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DONのM2M講座 第6回 工場のネットワーク化が緊急の課題に

DONのM2M講座 第6回 工場のネットワーク化が緊急の課題に

みなさん、こんにちは。

最近は狼に変わることはすっかりなくなった、DON.マルチェロ・スミーニです。
「DONのM2M講座」の第6回目ということでよろしくお願いします。
前回の記事はこちらに掲載されています。

私のプロフィールはこちらのサイトに載っています。皆さん引き続きよろしくお願いします。
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私はこの原稿を喫茶店で書くことが多いのですが、最近は電源を使わせてくれる喫茶店を見つけるのにあまり苦労しなくなりました。ドトールやマクドナルドなどの壁際の席では電源コンセントが席に付いていることが多く、本当に助かっています。データ通信がどこでも使えるようになった今、最大のネックは電源なのですが、このようなお店の電源コンセント設置の流れはほんとうにうれしい傾向です。

さて本題に入りましょう。

前回までは、M2Mのシステムが生み出す価値について解説を行ない、最後に『データ二毛作』という概念を紹介させていただきました。今回からは、数回にわたって製造業の業界に発生している新しい流れについて、解説していきたいと思います。私自身は製造業に身を置くものではないのであくまでも『外野』からみた状況とはなりますが、何らかの参考になれば幸いです。

6.1 工場のネットワーク化が緊急の課題に

私DON.マルチェロ・スミーニは、ウルトラセブンがモロボシダンの体を借りていたのと同じように、M2M業界の企業で働くサラリーマンの体を借りて実生活を送っているのですが、そちらの活動において製造業の企業から「工場のネットワーク化を検討しているので何か提案をしてほしい」というような要望を受けることが多くなってきています。つまり、日本の製造業の企業の多くで自社工場をネットワーク化する、すなわち工場内にある多くの製造装置をネットワークでつなぐという検討を始めているということになります。この動きはどこから来ているのでしょうか。

ひとつの大きな要因として、ドイツが官民一体で提唱しているインダストリー4.0が業界に非常に大きなインパクトを与えたということがあります。

インダストリー4.0に関しては、M2Mboxのこちらの記事にて詳しく解説されています。

インダストリー4.0は、工場内の製造装置をネットワークで連結し、少量多品種の製品の製造を可能とするスマートな製造ラインを実現することを提唱しています。インダストリー4.0は、大量生産の製品においては国際的な競争力を維持できなくなったドイツの状況に対応することを目的とした『ドイツのドイツによるドイツのための』コンセプトであるのですが、比較的ドイツと社会情勢が似ている日本では、日本の製造業でもぜひ取り入れるべき処方箋のような扱いを受けていて、言わば流行語のような状況になっています。

実際の製造業の現場では、これまでもネットワーク化に対する潜在的な需要を持っていたとは思いますが、このような流行語が出てくると予算も取りやすくなるし、意思決定もスムーズになるというのが日本の企業の傾向ですので、インダストリー4.0が流行語になったおかげでこのような動きが一気に表に出てきたということは言えるでしょう。

これがひとつ目の要因です。しかし、工場のネットワーク化の動きがここまで大きなものになっているのは、単に流行語が後押ししているという理由だけではありません。もうひとつ、企業を本気にさせるようなデータが存在しているのです。これを次章で紹介します。

6.2 実証実験により効果が証明された工場のネットワーク化

オムロン社は富士通社と共同で、自社工場におけるネットワーク化の実証実験を行ないました。オムロン社のこちらのプレスリリースなど、多くの場所で紹介されています。

この実証実験の結果は、かなり衝撃的なものになっています。オムロン社が自社工場で行なった実証実験がどのようなものかというと、オムロン社製の制御装置用の回路基板を製造するラインにおいて、ラインに流れている製品がそれぞれの製造装置をどのような時刻に通過したかをネットワーク経由で集約し、それを折れ線グラフ的に可視化する(富士通製のタイムラインという名称のソフトウェアを利用したとのこと)という、システムとしてかなり単純な仕様のものを使い、ラインの中で製品の流れが止まる状況およびラインの切り替えや点検などでラインそのものが止まっているという状況を可視化して、問題点を洗い出すという実験です。

可視化した後、状況を分析して改善するという部分は、高度なデータの分析などは一切行わず、ラインの流れの遅延やラインの停止それぞれの原因を業務記録などからアナログ的に取り出して、ひとつひとつ改善策を作っていくという、伝統的な品質改善の手法に近い方法をとっていたようです。

この実証実験は1年間の期間で継続的に実施した成果として、製造効率の30%向上という非常に高い効果が得られたのです。オムロンという製造装置そのもののメーカとしても非常に有力なメーカであるにもかかわらず、です。

それぞれの製造装置がラインから流れてきた製造品をいつ処理したのかをネットワーク経由で通知するだけ、そしてそれをタイムラインとして表示するだけ、という特に高度とも言えないシステムを使うだけで、生産ラインの効率が30%向上する、ということになれば、これは自社で工場を持つ企業としては即座に検討を開始するレベルの数値と言ってよいでしょう。

最近になって工場のネットワーク化を検討する企業が急速に増加している背景としては、このオムロン社の実験のように工場のネットワーク化が非常に大きな効果をもたらすという実証結果が出ていることも大きいでしょう。

このように、工場のネットワーク化は日本の製造業において、ホットな話題となっています。この動きがこれまでのM2Mの業界に刺激を与え、変革とさらなる発展への契機となると予言しつつ、今回の講座を修了したいと思います。

次回は、製造業のM2Mに影響を与えるもうひとつのキーワードである『予兆診断』や『予防保全』について、最新の状況を解説したいと思います。

次回をお楽しみに。