倉庫の温湿度管理を保管物・保管環境別に解説
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倉庫に必要な温湿度管理とは?5つのポイントを解説
倉庫の温湿度管理において大切なのは、保管物に合わせて温度・湿度をコントロールすることです。たとえば、食品の保管温度は倉庫業法において定められており、冷凍・冷蔵・常温の3温度帯をはじめとしたさまざまな温度区分が存在します。また、食品以外にも火薬類や段ボール箱など、安全管理や品質管理のために厳格な温度・湿度管理が必要な保管物があります。
ここでは、「穀物」「生鮮青果物」「火薬庫」「ダンボール箱」「トランクルーム」の5つの場合に分け、倉庫における温湿度管理のポイントを解説します。
穀物は定温倉庫での保管と、水分蒸発による「目減り」対策が必要
米・麦・蕎麦などの穀物は、高温多湿での保管を避け、倉庫業法における「定温倉庫」で保管するのが一般的です。定温倉庫の保管温度の目安は5~18℃ですが、穀物の場合は10~15℃の保管温度を維持することで、効果的に品質の劣化を防ぐことができます。
また、穀物の品質管理で大切なのが、加湿器などによる湿度管理です。倉庫内が乾燥し、水分蒸発が起こると穀物が「目減り」を起こします。穀物類を保管する倉庫内の湿度は、およそ70~80%に保ち、乾燥対策を実施しましょう。
生鮮青果物は鮮度維持のために適度な加湿を
穀物と同様に、鮮度維持のために適度な加湿が欠かせないのが、野菜や果物などの「生鮮青果物」です。倉庫内が乾燥していたり、空調機器の冷風が直接あたっていたりすると、野菜の水分が飛び、しおれ・目減りなどが発生します。出荷までの鮮度維持のため、加湿器の設置や、風が出ないタイプの空調機器の導入といった対策を実施しましょう。
また、生鮮青果物は、ウリ科の野菜など低温障害を起こすものをのぞき、「冷蔵(-18~10℃)」で補完するのが一般的です。
トランクルームは保管物に合わせ、最適な保管環境の構築を
トランクルームでは、保管物の特性に合わせ、柔軟に倉庫内の温湿度を調整できる仕組みが必要です。トランクルームには、文書・骨董品・貴重品・美術品など、さまざまな物品が運び込まれます。保管物によって、最適な保管温度・湿度は異なりますので、保管ニーズに合わせた温湿度管理を行うことが大切です。
火薬庫では防爆の観点から加湿を実施する
火薬工場など、火薬を一時的に保管する倉庫では、防爆(静電気による爆発を防ぐ)の観点から、厳格な湿度コントロールが求められます。火薬取締法施行規則では、無煙火薬などを保管する場合、「火薬類一時置場内の温度を四十度以下に保ち、かつ、相対湿度を七十五パーセント以下に保つこと」を事業者に義務付けています。[注1]
なお、火薬置き場内は火気厳禁です。加湿器および除湿機は、火薬の配合などを行う「危険行室」を避け、安全な場所に設置しましょう。
[注1]経済産業省:火薬類取締法施行規則
段ボール箱は湿度に弱い!除湿を行い、絶対湿度の低下を
段ボール箱は湿度に弱いため、保管場所の除湿が必要不可欠です。とくに梅雨の時期は段ボールが吸湿し、強度が著しく低下してしまうリスクがあります。段ボールが崩れ、内容物の品質低下を招く恐れもあるため、段ボール箱を置く場所には必ず除湿機を設置し、倉庫内の温度・湿度を定期的にチェックしましょう。
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