アクティブ・パッシブRFID融合の新型無線タグを試作~パレット管理システムでの将来的な活用を見据え、物流の利便性向上を目指す~
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慶應義塾⼤学SFC研究所(拠点:神奈川県藤沢市、所⻑:仰⽊裕嗣、以下慶應⼤)は、⽇本無線株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社⻑執⾏役員:佐久間嘉⼀郎、以下JRC)、ユーピーアール株式会社(本社:東京都千代⽥区、代表取締役 酒⽥義⽮、以下ユーピーアール)と共に、ユーピーアールがJRCと共同開発し、展開している無線通信を⽤いたパレット管理システム「スマートパレット®」で⽤いる無線タグ(DXタグ)の機能を拡充した新型無線タグ(DXhタグ-仮称)を試作しました。「スマートパレット®」は10年近い稼働実績があり、多くのお客様にご利用いただいております。今後は今回の試作をもとに新型タグの研究開発をさらに推進し、将来的な物流現場のさらなる効率化に貢献してまいります。
DXhタグの特長
従来のDXタグは⼀次電池のみで駆動するアクティブRFID端末として、⻑距離通信と⻑寿命を特⻑としてきました。それに対し、DXhタグは、DXタグに電池不要で無線通信が可能なパッシブRFIDチップを組み合わせることで、迅速な読み取りと書き込みといった操作を、電池なしで可能とする受動無線通信を実現します。センサ対応RFIDとしては既に2026年2⽉に国際標準規格「ISO/IEC18000-65」※1として承認されており、920㎒帯のアクティブとパッシブのハイブリッドタグは世界初※2となります。
スマートパレット®へのDXhタグ組み込みの効果
DXhタグをスマートパレット®に組み込むことで、柔軟かつ⾼度な運⽤が容易になります。主なメリットは以下の通りです。
・送信無線周波数などの、各種システムパラメータ変更
・休⽌状態からの超低消費電⼒起動
・すでにUHF帯の標準的な受動無線タグが貼付されているパレットの共同回収
・無線タグが貼り付けられた積み荷とパレットの⾼速な紐づけによる積み荷の追跡管理
背景:パレット運用の現状
パレットは物流において必要不可⽋であり、日本国内だけでも5億から6億枚が使⽤されています。パレットは国内のみならず国際的にも流通していますが、保管・回収・洗浄・所在管理などに⼿間がかかり、紛失も少なくありません。こうした管理の⼿間の削減や物流の2024年問題への対応も相まって、レンタルパレットの利⽤が年々拡⼤しています。パレット・物流機器のレンタルおよび管理サービスを展開するユーピーアールでは、パレット情報管理システム「スマートパレット®」を2015年に開発しました。「スマートパレット®」は、JRCが開発した無線タグ(DXタグ)をパレットに取り付けた物流容器です。物流容器の所在を把握し、回収、洗浄、再利⽤等のパレット管理のオペレーションの自動化や効率化を実現しています。DXタグは⼀次電池駆動で⾃ら電波を発信するアクティブRFIDですが、動作を、間⽋的な送信モードと管理モードに限定することで、最大300mの通信距離を確保しながらも、電池交換なしで10年程度の⻑寿命を可能としていました。⼀⽅、他社では、UHF帯の標準的なパッシブRFIDを⽤いることで、通信距離は数m程度に限定されるものの、迅速なデータの読み書きと電池交換不要を実現する取り組みも⾏われています。

スマートパレット®の中央部に収納されるDXタグ

サイズイメージ
DXタグの課題
DXタグは、約10年間にわたり電池交換を必要としない運⽤を可能とするため、⼀定間隔で信号を送信する間⽋送信⽅式を採⽤しています。そのため、必要なタイミングで即時に通信を行うことが難しく、設定変更などを⾏う際に、タグからの応答を待つ必要がありました。また、電池切れによりDXタグからの発信が停⽌すると、パレットの所在を確認できなくなるという課題もありました。さらに、パッシブRFIDが装着された他社レンタルパレットと共同で出庫・回収を⾏う場合や、積み荷とパレットの情報を紐づけて⼀括検品を⾏う場合には、DXタグとは別に、UHF帯の標準的なパッシブRFIDをパレットに追加で装備する必要がありました。加えて、アクティブRFIDは通信距離が⻑い⼀⽅で、パレットの位置を詳細に把握することには限界がありました。⼀⽅、通信距離の短いパッシブRFIDを活⽤することで、数m単位での位置把握が期待できます。
RFID⼀体化による解決
そこで三者は、慶應⼤などが研究開発を進めているセンサ対応RFIDの新規格であるISO/IEC18000-65プロトコルに対応した受動無線チップをDXタグに組み込み、能動通信と受動通信によるデータ連携を可能とするDXhタグを試作開発しました。本システムは、ISO/IEC18000-65に準拠したパレット情報管理システムの実⽤・実証事例として、世界初の取り組みです。DXhタグは、従来のDXタグが備える⻑距離・⻑寿命のアクティブRFID機能に加え、電池不要で迅速な読み書きが可能な受動通信機能を⼀体化しています。これにより、現場での設定変更や電池切れ後のタグ確認、共同回収オペレーションなど、これまで対応が難しかった場⾯においても、柔軟で実⽤的な運⽤が可能になります。具体的には、送信無線周波数などの設定変更、休⽌状態からの超低消費電⼒起動、パレットの共同回収、無線タグが貼り付けられた積み荷とパレットの⾼速な紐づけによる積み荷の追跡管理などが可能になります。三者は千葉県市原市のユーピーアールパレットデポにおいて、DXhタグを⽤いたデモシステムを構築し、2026年7⽉に評価試験を実施しました。
なお、 2026年9月9日から11日にかけて東京ビッグサイトで開催される「第28回 自動認識総合展」において、本リリースに関連するセミナー「2026 EPC RFID FORUM × 自動認識総合展」を実施します。DXhタグ展示も予定しておりますので、みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
本発表は、総務省の「電波資源拡⼤のための研究開発(JPJ000254)」によって実施した成果を含みます。

ゲートを通過するDXhタグ版スマートパレット®と情報が紐づけられた積荷

ゲートを通過時に読み取られたID
※1 国際標準規格「ISO/IEC 18000-65」センサー対応RFIDのインターフェースおよび通信方式を定めた国際標準規格。920MHz帯を用いたアクティブ/パッシブRFIDシステムにおけるデータ交換方式などを規定しています。
※2 ISO/IEC 18000シリーズ準拠の920MHz帯タグとして(2026年7月29日 3社調べ)
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