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DONのM2M講座 第23回 通信端末が取得すべき日本の公的認証

  • 2016年10月27日

DONのM2M講座 第23回 通信端末が取得すべき日本の公的認証 みなさん、こんにちは。

カラオケで歌うのはやっぱり演歌という、DON.マルチェロ・スミーニです。

「DONのM2M講座」の第23回目ということでよろしくお願いします。
前回の記事はこちらに掲載されています。

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皆さん引き続きよろしくお願いします。

今回の講座から何回かに渡って、M2M/IoT用の装置を開発し、実際の商用運用を行なっていくうえでクリアすることが必須となる公的認証や規制について、解説していきたいと考えます。今回は第一弾として日本において無線通信端末を使用する際に必要となり公的認証について解説いたします。
(※なお、今回の文章の中でなにが認証や規制の対象となり、なにがならないかを記載している部分がありますが、これはあくまでも一般論を参考情報として提示しているものであり、個別ケースがそれぞれの認証の規制の対象となるかどうかは必ず認証発行機関へ問い合わせてご確認いただきますようお願いします。


23.1 通信端末が取得すべき日本の公的認証

日本において無線通信端末が取得すべき公的認証は、無線機としての認証と通信端末としての認証の2つがありますい。まず無線についての認証について説明します。

無線についての公的認証の名称は『技術基準適合証明』というものです。根拠となる法律は『電波法』です。
正式名称は上記に記載しましたがこの名称で呼ぶ人を見たことがありません。一般的には『TELEC』と呼ばれることが多いです。ただしTELECというのはこの認証を発行する機関の名称であり、かつ認証発行業務は民間企業にも開放されたため厳密にはこの認証のことをTELECと呼ぶのはいささか不適当です。ただ慣例上でこのように呼ばれることが多いです。この連載では、一般人にわかりやすく、かつ団体名と区別するため『TELEC認証』と呼ばせていただこうと思います。

通信端末としての公的認証の名称は『技術基準適合認定』というものです。根拠となる法律は『電気通信事業法』です。
こちらにちついても正式名称で呼ぶ人はおらず、一般的には『JATE』と呼ばれることが多いです。ただしJATEというのも認証を発行する機関の名称であり、民間企業に開放された現在ではいささか不適当な呼び名となっているのはTELECと同様です。この連載では『JATE認証』と呼ばせていただこうと思います。

また、『TELEC認証』や『JATE認証』について『技適』と略して呼ばれることもあります。『技適』はよく使われる言葉ですね。

これらの認証を取得するのは、どのような機関にて試験を受ける必要があるのでしょうか。以前は両方の認証とも政府系外廓団体が独占的に認証業務を行なっていて、無線認証を発行する団体が『一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター』(これがTELEC)、通信端末のほうが『一般財団法人電気通信端末機器審査協会』(こちらがJATE)のみが認証を発行していました。
現在は、民間企業にも認証発行業務が解放されているため、株式会社ディーエスピーリサーチ、テュフ・ラインランド・ジャパン株式会社、株式会社ULJapan、CETECOMジャパン株式会社などでも、認証取得のための試験の実施と認証の発行を依頼することができます。


23.2 『TELEC認証』におけるアンテナの扱い

本章では『TELEC認証』に関して、M2M/IoT端末特有の注意事項について記載しようと思います。
M2M/IoT端末では、携帯電話やスマートフォンと違ってアンテナが内蔵されている端末はごくわずかで、通常は外付けのアンテナを利用します。また、延長ケーブルを用いて端末装置から離れた場所にアンテナを設置することが必要になるケースも多いです。
『TELEC認証』においては、アンテナについては利得などのアンテナの特性と、ケーブルの長さ(および損失)を指定した形で認証を取得するようになっていて、ケーブルの長さについては複数のパターンについて同時に取得することが可能になっています。(あとからアンテナの長さを追加することも可能。)
そして、逆にここで記載がない長さのケーブルを使用した場合は、認証されていない状態での端末の利用とされ、すなわち違法という解釈になっているというのが一般に言われている解釈です。つまり、アンテナをケーブルで延長できるようになっている端末の場合には予め延長することを前提にいくつかのケーブル長のパターンについて認証を取得しておくということが賢い認証の取り方ということになります。

また、M2M/IoT端末では通信モジュールを利用して作られていくことが多いです。そして、日本で入手可能な通信モジュールの多くは『TELEC認証』も『JATE認証』もすでに取得済みであることが多いです。このような通信モジュールを使用して通信端末を製造する場合、通信端末としては新規に認証を取得する必要がなく、通信モジュールで取得した『TELEC認証』『JATE認証』がそのまま適用できると解釈されています。(ただし、上記で記載したようにアンテナ等の条件もありますので、具体的な端末について認証取得が不要かどうかは通信モジュールメーカに確認してください。)

端末に『TELEC認証』『JATE認証』を取得していることを示すラベルを貼り付けることが必要になるということも、M2M/IoT端末において考慮すべき点となります。ラベルとは、下に掲載したようなマークのことで、端末の表面に貼り付けることが義務付けられています。



通信モジュールの認証を利用する場合にラベルをどのように貼り付ければよいかなど、それになりにいろいろな検討が必要になるので、注意が必要でしょう。


23.3 海外製端末のための注意点

このような規則・規制は、常に変わっていきます。たとえば、海外では認証を取得しているが日本の認証は取得していない装置を日本で使用する場合、以前までは「海外SIMを装着すればOKだが日本の通信キャリアのSIMを挿して使うと違法」と言われてきました。しかし、この法令は2015年に改正となり、いまでは(日本の通信キャリアが申請さえ行っていれば)海外で一般に販売されているような端末に関しては日本の通信キャリアのSIMを装着しても違法ではない、というように変更になりました。このような小さな法令の変更の一つ一つが、M2M/IoT用途では通信端末の選択や運用の方法に影響します。このような規制の変化についても常にウォッチしていくことが重要なのです。

補足になりますが、日本でM2M/IoT端末を利用する際に、もう一つ注意すべき法令について説明いたします。M2M/IoT端末ではACアダプタを使用する場合が多いと思いますが、ACアダプタは電気用品安全法の認証(=PSE認証)が必要となります。特に海外製のACアダプタについては、PSE認証が取得されていることは当然必要なのですが、それ以外に輸入者の名称を記載したラベルを貼り付けなければならないという規則があり、その点についても注意が必要になります。


最後になりましたが、カラオケで演歌を一曲。
今夜も~♪、技適が~♪、技適が~♪、技適が~♪。。。。。。
お粗末さまでした。

今回の講座はここまでとさせていただきます。
次回は今回の続きで、M2M/IoTに関連する法令や規制についての解説を行なう予定です。次回をお楽しみに。

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