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IoTを活用した在庫管理の特徴とは?メリットや導入事例を紹介【IoT導入事例】

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倉庫での在庫管理

IoTを活用した在庫管理について

近年、IoT(Internet of Things)を物流分野に応用し、在庫管理の効率化に向けて取り組む物流センターが増えています。

IoTは日本語で「モノのインターネット」といい、様々なモノをインターネットに接続し、リアルタイムにデータを取得するための技術です。IoTを活用した在庫管理では、棚やパレットなどにセンサーを設置して、在庫数のデータをリアルタイムに取得し、在庫を見える化することを目指します。

とくに恩恵が大きいのが、在庫数や欠品の有無を確認する棚卸です。IoTを活用することで、スマホやタブレットなどで正確な在庫数が把握できるため、従来よりも大幅に作業を効率化できます。また、帳簿と現場の実態が合わないといった事態も解消され、出荷の際のトラブルも減らせます。

 

IoTを活用した在庫管理の種類と特徴

それでは、IoTを活用した在庫管理ソリューションとして、具体的にどのようなものが存在するのでしょうか。

倉庫や物流センターで使われる代表的なIoTデバイスが、「ビーコン」「ハンディターミナル」「重量計」の3つです。それぞれのデバイスごとにメリット・デメリットがあります。また、どのデバイスを導入するかによって、倉庫業務の流れも大きく変わってきます。自社の在庫管理の課題や取り扱っている商品の種類に合わせ、最適なソリューションを選ぶことが大切です。

在庫の位置を読み取る「ビーコン」

ビーコンとは、無線通信技術を利用し、リーダー(受信機)に対し信号を発信する端末のことです。

一部の物流センターでは、このビーコンを用いて在庫管理を行っています。入荷した商品にビーコンを取り付け、リーダーで信号を受信すれば、商品の位置や数量が自動的にわかります。在庫管理に特化したビーコンを使えば、ビーコンの出荷状況やピッキング状況などの情報を知ることも可能です。

また、音を鳴らす機能があるビーコンを導入し、オペレーターがビーコンの音を聞くことで、効率的にピッキングを行っている物流センターも存在します。ビーコンのメリットは、在庫の見える化が可能な点と、信号の精度が高いため正確に位置を把握できる点です。一方、ビーコンを個々の商品に設置する必要があるため、一定の設備投資が必要なのがデメリットです。

手作業で商品をスキャンする「ハンディターミナル」

ハンディターミナルとは、専用のリーダー(受信機)を使い、バーコードやQRコードを読み取るデバイスです。

ハンディターミナルを在庫管理に活用すれば、商品に貼り付けたバーコードを読み取り、様々な在庫情報を取得できます。ハンディターミナルの導入メリットは、商品に貼り付けるバーコードやQRコードにほとんどコストがかからないため、多額の初期投資が発生しない点です。

一方、在庫情報を取得するにはオペレーターがハンディターミナルを商品に近付け、1つ1つスキャンする必要があります。手作業が発生するため、倉庫の広さやレイアウトによっては、思うように業務効率化につながらないケースもあります。

在庫を乗せてデータを読み取る「重量計」

最近は、ビーコンやハンディターミナルではなく、「重量計」を在庫管理に使う倉庫も増えてきました。

重量計とは、マットの上に商品を載せることで、在庫情報を自動で取得できるデバイスです。ただ商品を載せるだけでよいため、ハンディターミナルよりも在庫情報の取得の手間がかかりません。ビーコンのように商品へ端末を貼り付ける必要がないため、重量計本体を導入するだけで在庫管理が可能なのもメリットです。

また、小さな部品や粉末状の商品など、対象の形を選ばずに在庫情報の読み取りが可能なのも重量計の特徴です。
 

IoTを在庫管理に導入するメリット・デメリット

工場や倉庫内の在庫管理にIoTを導入することは、多大なメリットをもたらすでしょう。

ハンディなどの情報から商品在庫数、ピッキング作業の状況をリアルタイムで管理することができるほか、その情報をもとにした作業員の業務効率化、発注量・タイミングの最適化も実現することが可能に。さらに、業務のクオリティや精度の向上、人材不足の解消=コスト削減と、様々な面から効果が見込めます。

とはいえ、やみくもに導入するだけでは、期待を裏切ってしまうことになりかねません。当然、導入にはコストがかかるため、まずは費用対効果を意識するのが大前提です。そのうえで、新たな仕組みを取り入れることにより生じる設備メンテナンス、それを担当する人材への教育・マニュアル作成も必要となります。また、何よりIoTの特性上、情報漏洩などのセキュリティ対策は最重要になるでしょう。

