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FA?通信プロトコル?Modbusとは?【IoT活用事例】を解説

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☑このページで紹介している内容はシステム開発が必要です。
☑このページで紹介している内容はIoTの活用案です。

 

製造の現場やオフィスのエレベーター、ボイラー等に必要不可欠なのが電子制御の仕組みです。いずれも私たちの生活において身近で欠かせない存在であることは明白で、電子制御の仕組みや規格が確立されていないと、日常生活に大きな支障をきたしてしまうおそれがあります。
電子制御において重要な役割を果たすのが通信プロトコルとPLCです。今回は、それぞれがどのような役割を果たしているのか、両者の関係性とともに詳しく解説しながら、電子制御を可能にしている仕組みについてご紹介します。

 

「インダストリー4.0」「スマート工場」というコンセプト

近年の工場では、あらゆる製造機械、生産設備、FAシステムを相互にネットワークで結びつけ、IoT化する試みが進められています。この試みを理解するために必要なのが、インダストリー4.0とスマート工場というキーワ―ドです。

インダストリー4.0

インダストリー4.0とは、2011年にドイツで誕生した産官学連携の国家プロジェクトです。
文字通り、コンピューターやICTの登場によって生まれた第3次産業革命につづく、製造業の第4次産業革命を目標としています。その鍵となるコンセプトがスマート工場であり、生産現場におけるIoTの活用です。

スマート工場

スマート工場とは、考える工場とも呼ばれ、IoTの活用によって生産性や業務効率を飛躍的に向上させる取り組みです。あらゆる製造機械をネットワークにつなげることで、設備の故障や在庫切れをリアルタイムに一元管理し、ムダをなくします。
また、製造システムや受注管理システムをネットワークで結ぶことで、顧客の個別のニーズに対応しつつ、高付加価値な製品を大量生産する、マスカスタマイゼーション(mass customization)が実現しました。

 

FAとは?

FA(Factory Automation)とは、工場の自動化や製造ラインの自動化に使われる機器のことを指します。基本的には生産工程だけでなく、受注、設計、検査、出荷等、総合的に自動化することです。

 

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通信プロトコル とは?

通信プロトコルとは、ネットワークプロトコル・通信規約・通信手順等とも呼ばれ、ネットワーク上でデータを通信するための手順や規約をまとめた規格のようなものです。手順や規定は「送信するデータの形式」、「通信エラーが起こった際の対処法」、「最初に情報を発信する端末の選定」等細かく決められています。これらの規格に則って通信することで、発信する側と受け取る側がスムーズに連携することが可能となります。

 

【そもそも通信プロトコルってなに?】

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プロトコル Modbus(モドバス)とは?

Modbus(モドバス)とは、回路の制御装置「プログラマブルロジックコントローラ(PLC)=シーケンサ」向けに定めた通信プロトコルのことです。1979年に米国のModicon社が発売して以来、PLCはボイラーや製造機械の自動機械の制御に多く使われており、その通信に必要なModbusも特に産業界におけるスタンダードな規格になっています。また、エレベーターや遊園地の乗り物等、目には見えなくても、私たちの生活のありとあらゆるシーンで活躍しています。スマート工場化や業務効率化を実現するにあたって、工場や機械の自動化は重要なポイントです。PLCとその通信プロトコルであるModbusはIoTにとっても重要な存在になっています。ここでは、Modbusの概要とユーピーアールの事業との関わりについてご紹介します。

 

ユーピーアールの産業機械 遠隔監視ソリューション

産業機械 遠隔監視ソリューションでは、従来把握できなかった納品後の機械の状態をセンサーを用いて見える化します。
自社製品の状態をデータ化して把握することで、故障時の原因特定を容易にするだけでなく、エンドユーザーから突然の故障やメンテナンス依頼で連絡を受ける前に適切な提案をすることが可能となります。


 

PLCとは?

