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RFIDってなに?身近な活用事例を紹介!導入の流れも解説【IoT導入事例】

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段ボールに貼られたRFIDタグ

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RFIDとは?

RFIDは、Radio Frequency Identificationの略称であり、電波を利用して個体を自動で認識できる仕組みのことです。日本でRFIDが製品化された時期は、1985年ごろまでさかのぼります。現在では、RFIDは電波を用いた非接触・非対面の個体識別手段として、キャッシュレス決済や交通系ICカード等に応用されています。

類似のモノで言えば、バーコードが挙げられますが、大きな違いは、読み取り可能距離の長さ、読み取り時間の速さ、同時に読み取りができること、梱包・汚れ等が障害にならないことです。

具体的な例としては、小売店の倉庫の在庫管理があります。以前は、一つひとつ商品を手に取ってバーコードをハンディスキャナーで認識しなければなりませんでした。しかし、RFIDを導入すれば、棚にハンディスキャナーを向けるだけですべてを一度に認識できます。すでに、コンビニやアパレル会社では実用化が進んでおり、今後ますます普及が期待される技術です。

RFIDの特長

RFIDには次の4つの特長があります。

  • リーダーをかざすだけで複数のタグを同時に識別できる
  • ある程度の距離があってもタグを識別できる
  • タグが遮蔽物に隠れていても識別できる
  • タグの表面が汚れていても識別できる

従来のバーコードの場合、リーダーをタグに近づけ、1つずつ識別する必要がありました。また、タグが箱の中等に隠れていたり、表面が汚れていたりする場合は個体識別ができませんでした。

しかし、RFIDは電波によってタグと情報をやりとりするため、バーコードよりも幅広いシーンで正確にタグを読み取ることができます。

RFIDの原理と種類

RFIDタグ

一言でRFIDといっても、RFIDタグとリーダー(ライター)間のデータ伝送方式によって2種類に分けられます。RFIDのデータ伝送に利用されるのは、電波または磁界です。RFIDタグのアンテナが、リーダー(ライター)から送信された電波や磁界を受信するとタグの表面で電力が発生します。この電力を利用し、アンテナを通じて必要なデータをリーダー(ライター)へ返信することで、データ伝送が行なわれる仕組みです。RFIDの「電磁誘導タイプ」と「電波方式」の違いを解説します。

電磁誘導タイプ

電磁誘導タイプのRFIDでは、電磁誘導の仕組みを利用することで、RFIDタグに電力を供給しています。代表的なRFIDとして、LF(Low Frequency)帯のタグや、HF(High Frequency)帯のタグがあります。電磁誘導タイプのRFIDは、アンテナの指向性が広く、野外等の悪環境下でも利用できるという特徴がある一方で、交信距離が10cm~30cmと短いことが課題です。また、データ伝送に磁界を利用するため、金属の影響を受けやすいという特徴があります。

電波方式

電波方式のRFIDでは、電波を通じてタグとリーダー(ライター)間でデータ伝送を行います。代表的なRFIDとして、倉庫等で利用されるUHF(Ultra High Frequency)帯のタグのほか、マイクロ波帯のタグがあります。電波方式のRFIDは、電磁誘導タイプのRFIDよりも交信距離が長く、電池が内蔵されたタグ(アクティブタグ)であれば、最大数百m程度のデータ伝送が可能です。一方、利用する周波数帯によっては、無線LANやBluetooth等の無線通信や、電子レンジ等のマイクロ波を利用する製品と干渉しやすいという欠点があります。

物流管理でのRFID

RFIDタグの導入が急速に進みつつあるのが、物流やロジスティクスの分野です。短時間で多くの荷物の検品や在庫管理を行わなければならない物流業界では、RFIDの「リーダーをかざすだけで複数のタグを同時に識別できる」「ある程度の距離があってもタグを識別できる」といった特長が大きなメリットになります。

特に電波出力の大きなRFIDタグの場合、10メートル以上離れた場所からも個体識別が可能です。例えば、物流管理では次のようなRFIDの利用例があります。

  • 荷物のタグを一括で読み取り、より少人数のスタッフで検品や在庫管理を行う
  • 高所にある荷物のタグを下層階から読み取り、安全に在庫管理を行う
  • カゴ車やパレットのタグを読み取り、利用台数を正確に管理する
  • 作業員やフォークリフトにタグを取り付け、作業中の動線を見える化する

 

RFIDの価格

RFIDの導入障壁の1つとして、RFIDタグのコストの問題が挙げられます。従来、RFIDタグ導入には、1枚あたり110円~220円のコストがかかっていました。しかし、近年RFIDタグの低価格化が進んでおり、物流向け・小売向けともに以前よりも導入が容易になりつつあります。