IoTを在庫管理に導入することには、メリットもデメリットもあります。ただ、前者が非常に大きいのは事実です。十分に検討する価値のあるシステムですし、体制さえ整えれば、期待以上に効果を生み出すことは難しくありません。在庫管理の効率化、最適化を考えている方には、ぜひ選択肢に入れていただきたいと思います。

 

IoTを在庫管理に導入する際の注意点

ここまで、IoTを在庫管理に導入するメリットやデメリットについて解説しました。IoTを取り入れ、在庫管理を効率化するうえで大切なのが、導入前のシステム設計です。実際にIoTデバイスを使うのはトップの経営層ではなく、現場の作業員です。現場レベルの目線に立ち、作業員が本当に使いやすいIoTシステムを選ぶことが大切です。

ここでは、IoTの導入で失敗しないため、IoTを用いた在庫管理で注意したいポイントを3つ紹介します。

現場の負担をよく見極めよう

IoTデバイスを取り入れれば、現場の在庫管理の流れが大きく変わります。とくにITリテラシーが低い中高年やベテランの作業員が多い場合、不慣れな作業手順に戸惑い、かえって業務負担の増加や業務効率の悪化を招くリスクがあります。

IoTシステムの導入にあたって、誰にでも使えるようなユーザビリティの高い製品を選定しましょう。また、IoTの導入後は従業員へのフォローアップを欠かさず、必要に応じて教育研修の実施やセミナーの開催も検討しましょう。

早い段階で運用イメージを固めておく

IoTシステムは導入したら終わりではなく、導入後もきめ細かく運用管理を行っていく必要があります。IoTシステム導入前のなるべく早い段階で、導入後の運用イメージを固めておくと安心です。

とくに決めておきたいのが、IoTシステムの運用管理に当たる管理者と、在庫管理でトラブルが発生した際の対応フローの2つです。責任の所在を明確にし、問題が起きたときの対処方法を事前に決めておくことで、いざトラブルが発生しても慌てずに対処できます。

他社の導入事例をモデルケースに

IoTを在庫管理に導入するのが初めてで、運用イメージをつかみにくい場合は、他社の導入事例をモデルケースにしましょう。とくに物流やロジスティクスの分野ではIoTの導入が進んでいます。この記事でもIoTの導入事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
 

【導入事例】在庫管理におけるIoT導入以前の課題

  • パレットの紛失管理・入出庫管理・棚卸に多大な労力がかかっていた
  • 大量のパレットを管理しているため、パレットの実数と帳簿上の数が合わないことも多く、定期的にパレットの補充費用が発生してコストを圧迫していた

また、パレットの実数を把握できていないため、在庫管理も場当たり的になっていた

  • 今倉庫内にどれだけの在庫があるのか、パレット管理を通じて予測することができず、棚卸の段階で欠品が発覚し、作業工程が停止するケースも多発していた

結果として、商品の販売機会を逃すことにもつながり、在庫管理を適正化し、機会損失を防ぐための仕組みづくりが急務となった

しかし前述の通り、紛失管理・入出庫管理・棚卸に現状多大なリソースが割かれているため、なるべく人件費・業務負担のかからない方法でパレットの可視化、在庫管理の適正化を実現する必要があった

  • 在庫管理における要素技術・役割分担
  • デバイス:電波が300mも飛ぶアクティブタグと、それを正確にキャッチする高性能のリーダー(受信機)
  • ネットワーク:3G
  • クラウド:IoTプラットフォームにタグ情報を集約およびリーダー経由でタグに書き込み・API経由でアプリケーションで管理
  • ユーピーアール選定ポイント
  • インフラ構築を省略して、アプリケーション開発に専念したかった
  • 大量のパレットの動態管理に対応できるキャパシティが必要だった
  • タグ情報の書き込みに必要な双方向通信をサポートしている
  • 在庫管理におけるIoT導入の効果
  • パレット等の紛失が防止できます。それによりパレット等の補充費用が削減できます
  • パレットの可視化により、適正な在庫管理ができ、稼働率アップが期待できます
  • 物流倉庫・工場での人件費、運用コストの適正化・削減できます

 

まとめ

IoTを在庫管理に取り入れることで、在庫管理の効率化・適正化を実現できます。たとえば、パレットの実数把握ができず、適正な在庫管理を行えていなかった企業の事例では、アクティブタグを搭載したパレットの導入によって、倉庫業務の効率化に成功しています。

一方、IoTの導入で失敗しないためには、既存の従業員のフォローアップや、トラブル発生時に備えた業務フローづくりといった事前準備が欠かせません。IoTのメリット・デメリットを知り、在庫管理に賢く活用しましょう。

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