倉庫管理にIoTを導入するメリットを解説!導入事例もご紹介
Contents
☑このページで紹介している内容はシステム開発が必要です。
IoTとは
IoT(Internet of Things)とは、日本語で「モノのインターネット」と呼ばれ、さまざまなモノをインターネットに接続して付加価値を生み出すテクノロジーを指す言葉です。
従来は、主にコンピューターをインターネットに接続し、情報やデータのやりとりをおこなっていました。IoTの技術を取り入れれば、衣服や家電製品、家屋などの身の回りのモノから、工場や倉庫で使われる産業機械まで、さまざまなモノをインターネットに接続することができます。
それにより、センサーやカメラでデータを収集したり、遠くからモノや機械を制御したり、これまでにない新たな製品やサービスを生み出すことが可能です。
IoTによってできること
たとえば、IoTを導入すれば次のようなことを実現できます。
モノからデータを取得できる
モノにセンサーやカメラを取り付けることで、温度や湿度、音、明るさ、圧力などのさまざまなデータを収集することが可能です。たとえば、物流業界では倉庫内の商品やパレットにICタグを取り付け、効率的にデータを読み取るRFIDという技術が普及しつつあります。
データをインターネットでやりとりできる
IoTデバイスには、Bluetoothを始めとした無線LANで通信する機能があります。また、IoTゲートウェイを導入すれば、遠く離れたモノ同士をインターネットに接続することもできます。そのため、モノから取得した情報やデータは、現場に人がいなくてもインターネットでやりとりすることが可能です。
データをクラウドに収集できる
インターネットを通じて、モノから集めたデータをクラウド上に蓄積することも可能です。一箇所に集約することで、データをより幅広い目的に活用することができます。
データを活用したり分析したりできる
クラウドに蓄積したデータを活用し、新しいアイデアやビジネスモデルを生み出すことができます。近年は人工知能(AI)を活用し、より精度の高いデータ分析をおこなう企業も増えています。
倉庫管理でIoTを導入するメリット
IoTの代表的な活用例として、倉庫管理を始めとした物流業界が挙げられます。倉庫管理にIoTを導入するメリットは4つあります。
倉庫内作業を効率化・自動化できる
IoTを導入すれば、倉庫内作業を効率化・自動化することができます。たとえば、従来のバーコードに代わって物流倉庫で導入が進んでいるのが、遠くからでもデータの読み書きが可能なRFIDタグです。RFIDタグを活用すれば、複数の商品を一度にスキャンできるため、倉庫内の棚卸し作業を大幅に効率化できます。
また、作業員の業務効率を高めるため、作業員が身につけて使う「ウェアラブルデバイス」を導入している物流倉庫もあります。倉庫ロボットと協働することで、検品やピッキングの工程を自動化することも可能です。
作業の進捗状況を見える化できる
物流倉庫を出入りする人やモノの動きを追跡し、作業の進捗状況を見える化できるのもIoTの強みです。商品やパレットにRFIDタグを取り付ければ、「倉庫内に商品・パレットがどれだけ残っているか」「商品・パレットがいつ入荷(出荷)したか」といった情報を可視化できます。RFIDタグから集めたデータに基づいて、倉庫内作業の進み具合をチェックすることが可能です。
また、RFIDタグを作業者や運搬車両に取り付け、作業中の動きや作業にかかった時間などを計測し、常時モニタリングすることもできます。
人件費の無駄を削減できる
IoTを活用し、倉庫内作業を効率化・自動化すれば、人件費を始めとしたコスト削減につながります。たとえば、倉庫ロボットやウェアラブルデバイスを活用することで、作業者の負担を軽減しながら、より少ない人員で倉庫内作業をおこなうことができます。
実際に、無人搬送車を導入した物流センターの例では、ピッキングの際に作業員が移動する距離を半分以下に減らすことができました。このように既存の作業員を倉庫ロボットに置き換えたり、倉庫内作業の効率化・自動化を実現したりすることでコストの無駄を削減できます。
倉庫内の異常をすばやく検知できる
IoTデバイスを導入すれば、現場に作業員がいなくても、倉庫内の異常をすばやく検知することができます。たとえば、温度センサーや湿度センサーを活用すれば、倉庫内の急激な温度・湿度の変化を検出し、自動的に警報(アラート)を発することが可能です。
また、倉庫の出入り口に人感センサーを設置すれば、警備員を配置していなくても不審者の侵入を自動で検知できます。センサーが取得したデータは、インターネットを通じてスマホやタブレットなどから確認できるため、物流倉庫の遠隔監視を実現することができます。
様々な物流業務向けのITシステム・IoT
物流業務向けのITシステムやIoTソリューションは、大きく分けて8種類あります。それぞれの特徴やメリットを紹介します。
ピッキングシステム
ピッキングシステムとは、倉庫内のピッキング作業を自動化・効率化するためのITシステムです。ピックアップする商品を作業者に教えるデジタルピッキングシステム(摘み取り式)と、仕分けが必要な商品を作業者に教えるデジタルアソートシステム(種まき式)の2種類があります。
作業者は陳列棚に設置されたデジタル表示機や、手元のスマートデバイスを通じ、ピッキング作業の指示を受け取ります。陳列棚を目視でチェックする必要がなく、ハンズフリーで作業できるため、仕分けやピッキングのミスを減らすことが可能です。
