の運転状況を調べることは可能ですが、タイムラグが発生することもしばしばですし、少々の遅延であればそもそも情報が掲載されないこともあります。

IoTを導入しているバスや電車であれば、「あと何分後にバスや電車が来るか」をリアルタイムにチェックすることができます。これらの情報はスマートフォンなどで入手できますが、最近ではスマートフォンを持たない人でも公共交通機関の運転状況をチェックできるよう、駅の構内にデジタルサイネージを導入するところが増えてきました。

デジタルサイネージとは、ネットを通じて取得した情報やデータをモニタなどに映して発信するシステムで、主に屋外の施設に設置されています。スマートフォンの場合、自分で操作しない限り情報を取得することはできません。ですが、デジタルサイネージなら、歩いている時などに自然と情報が目に入るので、注意喚起を促しやすいところがメリットとなっています。

  • 3. 物流業界におけるIoT

配送や倉庫といった物流業界でもIoTの導入が進んでいます。

・バーコードを活用した自動での在庫管理

  • 倉庫内の在庫はかつて人間が手動でチェック・管理しており、非常に手間ひまかかるものでした。また、在庫が多ければ多いほど人的ミスも増え、修正や調整が難しくなるのも大きな問題点となっていました。そこで最近普及し始めているのがIoTを活用した在庫管理です。在庫のひとつひとつにはバーコードがつけられており、配送の際にスキャンすればコンピュータがデータに基づいて自動的に在庫の管理を行ってくれます。人間が手作業するより遥かに正確かつスピーディに進むため、労働力の削減はもちろん、輸送の効率アップにもつながり、業績の向上が期待できます。なお、製品につけられたバーコードを活用すれば、製品データを読み込んでそれぞれに適した場所に仕分けることも可能。実際、自動仕分けシステムと倉庫管理システムを連携させたサービスを導入している物流会社は年々増えてきており、人件費の削減や労働環境の改善などに役立っています。

・道路交通状況などのデータから配送計画を打ち出す

  • そして、物流業界の要とも言える配送サービスですが、近年はインターネット通販の普及にともない、増え続ける需要に対して供給が追いついていないのが実状です。ドライバーも配送車も数に限りがありますので、いかに効率よく車を動かすかが重要となります。これまで配送計画を立て、実際に配送車を管理するのは配車係の役目でしたが、複雑な輸送ルートや交通状況、輸送コスト、さらには配達希望日時などを考慮しながら限られたドライバーと車を動かすのは誰にでもできる仕事ではありません。特に運送業界は慢性的な人手不足に陥っているため、有能な配送係を確保するのは至難の業となっています。そこで近年多くの企業が取り入れているのが配車業務の自動化サービスです。配送予定の製品の数や利用できる配送車のデータをコンピュータに登録しておけば、システムがネットから集めた道路交通状況などのデータを踏まえた上で最適な配送計画を打ち出してくれます。さらに、配送車にセンサーをつけておけば、事務所にいながら配送車の位置を確認・管理することが可能。渋滞などが起きた時には自動的に迂回ルートを算出し、配送車にデータを通達することもできるので、より効率よく製品や荷物を届けられるようになります。
  • 4. 農業業界におけるIoT:畑の状況に合わせて水や肥料を与える管理システム・盗難防止など

 

一から十まで手作業というイメージの強い農業ですが、農家の高齢化や人材不足などの問題を解決すべく、近頃はIoTを導入するところが急速に増えてきています。

たとえば、ハウス栽培にセンサーを導入し、IoTの監視システムと自律化を活用すれば、畑の状況などに合わせて水や肥料を与える自動管理システムを構築することが可能です。監視システムについては他にも農作物の状態をモニタリングしたり、異常を検知して盗難などの犯罪を防いだりする効果が期待されており、少ない人手でもさまざまな問題を解決できる手段として注目を集めています。

  • 5. 製造業界におけるIoT:製造ラインの状況をリアルタイムで確認・エラーの修復

大きな工場で日々大量の製品を生産している製造業界では、いかに無駄なく、かつ正確に製品を生み出すかが重要なポイントとなります。これまでは製造ラインごとに管理担当者がつき、スムーズに工程が進んでいるかどうか確認したり、エラーを検知した時の対応に当たったりするのが一般的でした。