PLCとはProgramable Logic Controllerの略称です。Modbusについての解説でも触れたように、PLCはエレベーターや製造機器等の制御をするために幅広く活用されています。例えば、特定のボタン操作で機械を動かしたり、停止させたりする、といったように、PLCを利用することで機械の動作条件を指定することができます。
同じ意味を指す言葉として「シーケンサ」がありますが、これは三菱電機のPLCを指す商品名です。国内においては三菱電機のPLCが高いシェアを誇ることから、PLCのことをシーケンサと呼ぶことも少なくありません。

 

プロトコル ModbusとPLCの関係について

ここまで、Modbusは通信プロトコルの名称、PLCは制御するための機器とご紹介してきましたが、両者には具体的にどのような関係があるのでしょうか。もう少し詳しく解説していきましょう。
例えばエレベーターを操作する場合、エレベーターホールにあるボタンを押すとその階にエレベーターが到着します。このとき、ボタンを押したということをPLCが認識し、その階にエレベーターを停止させるという指示を送らなければなりません。

  • ボタンが押されたという信号をPLCまで届ける
  • 特定の階に停止させるという命令をエレベーターに出す

大まかにピックアップすると、上記の2点が通信プロトコルであるModbusが果たす役割です。
そして、特定の条件が揃ったときにエレベーターを停止させ、扉を開く等のルールを実行させるのがPLCの役割です。
例えると、Modbusはコミュニケーション手段としての言語のようなもの、PLCは頭脳のような役割を果たすと考えると分かりやすいでしょう。機械を電子制御する際にはどちらも重要な役割を果たします。
Modbusは制御する側(マスター)のPLCと、制御される側(スレーブ)のエレベーターの通信を可能にするのです。

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プロトコル Modbusの特徴

Modbusには大きく分けて「RTUモード」と「ASCIIモード」、そして「TCPモード」の3つのモードが存在していますが、それぞれ以下のような特徴があります。

  • RTUモード:データ量が少なく伝送時間が速いが、解析しにくい
  • ASCIIモード:文字データのため解析しやすいが、伝送時間が遅い
  • TCPモード:通信速度が非常に速く、Ethernet上で通信できる

RTUモードとASCIIモードはシリアル通信によって行われるため、通信速度は約19kbpsと非常に低速です。しかし、そもそもModbusで扱うデータはPLCからの制御用信号であるため、そこまで大容量である必要はないという前提があります。TCPモードは既存のインターネット環境を活かしてModbus通信が可能であるというメリットがあります。

 

プロトコル Modbusの通信方式

Modbusはシングルマスター/マルチスレーブという通信方式を採用し、命令(クエリ)を発することができるのは1つのマスター(シングルマスター)のみです。スレーブはマスターによって発したクエリを受け取り、実際にその命令を実行する役割を果たします。

  • マスター:スレーブに対してクエリを発することが可能
  • スレーブ:マスターからクエリを受け取り、命令を実行

前述したエレベーターの例においては、押されたボタンによって制御するPLCがマスターであり、停止したエレベーターがスレーブと考えることができます。マスターとスレーブの関係性は、Modbusにおいて重要な概念でもあります。

 

プロトコル Modbusが広く普及した要因

たくさんの種類がある通信プロトコルの中で、なぜModbusは製造業等の産業で広く普及することができたのでしょうか。
その主な要因を以下でご紹介しましょう。

  • プロトコルの仕様書が一般公開されていて、利用が無料であること
  • 実装が他の通信プロトコルと比べると、比較的容易であること
  • データをそのまま受け渡しできること
  • ベンダー(販売者)に制約を設けていないこと

また、Modbusは1つのネットワークに複数の機器を接続して通信することができるので、多くの機械をネットワークに結ぶ必要がある産業界と相性が良かったことも、普及した大きな要因の1つです。

 

プロトコル Modbusの活躍フィールド

Modbusはどのような場所で活躍しているのでしょうか。前述したとおり「産業用電子機器」を接続、制御する手段として広く採用されています。産業用電子機器の中で、どのように活躍しているのか簡単に説明しましょう。
1つの産業用電子機器の中には、それを正しく動かすためのたくさんの電子機器が備わっています。電子機器は単体で動いても大きな意味はありません。これらの電子機器が相互に情報を発信・伝送し、交換することが必要になります。
例えば、制御される側(スレーブ)である機器のスイッチのオン/オフや回路の切り替え等、機器同士が情報を送受信する際のやりとりでもModbusが活躍しています。需要の高まりを受けて、Modbusをサポートするモデムやゲートウェイが多数開発されているほか、拡張バージョンであるModbus Plusも登場しています。


