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MR.スミスのIoTコラム IoTの価値ってなんだろう?

  • 2016年02月25日

MR.スミスのIoTコラム IoTの価値ってなんだろう? アメリカーーーン!!!

今週月曜からスペインのバルセロナでMobile World Congressが開催されているね。言わずと知れた世界で最も大きなモバイル技術の展示会だ。スミスも行きたかったんだけど、残念ながらヌイグルミは参加できないそうだ。オーマイガッ!

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IoTにまつわる数字あれこれ
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情報源:Here’s how the Internet of Things will explode by 2020

気を取り直して今日は少しIoTの価値について考えてみたいと思っているよ。IoTに興味のある読者なら、IoTにまつわるこんな数字はとっくに知ってるよね?その辺りをすっきりまとめてあるインフォグラフィックがあるから参照してみて欲しい。

・2020年までに240億のセンサーがインターネットに繋がる(調査によっては500億とも)
・同じく2020年までに6兆ドル規模の市場に
・2025年までのROIは13兆ドル

2000年頃から似たような数字遊びはあったし、2016年の時点で予測は何一つとして実現できていないことを思うと、こんな数字に意味があるとは思えないけどね。ただ、過去の予測がことごとく未達であることは置いといても、IoTという捉えどころのないコンセプトへの期待は膨らむ一方だよね。そして実際には少しずつ実現されつつあるのは間違いなさそうだ。

スミスがいつも気になるのは、「IoT市場の規模はxx兆円!」「ビッグウェーブが来ている!」なんてよく言われるけど、これって全てサプライヤ目線の数字だよね?使う人にとっての本当の価値ってどこにあるんだろう?

ユーザがお金を使って新しい物を導入する動機って何だろう?一つは「本当にトクをするものへの投資」だよね。ちょっと脱線するけど、12世紀頃のヨーロッパで盛んに導入され始めた水車や風車。いろんな用途に使われているけどそれが最も重要な役割を果たしたのは毛織物産業だと言われているんだ(『限界費用ゼロ社会』ジェレミー・リフキン著/第Ⅰ部第2章59ページ)。毛織物は織り上がると不純物を取り除いたり織り目を密にするために水の中で叩いて仕上げるそうだ。従来は何人もの男たちが桶の中で布を踏んで行っていた作業が、水車などによってたった一人で効率的にできるようになった。当時の産業にとってはとてつもないインパクトがあったことは想像に難くないね。これほどの効果があれば、みんなこぞって水車や風車を導入するだろう。そしてもう一つの動機は「恐怖感」。導入しないことによるデメリットを避けるために導入するケース。ひところのERP(Enterprise Resource Planning:企業の持つ様々な資源を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法)やCRM(Customer Relationship Management:顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す手法)はこれに近かったかもしれないね。「うちくらいの規模だと手に余るのに、そういう技術を採用していないことが受注活動の妨げになりうる」という危機感も確かにあったんじゃないかな?もちろん便利に活用することは可能だけどね。

さてIoTはどんな状況だろうか?

スミスも実はIoTのサプライヤ側に立っているからよく耳にするんだけど、ユーザにとってはIoTを導入する定量的なメリットが今はなかなか見いだせていないという状況が多いと感じているよ。メンテナンスの効率化など既に効果が明確に出やすい分野ももちろんある。だけどM2Mではなく「IoT」と呼ばれだしてから特に、ビッグデータ、ビジネス・インテリジェンス、機械学習、アナリティクス、人工知能etc. etc…、少し焦点がぼやけてしまっている印象があるね。定量的に効果を見いだせない理由の一つは、そういった様々なソリューションがもたらす結果に対する成功の定義が難しいことにあると思うんだ。

例えば日本ではソフトバンクが販売しているPepper君が当初の予測を超えてよく売れているよね。Pepper君の背後にはIBMのWatson君という優秀な人工知能が控えている。その優秀な人工知能を搭載したPepper君がバカ売れする、つまり成功した理由って何だろう。

MMD研究所の調査によると、Pepper君に求めることの第一位は防犯。第二位に癒やし、第三位に話し相手、となっているそうだ。Pepper君が防犯に役立つとは思いにくいけど、癒やしや話し相手にはなるんだろうね。だけどこれってとても個人的で定性的だから何をもって導入が成功したのか、やっぱりちょっと分かりにくいよね?スミス的にはPepper君の普及はソフトバンクのマーケティング力や営業力によるところが大きいと思うんだよね。

つまり、世の中ではまだまだIoTに対する理解や活用は十分ではなく、ユーザのメリットも明確にされないまま売り方一つでどうとでもなってしまっているというのが、今なのかもしれないね。

そんなまだまだ発展途上な市場で、セキュリティに対する大いなる懸念も持ち上がってきているんだ。

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アメリカの諜報機関がIoTセキュリティの脆弱性をスパイ活動に利用すると発言
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情報源:US intelligence chief: we might use the internet of things to spy on you

最近ニュースになった記事だけど、アメリカの諜報機関がIoTセキュリティの脆弱性をスパイ活動に利用するぜ、といったような内容。ワオ!これって衝撃的じゃない?色んな物が繋がって生活が便利になるはずのIoTが国家によるスパイ活動に利用されているだって?なんてこった!こんなことが公に報道されちゃうと、ますますIoT化のスピードが落ちてしまうかもしれない。これは間違いなく逆風だと思うよ。

IoTは素晴らしい。このコラムで何度も言っているように、これまで捨てていたデータにアクセスできるようになることで、製品開発や人々の生活に大きなインパクトを与えることが可能だし、社会の仕組みそのものを変えられるだけの可能性もある。だからサプライヤ側の都合ばかり押し付けるのではなく、ユーザが享受できるメリットを丁寧に説いていく、あるいは提案して一緒に作っていくことが重要だよね。

スミス的には、IoTを導入するメリットってメンテナンス用途(広い意味での遠隔監視)以外ではなかなか見いだせないんだけど、これからもいろんな事例や考え方なんかを、ここで紹介できるようにしっかりアンテナ張って行きたいと思うぜ。

じゃあ今日はこの辺で。またアメリカーーーン!!!

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