輸配送管理システム
輸配送管理システム(Transport Management System)とは、商品出荷後の輸配送のプロセスを管理するためのITシステムです。たとえば、商品を輸送するための配車計画や配送計画を最適化し、輸送効率を高めることができます。
近年は人工知能を組み合わせて、配車計画を自動で作成可能な輸配送管理システムも登場しています。また、輸送中のトラックの位置情報をリアルタイムに追跡し、運行状況を可視化することも可能です。
トレーサビリティシステム
トレーサビリティシステム(生産流通情報把握システム)とは、商品にICタグを取り付け、原材料や出荷履歴などの情報を追跡するためのITシステムです。トレーサビリティシステムを活用すれば、商品の履歴情報をデータベース上でいつでも確認することができます。
商品を安全な状態で消費者に届けるため、トレーサビリティシステムには欠かせない役割があります。とくにHACCPに沿った衛生管理や、医薬品の適正流通(GDP)を実現するには、出荷後の商品をリアルタイムに追跡できる仕組みが必要です。
倉庫管理システム
倉庫管理システム(Warehouse Management System)は、倉庫内のモノや人を管理するためのITシステムです。倉庫管理システムには、ハンディターミナルなどで読み取った商品のデータを蓄積することができます。
倉庫管理システムがあれば、商品の数量や在庫状況、入荷・出荷のスケジュールなど、さまざまなデータをシステムの管理画面で確認できます。また、倉庫管理システム上で作業者の進捗状況を確認し、作業指示を出すことも可能です。
倉庫制御システム
倉庫管理システムと違い、倉庫内の機械や設備を管理するためのITシステムが倉庫制御システム(Warehouse Control System)です。
倉庫制御システムの役割は、コンベヤ(コンベア)やソーター、無人搬送車などのマテハン設備(マテリアルハンドリング設備)や、センサーを取り付けたIoTデバイスを制御し、適切な指示を与えることにあります。最新技術を活用したスマートロジスティクスを実現するうえで、倉庫管理システムの導入は欠かせません。
倉庫実行システム
倉庫実行システム(Warehouse Execution System)は、「倉庫運用管理システム」とも呼ばれ、倉庫管理システムと倉庫制御システムの両方の機能を持った統合システムを指す言葉です。
倉庫管理システムのように在庫管理や入出庫管理をおこなったり、倉庫制御システムのようにマテハン設備を制御し、倉庫業務を自動化したりすることもできます。人、モノ、機械・設備をワンストップで管理できるため、倉庫管理システムや倉庫制御システムをどちらも導入していない物流倉庫に向いているITシステムです。
在庫管理システム
倉庫管理システムよりも、在庫管理に特化した機能を持っているのが在庫管理システムです。在庫管理が必要な商品点数が多い場合や、複数の物流倉庫の在庫管理を同時におこないたい場合は、在庫管理システムの導入がおすすめです。
在庫管理システムを導入すれば、需給調整業務をサポートし、在庫を適正な状態に維持することができます。在庫に過不足が生じたり、欠品が発生したりするリスクを減らせるのが在庫管理システムのメリットです。在庫管理システムによっては、在庫状況をスマートフォンアプリなどで手軽に確認できるものもあります。
ロケーション管理システム
ロケーション管理システムは、在庫管理業務のなかでも、商品のロケーションの管理に特化したITシステムです。ロケーション管理システムを導入すれば、「今、どこに、どの商品があるか」をリアルタイムに可視化できます。作業者が商品を探す手間や、倉庫内を移動する距離を減らし、倉庫内作業を大幅に効率化することができます。
とくに倉庫内の空きスペースを有効活用する「フリーロケーション」を採用したい場合は、ロケーション管理システムの導入が必要です。
ユーピーアールでの導入事例~業務用倉庫における不正侵入監視~
課題
突発的な案件で稼働中の倉庫で保管ができなかったため、警備システムが無く、業務用でも利用していない倉庫で保管しなければならなかった
要素技術・役割分担
- 非常ドアと搬入用扉に磁石センサーを設置
- 倉庫内にアナログ接点を取得しインターネットに通知できるユニットとブザーユニットを設置
- 携帯電話ネットワークで、クラウド上に送信
- WEBアプリケーションには閾値とメールアドレスの設定だけできるシンプルな画面を提供
ユーピーアール選定ポイント
- 先方の要望に合わせて、ハードウェア・ネットワーク・ソフトウェアまで全てユーピーアールでご案内できた
- 突発的な案件であったため極力安価な構成で臨むために、システム構成・アプリケーション設計もできる限りシンプルな構成を提案できた
- IoTシステムの運用実績が豊富であった点を評価していただいた
導入の効果
- かなりの短納期に答えて納品できたため、先方の仕事に支障をきたすことなく設置できた
- 不正侵入用の警報を感知担当者へ知らせる、という顧客要望に応えられた
- 不正侵入用時にブザーを鳴らして侵入者を威嚇することができた
- 通信コストのプランを柔軟に設定し、設備もシンプルにしたため最低限のコストで要望を実現できた
物流機器・輸送機器のレンタル | upr > お知らせ > IoTソリューション > 倉庫管理にIoTを導入するメリットを解説!導入事例もご紹介