 

IoT向けプロトコルMQTTとは?軽量なメッセージングプロトコル

自動機械の制御のための通信プロトコルであるModbusと違い、MQTTはTCP/IPプロトコルがベースとなり、デバイス同士がメッセージデータをやりとりするために作られた通信プロトコルです。
低スペックなマシンや、ビットレートが低く不安定なネットワーク上でも軽快にメッセージを送受信できるのが特徴で、マシンスペックやネットワーク構成の制約が多いIoTシステムに適しています。
MQTTプロトコルは「Pub/Subメッセージングモデル」を採用しており、サーバー(MQTTブローカー)を経由してメッセージをやりとりする際、メッセージを送る「送信者(Publisher)」と、メッセージを受け取る「受信者(Subscriber)」が分離しています。
そのため、送信側と受信側のクライアントを任意に増やすことができ、必要に応じてIoTシステムを拡大したり縮小したりできます。

 

IoT向けプロトコルMQTTの2つの特徴

MQTTプロトコルの特徴は2つあります。まず、MQTTでは送信側と受信側が独立した非同期通信が行われるため、IoTシステムのサーバーに何らかの障害が起きた場合でも、サーバー復旧後にメッセージを再送信することが可能です。この機能を到達保証(QoS)と呼びます。
また、送信側のクライアントが意図せず切断された際、事前に設定したメッセージを受信側に送り、システムの稼働状況を可視化する「遺言(Will)」という機能が利用できるのも特徴です。ネットワーク障害への強さや、システムの安定性が求められる油田パイプライン、医療サービス等で採用例があります。
また、MQTTプロトコルは一度に扱えるデータ量が256バイトまでと小さい代わり、「多対多」の通信に対応しています。
送信者(Publisher)と受信者(Subscriber)を複数作成し、大量のメッセージログを別々のクライアントに送るような使い方が可能です。一般的なIoTシステムでは大容量のデータは扱わないため、MQTTプロトコルが広く採用されています。

 

FAにおけるユーピーアールの強み

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  1. 既存の生産設備(FA機器)にそのままアドオンできるゲートウェイ及びクラウド(UPR OCEAN)を提供できるため、いち早くデータの可視化が可能となります。さらにパッケージシステムの運営実績も豊富にあり、既存技術・システムの活用によりアプリケーション構築も安価に提供することが可能です。
  2. 既存の設備に合わせて導入コンサルティングが可能です。既存設備の可視化が容易なシステムの提供が可能であるためPOCレベルのトライアル等も安価に提案が可能です。
  3. Modbus対応機器との数多くの接続実績があり、通常ユーザー側で検討しなければならない設備やサービスとの接続のためのコストをできる限り抑えることが可能です。

 

ユーピーアールの産業機械 遠隔監視ソリューション

産業機械 遠隔監視ソリューションでは、従来把握できなかった納品後の機械の状態をセンサーを用いて見える化します。
自社製品の状態をデータ化して把握することで、故障時の原因特定を容易にするだけでなく、エンドユーザーから突然の故障やメンテナンス依頼で連絡を受ける前に適切な提案をすることが可能となります。


 

FA導入の効果

    • 必要な情報がリアルタイムで共有されることで、機器やラインの停止時間の減少やマーケティングデータとしても活用できるようになりました。
    • 情報が適切なタイミングで適切な人に共有されることで、工場ごとに分断されていたオペレーションについて効率的な業務運営が可能になりました。
    • 共通のプラットフォームにFA機器のデータやアプリケーションを載せることで、メンテナンス性を向上させることができました。

    企業の生産性向上においてIoTの活用は大きなカギとなる存在です。しかし、実際に電子機器を制御するための仕組みや技術をうまく組み合わせなければ、実用的な運用は不可能といっても過言ではありません。
    既存の設備をうまく活用していくためにも、今回ご紹介したModbusやPLCに関連した技術はIoTと密接な関係にあることは確かです。生産ラインのFA化を早急に進めるためにも、ぜひユーピーアールまでお気軽にご相談ください。

     

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