参考記事:RFIDのコストとは?導入価格を考える上でのポイント、最新の価格動向を紹介

 

RFID導入におけるセキュリティ

改札

RFID導入の際に注意が必要なのがセキュリティの問題です。

RFIDでは、リーダー(ライター)とタグの間でデータのやりとりを行います。しかし、セキュリティ対策を十分に行っていないと、第三者による情報の盗み取り・改ざん・なりすましといった被害に遭う恐れがあります。このような被害に遭うリスクを下げるためには、タグに保存されたデータの暗号化やデータ伝送時の認証処理といった、セキュリティ対策が施されたRFIDタグの利用がおすすめです。例えば、交通系ICカードは個人情報や決済情報のやりとりをするため、高度なセキュリティを持つRFIDが搭載されています。

しかし、セキュリティ対策が施されたRFIDは通常の製品よりも高価です。そのため、RFIDの導入にあたって、やりとりするデータが個人情報に該当するかどうか、セキュリティ対策がそもそも必要かどうかを事前に検討しましょう。

 

RFID導入のデメリット

RFIDを導入する際のデメリットは、「コストがかかる」「システム設計に注意を要する」の2つです。

前述の通り、RFIDタグは従来に比べると安価に購入できるようになっています。しかし、取り扱う商品数が多かったり、商品の価格が低い(RFIDタグの占める割合が大きい)場合、思うような費用対効果を実感できない可能性があります。

また、RFIDタグだけでなく、データ伝送に使うRFIDリーダー(ライター)の購入も必要です。こちらは1台あたり数十万円の設備投資が発生し、大規模な店舗や工場では複数台導入しなければなりません。

そして、もう1つのデメリットとして、RFIDタグを上手く活用するには導入時のシステム設計に左右されることが挙げられます。RFIDタグは周囲に金属物があったり、複数のタグが重なっていたりすると、上手くデータの読み書きができません。また、データ伝送に利用する周波数帯によって、周辺機器と干渉してしまうケースもあります。

そのため、RFIDタグの導入にあたっては、必ず利用環境の検証を行い、正しくデータ伝送が行われているか、リーダー(ライター)での読み取りができているか確認が必要です。

 

RFIDの導入事例

RFIDの導入事例1:鋼製パレットの実数自動把握

建築材料

こちらは、鋼製パレットの実数把握に課題を抱えていた、建材製造会社の事例です。

課題

パレットが鋼製のため、金属物が多い周辺環境でした。そのため、パッシブRFIDタグでは電波伝搬が悪く、データ伝送の度にトラブルが発生していました。

また、パッシブRFIDタグは伝送可能な距離が2~3m程度のため、オペレーターがパレットに近づき、個別スキャンを行う必要があります。その結果、以下のような課題が生まれていました。

  • 半年ごとの棚卸し作業に多大な工数がかかっていた。
  • パッシブRFIDタグの読み忘れや、電波減衰による読み取りミスが発生していた。

このようなことから、鋼製パレットの実数を正確に把握できない状態が長く続いていました。その結果、パレットの実数に乖離が発生しており、紛失分の補填費用が増大し、コストを圧迫していました。

効果

従来のパッシブRFIDタグに代わり、アクティブRFIDタグを導入することで、鋼製パレットの実数把握を自動化できました。電池が内蔵されたアクティブRFIDタグは、パッシブRFIDタグとはデータ伝送方式が異なるため、周辺環境に水や金属物があっても問題なく電波伝搬が可能です。

そのため、これまで発生していた鋼製パレットの読み取りミスが減少し、より正確にパレットの実数を把握できるようになりました。また、パッシブRFIDタグよりも伝送可能距離が長いため、オペレーターが受信機を近づけてタグを読み取る必要がなく、オペレーターの読み忘れもなくなりました。

事例の詳細はこちら:鋼製パレットの実数自動把握に活用

RFIDの導入事例2:拠点間輸送カゴ車の受払管理・棚卸し

こちらは、冷凍・冷蔵食品のカゴ車を物流拠点と店舗間で循環利用を行っていた物流会社の事例です。

課題

以下のような課題がありました。

  • 店舗からカゴ車の返却遅延が度々発生していた。
  • 返却遅延によりカゴ車が不足し、出荷の一時停止が頻発していた。

最初はパッシブRFIDタグの導入を検討していましたが、作業環境に金属物が多く、現地で電波伝搬調査を行ったところ電波減衰がみられました。電波減衰がみられると、リーダー(受信機)の識別精度が低下するため、何度もスキャンし直さなければなりません。そのため、従来のバーコードによるカゴ車管理と同程度の作業時間がかかってしまいます。