しかし、IoTの導入により、ライン全体のデータの一元管理を実現。どのラインの工程が滞っているか、どこでどんなエラーを検知したのかをリアルタイムにチェックし、問題の解決に当たります。エラーに関しては簡単なものであればIoTの制御・自律化によって修復することが可能なので、管理にかかる手間ひまの削減につながります。

 

IoTにおける今後の展望と解決が求められている課題・問題点

現在さまざまな業界で活用されているIoTですが、まだまだ完成型にはほど遠く、改良の余地はたくさんあると言われています。たとえば、自動運転車に関しては、現時点ではあくまでドライバーのサポートのみに留まっており、走行から停車まで自動制御化するにはさらなる時間を要します。

ただ、各メーカーともIoTによる自動制御化システムの開発に尽力しており、遠からず完全自動運転車やドローンによる自動配送システムといった製品やサービスが実現することでしょう。コンピュータシステムは作業の正確さ、スピード、量などさまざまな面で人間のキャパシティを上回っています。そのため、人材確保やコスト削減の問題を抱えている業界ほどIoTが進行していくことが予想されます。

それにともない、現時点でIoTが抱えている課題や問題点の早急な解決も求められています。以下でそれを確認していきましょう。

  • パソコンやスマホに比べて対策が不十分になりがちなセキュリティの問題

IoTの普及に伴い、最も懸念されているのがセキュリティの問題です。IoTでは活用シーンや用途に応じてさまざまな情報の送受信を行いますが、インターネットを介していることからハッキングの脅威にさらされることになります。

具体的には、パスワード漏洩によって通信データの内容が盗聴される、第三者が端末の持ち主になりすまして不正に機器を利用するといった例が挙げられ、インターネット関連のセキュリティ問題は後を絶ちません。IoTにおいてもサーバーが乗っ取られることによって正規の利用者がモノを使えなくなったり、個人情報のデータを盗まれたりする脅威が懸念されています。

実際、2013年には複数の大学等にて、IoTの複合機に蓄積された情報やデータがインターネット上で誰でも閲覧できる状態になっていたことが判明し、大きな問題となりました。[注2]

また、IoT機器の場合、パソコンやスマホなどの通信機器に比べるとセキュリティ対策が不十分になりがちで、知らないうちにボットウイルスに感染させられることもあります。ボットウイルスに感染した機器は第三者からも操作できるようになり、勝手な挙動を起こしたり、特定の場所にデータを送信したり、サイバー攻撃の踏み台にされたりする可能性があります。

これについてもすでに事案が報告されており、2016年にはIoT機器をターゲットとしたボットウイルス「Mirai」が蔓延。Miraiに感染した端末同士はネットワーク上で「ボットネット」と呼ばれる巨大な連携体制を構築し、特定のターゲットに対して一斉にサイバー攻撃を仕掛けることが可能となります。

インターネットのセキュリティに関してはパソコンやスマホなどの通信機器業界も頭を悩ませている問題で、どこの企業も最先端のセキュリティ対策を導入していますが、犯罪者といたちごっこになっているのが現状です。特にIoTに関しては利用者側に「セキュリティ対策が必要」という意識がまだまだ根付いていないため、企業側のセキュリティ強化とともに利用者側の意識改革も求められています。

[注2]一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会:IoT機器のセキュリティ対策について[pdf]

  • IoT機器の開発やデータ分析を行うエンジニアの人手不足

IoT機器は人の手をなるべく介さずに利用できるところが利点ですが、その機器の開発やデータ分析などを担当しているのは人間のエンジニアです。将来的にはAIがデータを分析し、フィードバックを行うという構図になっていくと思われますが、現在のAIはエンジニアの代わりを務めるレベルに達していません。

IoT機器を活用することによって各業界で人手不足の解消が期待されていますが、一方でエンジニア不足に悩まされる側面があることは今後解決していくべき問題のひとつと言えるでしょう。

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