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DONのM2M講座 第3回 蓄積情報が作り出す価値とは

DONのM2M講座 第3回 蓄積情報が作り出す価値とは

みなさん、こんにちは。

私のDONと呼ばれたい、DON.マルチェロ・スミーニです。
「DONのM2M講座」の第3回目ということでよろしくお願いします。
前回の記事はこちらに掲載されています。

私のプロフィールはこちらのサイトに載っています。皆さん引き続きよろしくお願いします。
すみっこのお友達プロフィール >>

すみっこのお友達のひとりであるミスター・スミスの記事は、もう読みましたか?
IoTがコンシューマ向け製品にまで活用される先端のビジネスを紹介していました。
面白い文章なのでぜひとも見てみてください。

さて今回は、M2Mシステムによって作り出された蓄積情報が、企業活動に対してどのような価値を生み出すのか、という点について解説していきたいと考えています。

3.1 M2Mシステムによって得られた蓄積情報を利用している事例

蓄積情報が作り出す価値を一言でいうと、未来に起こる現象を予測することができる、ということです。蓄積情報を分析することにより、蓄積情報の中に含まれる何らかの「パターン」を見つけ出し、その「パターン」が発生した後に起こる「次の事象」を予測するということができるようになります。

具体的にはどのようなデータのパターンから、どのような未来を予測することができるのでしょうか。

例えば、現在注目を集めている用語に「予兆診断」や「予防保全」という言葉がありますが、これは蓄積情報を用いて未来を予測するという手法を用いた価値創造の例のひとつです。

「予兆診断」や「予防保全」というのは、機械の稼働を監視している状態で、故障につながる兆候を監視データのなかから抽出して、実際に故障が発生する前に部品の交換や動作条件の改善などを行ない故障を防止すること、すなわち「故障が起こる前に故障が起こらないような対処を行なう」ということです。

これを実現するためには、対象となる機械の機種に関してそれなりの分量の稼働データが蓄積されていることが前提となります。そして、過去に発生した故障の履歴からその故障の直前に発生していた挙動の変化のパターンを抽出し、それを「故障の前兆現象」として規定しておくという手法になります。そして実際に稼働している装置に同じパターンが現れた際には、故障に至る可能性が高いと判断して事前に対応を行なうというのが「予兆診断」や「予防保全」と呼ばれるものです。

別の例を挙げてみましょう。

建設機械を製造しているコマツのKOMTRAXというシステムは、ビジネス的に成功したM2Mシステムの例として世界中で高い評価を得ているシステムですが、このKOMTRAXでは建設機械の稼働状態を集計して、その地域の「景気」の状態を把握し、そこから正確な売り上げの予測を立てることによりコマツの経営判断を支持する情報として利用しています。これも、地域ごとの建設機械の稼働の集計値と、自社の売り上げの履歴、さらには景気を示す外部の統計情報などを比較分析して、稼働の集計値の変化のパターンから将来の状況を予測しているのです。

このような手法は、コピー機の世界でもよく使われていました。コピー機が何枚の紙をコピーしたかという情報を多くの企業で動くコピー機から集めて集計すると、景気の状況と非常にマッチして連動するデータとなるということで、コピー機を提供する企業の経営判断をサポートする有用な情報を提供してきたようです。

3.2 蓄積情報が作り出す価値とは

M2MBoxに連載されているM2M講座では、蓄積された情報が生み出す価値として、以下の2つの法則を規定しています。

 『情報を蓄積すると新たな価値が発生する』

 『蓄積された情報は、他の種類の情報と組み合わせて分析されることにより、隠れていた価値を引き出すことができる』

前章の例を見ていただければ、この2つの法則で言っている「新たな価値」「隠れていた価値」というものが具体的には「未来の予測」であることを理解していただけると思います。

上記のように、企業において自社が提供してる商品やサービスにおいて将来起こることが予測できるということは、非常に大きな経営上の利点となります。しかし、蓄積情報を作り出して保持するためには、通信機器を取り付けた装置を市場に展開して、さらにそこから上がってくる情報が蓄積されていくための時間が必要なので、かなり長い時間がかかる行為になります。

また、上記の2つ目の法則にもありますように、実際に将来を予測するためには、他の情報と組み合わせて分析するということが多くの場合必要になります。自社内の故障の履歴や顧客対応の履歴を管理するシステム、あるいは営業管理システムとの連携は、必ず必要になってきます。ここを整備するためにも時間がかかる場合が多いと聞いています。

現在すでにいくつかの業界において、何年も前からM2Mシステムを導入していて蓄積情報が溜まってきていて、それを用いて新しい施策を打ち出すことができる企業が現れてきています。このような企業と競合関係にあり、かつ自社がこれまでM2Mシステムの導入を行なっていなかった場合、蓄積情報を作り出すための長い時間の間は対抗する手段がなくて競争上非常に困難な状況に陥ります。

日本のことわざに「後悔先立たず」という言葉があるようですね。イタリア生まれの私から見ても、この状況を非常にうまく表す表現だと感心してしまいます。未来を予測するシステムが競争上の必須なアイテムになるという未来の予測の上で「後悔先立たず」にならないよう、いまやるべきことはいま実施するということが重要です。

次回は、M2Mシステムで得られるリアルタイム情報の活用について記載する予定です。
次回もお楽しみに。