また、こちらの企業では、カゴ車の保管場所が冷凍庫のため、オペレーターの庫内滞在時間が限られます。そのため、カゴ車の実数確認を定期的に行うことができず、「短時間で効率的に」読み取りが可能なアクティブRFIDタグの導入を考えました。

効果

パッシブRFIDタグではなく、アクティブRFIDタグを導入することで、「短時間で効率的に」カゴ車の受払管理が可能になりました。冷凍庫等の温度環境が厳しい場所でも、自動で機材検知が可能なため、オペレーターの身体的負担なしに短時間で実数把握が可能です。

帳簿と現場実態の齟齬が解消され、カゴ車の実数を正確に把握できるようになりました。また、カゴ車の実数を定期的に確認できるようになったことで、出荷時にカゴ車が足りないといった事態が減少し、よりスムーズに出荷業務を行えるようになりました。

事例の詳細はこちら:拠点間輸送カゴ車の受払管理、棚卸に活用

 

その他のRFIDの活用方法2つ

RFIDで食品の賞味期限・消費期限を把握

RFIDに賞味期限や消費期限を記録し、食品のパッケージや包装等に貼れば、棚にハンディを向けるだけで簡単に鮮度管理ができます。

従来は店頭に並んだ食品をそれぞれスキャンする必要がありましたが、RFIDの登場により効率化が可能になりました。RFIDを使えば、期限切れの食品が店頭に並ぶリスクを減らし、より安全な食品管理が可能です。

また、「いつ食品を廃棄しなければならないか」を見える化できるため、廃棄ロスを防ぐ施策も打ちやすくなります。

RFIDでレジがいらない無人店舗を実現

小売店はバックオフィス業務だけでなく、店頭での販売業務や接客業務の効率化にも取り組んでいます。

RFIDを使えば、店頭の人員を極限まで削減し、商品とレジのみが置かれた「無人店舗」も夢ではありません。商品パッケージにRFIDを貼り付け、レジで一括読み取りを行うことで、レジスタッフを介在しない自動会計が可能です。

すでに大手コンビニチェーンでRFIDを使った会計システムの大規模な実証実験が行われており、「スマート店舗」の実現が秒読みの段階です。

 

RFIDにおけるユーピーアールの強み

当社は、最大300mまで通信可能なアクティブRFIDタグと、電波を正確に受信するリーダーを組み合わせたクラウド型パレット管理システム「スマートパレット」を提供しています。

アクティブRFIDタグを搭載したパレットやカゴ車の倉庫内在庫や、いつ入庫・出庫したかの管理を自動化します。紛失・滞留を解消し、煩雑な紙伝票管理もなくなり、物流機器の稼働率アップ等が期待できます。効率的なパレット輸送を可能にします。

スマートパレットの詳細はこちら

https://www.upr-net.co.jp/pallet/smartpallet_index

 

RFID導入の流れ

ここでは、RFIDの導入を検討中の企業向けに、一般的な導入までの流れを解説します。ポイントとなるのが、現場でRFIDの電波伝搬調査を実施する点です。スムーズな導入のためにも、RFID導入の流れを確認しましょう。

ご相談

まずは、電話やウェブフォーム等からお気軽にご相談ください。問い合わせ後、RFIDの導入目的や運用方針について担当者がヒアリングを行います。

現地で電波伝搬調査を実施

次にRFIDを利用する現場で電波伝搬調査を行います。前述の通り、RFIDタグの周波数帯によって、周辺機器と干渉が発生する可能性がゼロではありません。また、RFIDタグの周辺に水や金属があると電波が吸収され、上手くデータ伝送ができないケースもあります。そのため、RFID導入前に現地で電波伝搬調査を行い、RFIDタグで実際に伝送が可能か、金属対応タグ等の導入が必要ないかを確認します。

見積もり後、必要機器を受け渡し

電波伝搬調査が終わったら、RFIDタグを用いたシステムの見積もりを行います。見積もりに問題がなければ本申込みを行い、契約締結に進みます。RFIDタグや必要機器を受け渡し、いよいよRFIDの運用がスタートです。

 

まとめ

RFID(Radio Frequency Identification)はバーコードと違い、読み取り可能な距離が長く、一度に多くのタグを同時に読み取ることができる技術です。

その利便性から、パレットやカゴ車の管理効率化等にRFIDが採用されています。RFIDは年々低価格化が進み、物流向け・小売向けともに以前よりも導入が容易になりつつあります。

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