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DONのM2M講座 第2回 新聞という媒体を例にして、蓄積された情報の価値を考える

  • 2015年11月26日

DONのM2M講座 第2回 新聞という媒体を例にして、蓄積された情報の価値を考える みなさん、こんにちは。
DON.マルチェロ・スミーニと申します。
「DONのM2M講座」の第2回目ということでよろしくお願いします。
前回の記事はこちらに掲載されています。

私のプロフィールはこちらのサイトに載っています。皆さん引き続きよろしくお願いします。

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私のことは「DON」と呼んでください。
そういえば昔「私のDONと呼ばせてください」という歌が流行していましたね。日本で生まれ育った私にとっては、小さいころに好きだったたいへん懐かしい曲です。(え、イタリア生まれじゃないのかって?まあ、細かいことは気にせずに。)

先週からはミスター・スミスの連載も始まりましたね。
トレンディな内容を織り込んだ、オシャレな内容でした。
ただ内容はさることながら、ぶっ飛んだ文体とちりばめられたギャグには驚かされました。

さて、今回はM2Mにおいて非常によく使われる技術である「ビッグデータ」について解説したいと思います。

2.1 新聞という媒体を例にして、蓄積された情報の価値を考える

蓄積された情報が価値をもつということがどのようなことか、新聞を例に考えて見ましょう。

新聞とは、最近起こったニュースを掲載することによって価値を提供している媒体です。そして、それは発行されてから時間がたつにつれて掲載されているニュースの価値が低下していく、という宿命にあります。何日か前の新聞には、もう読み返す価値はありません。そして何週間分かがまとめて紐でくくられて古紙業者に回収されていきます。このときには単なる「紙」としての価値しか見出されていません。まれに、小学生のわが娘が学校に新聞紙を持っていきたい、と頼んでくることがあります。しかしそれは工作などに使用するためであって、そこに書かれているニュースなど誰も気にしません。小学生が新聞紙を使って作った作品がFacebookに掲載されて、たくさんのイイネ!がつくこともありますが、これもあくまでも「紙」として工作の材料に使われたという話であって、新聞に書かれているニュースの価値とは無関係です。(あ、話が脱線してしまいましたね。なにせわれわれ「すみっこ」の一族は、資源リサイクルの星のもとに生まれてきた存在なので、古新聞がどのようにリサイクルされるのか、ということを黙って見ていられないんです。ゲージュツ作品にリサイクルされる新聞紙って、とってもステキです。)

しかし、古い新聞に書かれたニュースはもう誰も読まないのかというとそうでもありません。私は子供のころから図書館によく行っていたのですが、当時の図書館には新聞の縮刷版というものが置いてありました。これは新聞を1/4くらいのサイズに縮小して、1か月分を1冊の冊子にまとめたものです。電話帳みたいな外見のものですね。これが何年分もまとめれられていて図書館の一角に置かれていました。この新聞の縮刷版は、当時の図書館では閲覧する人がたいへん多かったと記憶しています。何年も前の新聞の縮刷版を、小学生が自由研究のために見るということもあったと思いますが、スーツを着た社会人らしき人が何らかの調べもののために見ているということもよくあったと思います。
つまり、長期間にわたって発行された新聞を、取り扱いやすいサイズに変えて何年何月何日の新聞を探そうとしたときにすぐにたどり着けるように最構成した縮刷版では、過去の情報を参照したいという需要により、新聞に宿命付けられていた古くなると消えていく価値とは別の価値を見出されたということになります。外国の言葉を使って表現すると「アーカイブ」という概念ということになりますね。(「イタリア生まれ」の私にとって、何が外国語なのかよくわかりませんが。)

上記の例にて、「情報の価値」というものには、リアルタイムに伝達することにより生まれる価値と、蓄積されることによって生まれる価値の二面性があるとことをイメージしいていただけたのではないかと思います。

2.2 M2Mのシステムにおいて情報はどのように蓄積されるのか

M2Mにおいても、蓄積された情報を利用するケースが非常に多いです。この蓄積された情報から価値を取り出すやり方については、次回解説したいと思います。今回は、M2Mのシステムにおいて情報を蓄積するという部分について、どのような特徴があるかを解説したいと思います。

まず最初に解説したいのは、M2Mのシステムにおいて情報を蓄積するというときに、時間軸と空間的な広がりという、2つの座標軸を意識してほしいということです。ひとつの装置が定期的に情報を送ってくるものを長期間にわたって蓄積する、ということが時間軸での情報の蓄積となります。一方、同じ種類の機械がいろいろな場所に設置されて、それぞれが送ってくる情報を集計するというのが空間的な広がり、ということです。M2Mのシステムは、この2つの広がりを持った情報の蓄積を、比較的容易に行なうことができます。
前回の講座において、M2Mのシステムにおいて機械対機械で情報が伝達されることを説明しましたが、実際には情報が伝達される際に「デジタル化」という作業が行なわれます。つまり、M2Mのシステムにおいては情報が伝達された時点ですでに情報はデジタル化されて「データ」になっているということになりますので、これをストレージのシステムに蓄積することが容易です。
デジタル化された情報というのは、中にいくつもの情報が含まれているわけですが、それらの情報の指し示すものが明確であるという点も特徴です。M2M以外のビッグデータの用途においては自然言語で記述された情報を対象とすることもありますが、これを処理する際には、まず言語によって記載された情報の意味を解析するところに膨大かつ高度な処理が必要になります。M2Mにおいては、そのような処理は不要で、蓄積されたデータはすべて意味がわかっているという前提で処理を始めることができます。
また、M2Mのシステムにおいては、空間的に広がって分布する機械から送られてきた情報を一箇所の宛先に送るということがほとんどです。これにより、空間的な広がりをもつデータの蓄積も自動的に行なわれることになります。さらに機械は、情報を定期的に送るようにプログラムすることができます。このシステムを長期的に運用していけば、時間軸的に広がりを持つデータの蓄積も自動的に行なわれます。

前回の講座では、M2Mのシステムというのは機械が「今」どのような状態にあるのか、あるいは今どこに滞在しているのか、というような情報を伝達し、それを企業の業務に活用する仕組みとして説明いたしました。しかし、上記の解説でご説明したとおり、M2Mシステムは時間的空間的な広がりを持つ蓄積情報を作り出すシステムとしての側面も持っているということがおわかりいただけたかと思います。

M2Mシステムによって作り出される蓄積情報が革新的な価値創造の源泉となっているという事例が最近非常に多くなっています。
次回の講座では、この蓄積情報が企業活動に対してどのような価値を生み出すのか、という点について解説していきたいと考えています。
次回もお楽しみに。

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